2017-10

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久々に郡上八幡へ/その1

2012年8月4日土曜日、久しぶりに岐阜県の郡上八幡に日帰りで出掛けてみた。
これといって目的自体は無かったのだが、ここのところ遠出をしていなかった事と、すでに郡上で始まっている「郡上踊り」をこの目で見てみたかったからであった。伊蔵の住んでいる場所から郡上八幡へはさほど離れてはおらず、長良川沿いに伸びている長良川鉄道を利用しても1時間半強で着いてしまう。にも関わらず伊蔵は本場の「郡上踊り」を見た事がこれまで無かったのだった。
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JR美濃太田駅6時26分発長良川鉄道「北濃(ほくのう)行き」一両編成の列車に乗る。郡上、北美濃方面へと向かう始発列車である。長良川鉄道はかつて越美南線と呼ばれてその昔は利用客もそこそこいたのだが、東海北陸自動車道が出来てからというもの北美濃方面からひるがの高原、白川郷、富山方面、高山方面、越前方面へはマイカーを利用して旅をする観光客が多くなってしまい、ますますローカル化が進んでいる。この日伊蔵が乗った車両もほぼ貸切状態であった。

ただこの長良川鉄道は利用するとかなり良かったりする。長良川沿いに山間を縫って路線が敷設されている為、沿線上の景色が非常に良いのである。この景色の素晴らしさは国道156号を走らない限りマイカーでは味わえまい。沿線を流れる長良川では鮎釣りにいそしむ釣人の姿を多く目にした。非常にゆったりとしたスピードで長良川を遡る列車は、川を泳ぐ鮎にも似て長閑なものである。
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一両編成の列車に揺られ、午前8時前に郡上八幡駅に到着。味のある木造の駅舎から表に出てみると思っていたよりも暑い・・・。郡上八幡は山間部にある町なのでもっと涼しいのかと思っていたのだが、どうやらその考えは甘かったようで普通に暑い(悲)。まぁとにかく駅前の店の自販機でスポーツドリンクを1本買い早速町の方へと歩いてみる事にする。駅前の細い道を歩き国道156号に出た。そこからしばらくそのまま歩くと郡上八幡の町を東西に流れ長良川へと合流する「吉田川」へとぶつかる。その吉田川沿いに東へと(町の方角)遡ってみる事にした。
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しかし暑い・・・。駅から数十分程歩いただけだがすでに体は汗ばんできている。郡上八幡の暑さも半端なものでは無い事を初めて知った伊蔵であった。
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やはり吉田川にも鮎釣りをする釣人が沢山いた。腰に魚籠を下げて細く長大な竿を手に持ち吉田川の水中に静かに足を沈めてじっとしている釣人の姿は“夏の郡上八幡”のイメージを強く感じさせるものがある。その吉田川もさすがに綺麗で水がとても澄んでいる。見ているだけで心が洗われるようだ。そんな川縁を伊蔵は汗をかきながら町の中心部へと歩いていった。途中、吉田川と北部から流れて来る小駄良川の合流点辺りから東北方面の山上を眺めると郡上八幡城が朝の光を受けながら白く輝いていた。以前この城のすぐそばまで行ったものの登城せずに帰ってきてしまった事があり、今回この郡上八幡城に登城する事が旅の目的のひとつでもあった。
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宮ヶ瀬橋の下をくぐりさらに吉田川の上流に進むともう一つ橋が架かっている。郡上の夏の風物詩、“新橋の飛び込み”で知られる「新橋(しんばし)」である。夏になるとこの新橋の欄干上もしくは欄干下から地元の子供達が勢いよく吉田川に飛び込むのをニュース報道で見た事のある方も多いだろう。今日あたりは飛び込みが見れるかもしれないと期待しつつ新橋の下まで歩いた。
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さすがに朝早い時間なので川遊びをしている子供達も新橋には居なかった。橋の下から改めて新橋を見上げるとかなりの高さがあり、飛び込むには勇気が必要なのがよく解る。欄干上から吉田川の水面までは約13mほどあるらしい。落下地点はかなりの水深があるらしく川の水の色が緑色になっている。地元の子供達にとってはこの新橋から飛び込むという行為が一種の子供から大人への通過儀礼のようになっているが、たまに観光客も飛び込む事もある。少なからず事故もあるらしく、水辺にはそこかしこに花束が供えられているのを目にした。
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新橋の下から橋の上に上がるとそこは「八幡旧庁舎記念館」がある。入口付近には“郡上踊発祥地”として立派な石碑が建立されており『郡上の八幡 出てゆく時は 雨もふらぬに 袖しぼる』の名調子が刻まれている。郡上踊りは毎年7月から9月の上旬まで延べ30夜に渡って踊られる一種の盆踊りで全国的に知られており、国の重要無形文化財に指定されていてる。特にお盆の13~16日に開催される盂蘭盆会(徹夜踊り)は有名で全国から20~30万人の観光客がこの山間の町に観光にやって来る。

