『荘川・郡上八幡』への旅/その13・多過ぎる朝食そして出発

伊蔵が朝の散歩からKさんの山小屋に戻ってみるとテラスではアキラ氏が昨夜ホルモン焼きを行なった鉄板を洗浄中であった。伊蔵もしばし鉄板の洗浄を手伝う。山小屋内ではKさん夫婦とm-kさんの“疑似親子”(笑)が朝御飯の準備を始めているようだった。鉄板を洗っているところへtakeさんが顔を出して来た。お互い挨拶を交わしたがその表情は案の定不機嫌そうだ。

『伊蔵君、雨だよ雨・・・』

一向に止む事の無い雨を呪う様にtakeさんは呟いた。この瞬間から彼は『サムライダー』から『レインマン』と呼ばれる様になってしまったのである。

一方朝御飯の準備は着々と進んでいた。伊蔵はm-kさんより昨日の“炭起こしの際の集中力”を買われ今度は“納豆掻き混ぜ担当”を命ぜられた。納豆3パックを丼に投入しこの状態で取りあえず掻き混ぜる・・・ただひたすら掻き混ぜる・・・。さらにそこに辛子と刻み葱を投入しさらに掻き混ぜる!こういう単純作業が伊蔵にはどうやら合っているらしい(笑)
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台所のカウンターの上ではKさん特製の『出し巻』が完成!巨大な出し巻が三本並ぶ姿は壮観だ!この間も伊蔵は納豆を掻き混ぜているのは言うまでも無い(笑)用意が出来たところでメンバーはめいめい席に座り朝食タイムとなった。
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これは飛騨の名物『朴葉味噌(ほうばみそ)』。枯朴葉の上に味噌をのせ焼いて食べる飛騨の郷土料理の事だ。今回は味噌に加えキノコなどの山菜、クルミをトッピングしてある。これを七輪の上にアルミホイルを敷きその上に朴の葉を置いてじっくりと焼く。焼き上がって来ると味噌が“プツプツプツ・・・”と音をたてて香ばしい匂いが漂って来る。箸の先ですくって御飯と食べると非常に美味しいのだ。
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アツアツの『ナメコ汁』も用意されていた!こういう冷える朝に温かい『ナメコ汁』は有り難い。
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『伊蔵印の納豆』も完成(笑)!!ふんわりと仕上がって伊蔵も大満足!この納豆だけでも御飯が進んでしまう。 
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これは『ジャガイモのバクダン』。実は昨日残ってしまった巨大なジャガイモが姿を変えたもの。昨日のジャガイモを一度粉砕しマヨネーズ等で味付けをした後にバクダン状に固めたものなのだ。これは確かに美味しかった!しかし朝飯の御飯を二膳食べてしまった伊蔵にとってはこのバクダンは半分で丁度良い位だったのだがみんな腹一杯になってしまっており誰も食べようとしない。

勿体無いのでバクダンを二つ食べる羽目に・・・腹が爆発してしまいそうだ(笑)m-kさんがバクダンを食べるのを手伝ってこの過酷な痛みを分け合ってくれたので少し助かった。普段朝食を食べる習慣が無い伊蔵にとってはこの朝食は多過ぎた。おかげで完食後、しばらく喋る事すら出来ない程に満腹の状態になってしまった・・・。

食後はm-kさん、eさん、アキラ氏のクルマ組(本日帰宅組)の今後の予定やKさん夫妻とtakeさん、伊蔵の予定等を話し合った。この時点でも雨は止む事がなく降り続いていた。takeさんは雨天の場合も考えて雨具を持参して来てはいたがそれは携帯ポンチョのような簡易的な物でしかなかった為、Kさんがこの寒さの中それだけで走るのは無茶だと心配し長靴と合羽を用意してtakeさんに持たせていた。

一通り今後の予定を話し合った後、山小屋の後片付けが始まりいよいよ山小屋とも別れの時間がやって来た。しかし空き缶の量が物凄い(笑)みんな二日間でよくこれだけ飲んだものだ・・・。
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完全防備に身を固めたtakeさんがスーパーカブ90カスタムのエンジンを始動した。しかしこの雨と昨晩の気温低下によってなかなかエンジンが暖まる事はなくスロットルを常にあおっていないとエンジンはすぐにストップしてしまうようであった。
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『サムライダー』改め『レインマン』となったtakeさんはこのまま郡上八幡まで国道をひたすら走る事になる。この天候では伊蔵を乗せてのタンデムはさすがに危険なので伊蔵はKさん夫妻のボルボに乗せてもらう事になっていた。takeさんは午前10時半、一足先に郡上八幡へ向かって山小屋を後にしたのだった。道中の無事を祈らずにはいられなかった。

takeさんの出発の後、m-kさん、eさん、アキラ氏の乗る“ブラックワゴン”とKさん夫妻と伊蔵を乗せたボルボもお互い別れを告げる事に。またこの山小屋にみんなで集まりたいと願いつつそれぞれのクルマは山小屋を後にしたのだった。<つづく>