「八幡旧庁舎記念館」の南側の道を東へ少し入ると「いがわ小径」がある。郡上八幡は別名“水の町”として知られる程、水が綺麗で町内各所に用水が流れている。それらの用水は昔からこの郡上八幡に住む人々の生活用水として使われてきた。今でもそれは何ら変わる事が無い。
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「いがわ小径」はその用水沿いを散策出来る長さ200m程も無い小さな小道である。幅が1.5m程の用水には大きな鯉や小さな川魚が生息している(鯉の餌も売ってます)。用水を泳ぐ大きな鯉達は観光客が小道を歩くと餌を貰えると思うのかしきりに群れを成して大きな口をパクパクしながら強烈な“餌を頂戴アピール”をして来るのだった。伊蔵は「たいがいにせなかんよ・・」と何故か名古屋弁で心の中で言いながら結局鯉に対して餌はやらないのであった(笑)<つづく>

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三千盛・秋の感謝祭/最終回・うなぎ魚弘にて

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多治見笠原町の酒蔵『三千盛』さんでの秋の感謝祭を十二分に満喫した我々一行4名は送迎バスに乗って多治見市街中心部へと向かっていた。バスに乗っている乗客は当然、蔵で大分お酒を飲んでいる方ばかりなので車内はかなりお酒臭いはずなのだが、我々自身もすっかり酔っているのからなのか嗅覚が麻痺しており一向に気になる事は無かった(笑)

バスは無事にJR多治見駅前に到着。まだ日も高いのでしばし我々は多治見市内を散策する事にした。仕事柄、建築物に詳しいエスパーさんと多治見市内に点在する宿場の古い町並みやこれまた市内に数多く残る昭和30年代くらいに建てられた建築物の数々について話をしながら歩くのは大変面白かった。一時間程歩き回り、本日の〆という事で皆で何か食べようという事になった。そこで市内に数多くある鰻屋さんの一つ『魚弘(うおひろ)』さんへと向かう。

多治見市内には古くから創業されている鰻屋さんが沢山ある。これはこの地方が陶磁器の町であるという事にも関係している。陶磁器作り(焼きもの)に従事する窯元の職人達は一度窯に火を入れると窯の状態を常時注意深く見守らねばならない。熱い窯焼き、これはかなりの重労働であると同時に集中力がいる仕事で並大抵の者では勤まらない。こうした窯元の職人達がスタミナを維持する為に好んで食べたとされるのが鰻であった。それでこの地方には鰻屋が多いという説がある。
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魚弘さんもそんな鰻屋さんのひとつで創業100年の老舗。本日立ち寄って来た幸兵衛窯の人間国宝 故・加藤卓男氏もこの店の常連客だったという。この魚弘さんは多治見市内の広小路商店街から一本入った筋、細い路地の奥の方にありちょっと分かりづらい。伊蔵もたまたま多治見市内を歩いていて見つけたお店であり、いつか訪れたいと思っていたのである。昔ながらの飾らないこの外観がいい。
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開店時間には少々早い時間ではあったが暖簾をくぐって声を掛けると快く店内へと入れて頂けた。入口を入って正面にはまっすぐ奥へと続く細く長い通路があり両側が座敷になっていた。“鰻の寝床”そのままという感じである。我々は一番奥の座敷へと通された。魚弘さんでは三河一色産の身の大きい鰻を仕入れており、鮮度と味へのかたくなまでのこだわりから注文を受けてから身を捌いて便長炭でじっくりと焼き上げるのだという。

座敷に腰を下ろして我々は落ち着いた。お品書きを見つつ四名とも「鰻丼」を注文する事に。ビールも同時に頼み(まだ飲むのか・笑)あと珍しい一品料理として『老茸(ろうじ)』と『へぼ』を注文してみた。鰻が焼きあがるまでそれら一品料理で楽しもうというのであった。
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『老茸(ろうじ)』というのはクロカワ茸(イボタケ科クロカワ属)という黒灰色キノコ。“幻の茸”といわれるほど天然のクロカワ茸は貴重で伊蔵もこれまでに二度程しか食べた事がない。そのまま七輪で焼いて生姜醤油で食べるのが最も美味い。味はほろ苦くて深い味わいで酒の肴として楽しむ人が多く、松茸よりも美味いという人もいるほどのキノコである。魚弘さんで出てきた老茸は焼いたものではなく塩漬けして保存が効くように加工したもののようで生姜と一緒に出てきた。味はやはり苦旨いという感じだった。

『へぼ』はこの東濃地方では一般的な郷土料理として知られている。まぁつまり誰でも分かるように言うならば『蜂の子(はちのこ)』である。海の無い山深い地方ではこうした昆虫食が重要なタンパク源として昔から食べられていた。蜂の幼虫を甘露煮や佃煮にしたり、御飯と一緒に炊き込んだ“へぼめし”などが一般的である。

三河地方から岐阜県南部の東濃地方、長野県などの道の駅や郷土物産を扱うお店に行けば“へぼの瓶詰”が珍味として普通に販売されているので見た事がある方も多いだろう。でもですね・・・あくまで古くから地元に住んでいる人で子供の頃から味に慣れ親しんでいる人か、よっぽどもの好きな人しか食べない(笑)。伊蔵も虫を食べるという事がどうも苦手なのでこれまで一度も食べた事が無かった。
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が、今日はメンバー四名それぞれがお酒の酔いの勢いもあって食べてみる事になったというわけ(笑)。魚弘さんで出された『へぼ』は佃煮系。小皿にひと盛り蜂の子が・・・。
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よく見ると(よく見えるように読者の方のために画像を魚眼化しました)蜂の幼虫の他に蛹、成虫になりかけたものまで入っておるようだ。酔っているので何の躊躇いもなく箸でひとつまみして口に入れて咀嚼してみると、意外や意外実に美味しい。佃煮になっているのでその味の方が勝っているといえばそうなのだが、しっかりと噛みしめてみると実にこやつらは甘い味がして美味いのであった。酒の肴としても十分いけるじゃないか。結局四名で綺麗に食べ尽くしてしまった。

老茸にしろへぼにしろいつも食べられるわけではなく季節や仕入れの状況によっては用意できない場合があるそうでこれら二つを食べることが出来たのは運が良かった。さて『へぼ』の話はここ辺でオシマイとしまして本題の魚弘さんの鰻丼へ話題を移そうとしましょうか。
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鰻丼と肝吸いが我々の座敷に運ばれてきた。丼物は松竹梅と3ランクに分かれており、この時は確か松を頼んだと思う。
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丼の蓋を開けてみると美味そうな鰻が!甘く香ばしい匂いが辺りに立ちこめた。早速食べてみると外はこんがりと焼けてパリパリとしているが身はあくまでふんわりと柔らかい。う~むこれは正しく美味しい鰻である。タレも文句なしに美味い。御飯と共にあっという間に平らげてしまった。
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伊  蔵『う~む・・アキラ実にうまかったなぁ~』
アキラ氏『そおっすねぇ~』
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勿論、桔梗屋さんとエスパーさんも同意見だったに違いない。少々重い腹を抱えるようにしてうなぎ魚弘さんを後にした我々。腹ごなしに多治見駅まで歩いて行った。考えてみれば朝から日が暮れるまで飲みっぱなしの一日であった。また次回の三千盛春の感謝祭にも参加しようと約束し、多治見駅でメンバー達と別れ無事散会となった。

帰りの列車内では酔いも手伝ってやはり寝てしまいました・・・(苦笑)<完>

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◆『うなぎ 魚弘(うおひろ)』
・住所:岐阜県多治見市広小路2丁目48番地
・電話番号:0572-22-4516
・営業時間:11:30~14:00 17:00~20:00 ランチ営業、日曜営業
・定休日:木曜日、第一、第三水曜日
・ホームページ:http://www.uohiro.net/html/

三千盛・秋の感謝祭/その3・感謝祭会場にて

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やっと記事の本題に辿り着きました・・・長い間お待たせしました。多治見市市之倉町内から桔梗屋さん、エスパーさん、アキラ氏、伊蔵の四名を乗せたタクシーは一路、三千盛さんのある同市笠原町へと向かっていた。市之倉町と笠原町は山を挟んで隣合っているので移動にはそんなに時間は掛からず程なく三千盛さんの蔵の玄関先に到着した。
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時間はすでにお昼近くだった為、メンバーのみんなも腹を空かしているようだ。勿論お酒の方も楽しみにしている訳だが(笑)。
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感謝祭のいつもの会場である旧蔵敷地内はすでに多くの酒を愛する人々でごったがえしていた。いつも思うがこの人出の迫力は凄い。旧蔵の門の傍で入場料500円を払い、三千盛のロゴ入り利き猪口を頂くと同時に我々は試飲会場へ急ぎ足で向かった(別に急ぐ必要は無いのだが身体が酒を欲していたのである)。
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蔵への途中には広場があり、入場者がめいめいお酒の赤いケースを椅子やテーブル代わりにして飲んでいる。この赤いケースを人数分確保するのはよほど運が良い場合を除いて奪取するのは至難の技に近く、このケースを手に入れゆっくりと腰を据えてお酒を楽しむには、早い時間に蔵入りして確保しておくしか手が無い。次回の春の感謝祭に向けての我々の課題になったのは言うまでもない。
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蔵の入口にはいつも今回試飲可能なお酒の紹介がされている。10種類程のお酒が用意されていた。
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“辛口”の日本酒として名の通っている三千盛。歴史もそれなりに古く、蔵自体も大きいので造っているお酒の種類も様々。こうした多種のお酒を入場料500円のみで何度も試飲出来るのは酒好きの我々にとっては嬉しい限り。
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メンバー全員、好みのお酒を猪口に一杯入れてまずは乾杯。猪口に鼻を近付けて香りを楽しんでからちょっと口に含みお酒を舌で転がし、その後くいっと飲み干すと胃の腑が熱を持ちポカポカとしてくる。飲んだ後に鼻から息を抜き香りを存分に感じるのも良い。

『う~ん・・・いいねぇ~・・』

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メンバーの全員がみんな『う~ん・・・』状態になってしまうのが面白かった。一杯目を飲み干すとメンバー全員はそれぞれ単独行動に走りはじめひっきりなしに試飲会場へ行ったり来たり(笑)。何番のあのお酒がええっすよ。俺は何番の酒だと意見を交わしつつ飲むのもこういった蔵開きでの楽しみの一つであろう。
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蔵内では今回もイベントが開かれていた。二胡の演奏会やフラワーアレンジメント実演、いつも蔵の端で筆をふるう書の先生の実演などが今回の催し物であった。
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書の先生はこの三千盛のお酒のラベルの書も手掛けられている方で毎回感謝祭には参加しておられる。
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思いつくまま芸術的な書をしたためる先生は素晴らしい。もちろんお客さんの要望に合わせても書いてくれる。
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この書の先生のブースの傍らを拠点にして我々は会場内を歩き回っていた。すると桔梗屋さん、エスパー氏が広場に出店している屋台から様々な食べ物を供給してきてくれた。
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たこ焼き、どて煮、豚汁、ねぎま串、川魚の塩焼などなど。ちょっと食い過ぎ気味だがどれもこれも美味かった。特に豚汁は酒粕を使っているらしく非常に美味しかった。食が進めば酒が進む、酒が進めば食が進むといった無限ループ状態に我々は陥ってしまったようだった。昔、「美味いものを食べると辛口の菊正が欲しくなる。辛口の菊正を飲むとまた美味いものが食べたくなる・・・」という菊正宗のコマーシャルがあったが、まるでそれと同じ状態だ。
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蔵の前の広場では上記の食べ物の他にも手打ち蕎麦、五平餅やトンチャン、各種串物、燻製チーズ等のおつまみ系を販売するお店があり、酒の肴には事欠かないようになっている。また、用意のよい参加者は肴を持参してくる方までみえる。
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この三千盛の秋の感謝祭に来て最も嬉しかったのが前回の春の感謝祭でお見かけした方々との再会であった。
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あ、あの人も前いたな、この人もいたと次々に会場内で発見出来るのだが酔いの初めは照れてなかなか声を掛けれなかったものの、ほろ酔い時になってくるとお互い気軽に声を掛け合えるのが酔っぱらいのいいところ。
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この感謝祭に来るとホントに毎回思うのだが“人類は皆兄弟”もしくは“酔っぱらい万歳”という感じなのだ。知らない人に思い切って声を掛けるとすぐに皆打ち解けて友達になってしまう。実に平和な場がここにはあるのである。
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旧蔵の入口の斜向かいには精米所があり、ここも解放されていて見学が可能だった。そこには巨大な精米機が四台並んでいた。この精米機で酒の原料米を時間をかけて徹底的に磨きあげるのである。
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三千盛さんで造られる酒はすべての製品が高精白の為、一旦精米の作業が始まると大変忙しく24時間休むことなく精米機が回り続けるという。磨き抜かれた米は磨く前の半分以下の大きさの小さな玉のようになっている。それはうっすらと向こう側が透けてみえてさながら宝石のような輝きと美しさがある。
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今回もお酒は勿論、いろいろなものを食べて実に楽しい感謝祭だった。三千盛さんいつもありがとうございます!桔梗屋さん、今回初めてメンバーに加わったエスパー氏、アキラ氏もそれぞれ大満足のようだった。
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帰りの送迎バスをしばし待ち、我々メンバーは多治見市街方面へと引き上げたのであった。<つづく>

三千盛・秋の感謝祭/その2・幸兵衛窯見学

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『市之倉さかづき美術館』から目指す『幸兵衛窯』までは徒歩5分程。山の斜面にその窯元はある。
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この『幸兵衛窯』は1804年に初代・加藤幸兵衛により開窯されたもので市之倉町で最も古い歴史を誇る。また江戸城本丸、西御丸へ染付食器を納める御用窯の指定も受けていた由緒ある窯元である。
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五代幸兵衛は中国陶磁をはじめ幅広い技法を駆使し昭和48年には岐阜県重要無形文化財保持者の認定を受けるなど、幸兵衛窯の中興の祖といわれる。その息子である六代加藤卓男氏は、古代ペルシャの陶器の独特な造形と斬新な色彩に魅せられ、西アジアでの発掘と研究に没頭、ラスター彩の復元、青釉、三彩、ペルシャ色絵など陶磁器の世界で異民族文化と日本文化の融合に見事に成功した。また宮内庁正倉院からの委嘱を受けて正倉院三彩の復元制作も行い納入している。
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これらの功績によって加藤卓男氏は平成7年に国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けた(2005年没)当代は七代加藤幸兵衛氏が幸兵衛窯を引き継いでいる。その息子さんである加藤亮太郎氏も若いながら次々と作品を発表、個展やグループ展等を行っている。
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なだらかな坂道を登った場所に『幸兵衛窯』の施設はあった。人間国宝加藤卓男氏の作品を展示する真新しい本館と福井県の大野市から移築したという築200年を経た建物内には古陶磁資料館、工芸館、サロン壷中堂(喫茶室)などがある。さすがに市之倉の町の中で一番大きな窯だけあり立派な施設群であった。
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まず我々は本館へと向かった。中へ入ると物静かな女の方が各施設の紹介、展示品についての概略をこれまた物静かにかつ丁寧に説明してくれた。彼女もこの幸兵衛窯で陶器作りをしている方なのだろうか?と頭の片隅にそういった考えが浮かび、彼女ならどんな作品を作るのであろうか・・・などと妄想がどんどん膨らんでしまうのだった。

人間国宝・加藤卓男氏は古代ペルシャの陶器に魅せられその研究に夢中になったという事は先に書いた。その夢中、没頭ぶりが分かる資料の数々もこの本館には展示されている。中でも中東の古代の窯跡、遺跡などを見て回った際の記録ノートは素晴らしい。万年筆で書かれているが文章だけでなく陶磁器のスケッチも非常に細かく描かれてあり、その研究熱心さぶりがひしひしと伝わってくる。古代ペルシャ陶器の何が彼をここまで引きつけたんだろうか?人間が生活するにおいて物を入れる器という存在は無くてはならない。その歴史は非常に古く人類文化発祥の時代まで遡ることが出来る。四大文明の時代、それぞれの文化圏ですでに建築用材として日干し煉瓦やタイル、多くの壷などが造られていた。

時代が下って通商目的で発達したシルクロードによって東西の文化、文物の流通が容易となると各文化圏独自の陶磁器の技法や色彩やデザインが影響し融合する事になり、陶磁器文化は一層華やかなものになった。日本の陶磁器は中国大陸、朝鮮半島を経て伝わっただけにその文化的影響が色濃く出ているが、奈良の正倉院御物の中には遠くペルシャの影響を受けている物もあったりする。

シルクロードの終着点ともいえる極東の島国日本の代々続く陶芸家の家に生まれ落ちた加藤卓男氏はある時、その陶磁器文化の西端の文化がどういうものなのか?という事にフト興味を抱いたのかもしれない。ペルシャの遺跡で日本の陶磁器とはまた違った繊細な絵付けや意匠に出会った彼の心の中に何かが弾けた。そこで極東の陶磁器文化と中東の陶磁器文化の融合というテーマを思いついたのかもしれない。そういった点では古い伝統をばかりを重んじるであろう日本の陶磁器文化の世界の中で加藤卓男氏の東西文化融合という考え方というのは非常に柔軟で壮大な構想であったという事がいえるかもしれない。そんな彼の代表作の展示物の数々を見ているとやはりどの作品もエキゾチックな雰囲気が出ているのであった。この幸兵衛窯本館での展示は本当に素晴らしかった。
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次に併設の古陶磁資料館へ。先にも書いた築200年を経ている古民家を利用した展示館である。この建物は非常に贅沢な木材が使われており重厚でなかなか素晴らしいものだ。建築という職業に携わっている我々メンバーのひとりであるエスパー氏もこの古民家には興味津々のようであった(笑)。古民家の中はかなり寒かったが展示物の数々には目を見張るものがあった。
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古陶磁資料館、工芸館を一通り回って古民家の裏手へ足を運んでみる事に。煉瓦造りの煙突と紅葉が相まって美しい。
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そこにはのぼり窯というのだろうか桃山様式の半地上式穴窯が山の斜面に築かれていた。
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現在の工房は別の場所にあるようだが、今でも年に一、二度はこの窯で焼き物が作られているらしい。是非実際にこの穴窯が稼働している様を見てみたいものだ。
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たまたま『市之倉さかづき美術館』の見学のついでに訪れた『幸兵衛窯』であったが陶器にさほど詳しくない方でも十分に楽しめる施設であった。また自分好みの陶器を探してみるのも面白いだろう。<つづく>

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◆幸兵衛窯(こうべいがま)
・住所:岐阜県多治見市市之倉町4-124
・電話:0572-22-3821
・見学時間
 平日/第1・3土曜日午前9時~午後5時
 日祝日/第2・4土曜日午前10時~午後5時
 年末年始、お盆、展示入替期間のみ休館
・入場料:一般300円、大高生150円
・ホームページ:http://www.koubei-gama.co.jp/

久しぶりの更新?です・・・

毎日の忙しさにかまけていたらブログの更新がかなり疎かになってしまいました・・・。
ブログの記事は多治見市笠原町の酒蔵『三千盛』さんの秋の感謝祭で止まっておりますが、なんだかんだ更新を怠っているうちに春の感謝祭が目前(2012年3月25日)に迫ってきてしまいました。ヤバい・・。

書く事は沢山あるのですがなかなか更新ができずに申し訳ございませぬ。


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プロフィール

伊蔵

Author:伊蔵
伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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