『荘川・郡上八幡』への旅/その12・蛇の目で早朝散歩

さて山小屋第二日目の朝。
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夜半からの雨は朝になっても依然降り続いていた。これはちょっと止みそうにない感じだ。伊蔵は午前6時過ぎに起床し朝の散歩に出掛ける事にした。伊蔵は持参した折畳み傘を用意しつつ出掛けようとしたのだがKさんが山小屋に常備している古風な蛇の目傘を貸してくれると言う。蛇の目傘をお借りして伊蔵は外に出た。
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和紙に油を塗り防水加工を施した蛇の目傘に雨が落ちる音がポツポツ・・・と鳴った。そんな風情のある雨音を聞きながら伊蔵は別荘地内を散歩した。雨が降っているせいもあるが非常に肌寒い。別荘地の建物は朝靄に包まれて全てが雨に濡れてテラテラと輝いていた。
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流石にこんな天候の日の早朝に散歩をする変わり者は伊蔵しかいない。誰一人歩いている人を見かける事はなかった。
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これからの季節を前に出番待ちの除雪車もこの雨のせいでどことなく寂し気に見えた。
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別荘地の下手にある清流も寒々とした光景を晒していた。このまま雨が止まなければtakeさんは残念がるだろうなぁ・・などと伊蔵は思っていた。雨の中のバイクでの走行ほど辛いものはない。この寒さではなおさらだ。最近みんなで出掛ける旅でtakeさんがバイクで同行する時は雨に祟られる確立がなぜか高いのだ。
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本日は日曜日。実は伊蔵は明日の月曜日も休みを取っていた。takeさんとKさん夫妻と伊蔵の四名で『郡上八幡』でもう一泊する為だ。雨が止めば荘川から郡上八幡までの道中はtakeさんにとって楽しいツーリングとなるだろうがこの調子では雨は降り続けるだろう。takeさんの気持ちを思うと心が痛んだ。

みんなはそろそろ起きているだろうか・・・
伊蔵はKさんの山小屋へと足を向けた。<つづく>




『荘川・郡上八幡』の旅/その11・一日の終わり

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夜はすっかり更けてみんなも一時的満腹状態(笑)心無しかみんなの動きも緩慢な感じがした。満腹ではあったがすでに次の料理が山小屋の台所では製造されていたのである。我々の胃は底無しなのであろうか。はたまた“幽門”が少々緩いだけなのであろうか(笑)
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囲炉裏を囲んで酒を飲んでいた我々の前に現れた次なる料理は奥美濃・飛騨の郷土料理『ケイチャン』。“ケイ”とは“鶏”つまり鶏肉の事である。この鶏肉を味噌、醤油、砂糖、ニンニク、唐辛子などを混ぜたタレに浸してキャベツ等と一緒に鉄鍋の上で掻き回して火を通し食べる料理である。ビール等のツマミとしても非常に良く合い伊蔵も好きな料理だ。
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もう一つは囲炉裏の炭火で焼き上げる『五平餅』。平たい串に潰した米を楕円形に練り付けてから表面に醤油、味噌、砂糖、さらにこれに胡麻やクルミ、エゴマを加え甘く仕上げたタレを塗りこれをじっくり焼き上げる訳である。
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これが旨くない訳がない!すでに昼から食べてばかりいる我々の胃はかなり疲労し満腹中枢もどこかおかしくなっているらしくこの囲炉裏内に林立する『五平餅』も瞬く間に無くなってしまった(笑)

囲炉裏の周りでm-kさんとeさん、Kさんの奥さんは持参した日本酒を試し飲みし合い、takeさん、Kさん、アキラ氏はエビスビールもしくは氷結を飲んでいた。するとKさんが思い出した様に『そういえばうちに古酒があったはず・・・』と囲炉裏から立ち上がり奥へと消えた。Kさんが帰って来ると手には何やら大きな陶器製の器がっ!!
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それは『酔呂家(よろけや)』という名のお酒であった。Kさんの話では『石垣島』のお酒で島で五年熟成を経て山小屋で三年、計八年間熟成されたものらしい(笑)アルコール度数は40度位、ちょっとしたウイスキー並の度数だ。グラスにそのお酒を注いでみると熟成酒だけあってほんのりと黄色味がかった色がついている。

みんなでそのグラスの酒を試し飲み(笑)
みんなの表情を見るとそのままストレートで飲むには少々キツイ感じのようだ。エビス、氷結を飲む事にそろそろ飽きが来ていた伊蔵に結局そのお酒の処理が回って来た。こういうキツイ酒を飲む事は伊蔵は嫌いではないので有り難く頂戴する事にした。チビチビとゆっくり時間をかけながらグラス一杯のその酒を飲み干して二杯目は氷をグラスに入れロックで頂いた。この酒を飲むうち心地よい酔いが伊蔵の身体を包んでいくのが自分でも分かった。

ひょんな事からKさんが“十万円の寝袋”の話をしだした(笑)そういえばtakeさんのお店でKさんから以前にこの高価な寝袋の話を聞いた事を伊蔵は思い出した。この山小屋にその実物があるらしい。高いだけあってこの寝袋は探検家も使用するとの事で極地で寝たとしても寒くないのだという。その寝袋がこれだっ!!
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ここでなぜか『寝袋試し寝タイム』が勃発(笑)
まず最初にeさんがミノムシのように山小屋の床に転がった!

『これ凄〜いあったか〜〜〜い・・・・』

そのまま寝てしまいそうな勢いのeさんであった(笑)
寝袋に包まっている安らかな姿を端から見ると“エジプトのミイラ”か“出棺前の最後のお別れ”の様に見えてしまいとても笑えるのであった。
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次にお亡くなりになったのはアキラ氏(笑)
実にいい感じで眠っている。安らかに眠れアキラ氏・・・後は任せろ!
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安らかな表情で寝袋で眠るアキラ氏に対して我々はお酒の酔いの勢いもあって悪ふざけをするのであった(笑)


『アキラッ!いい奴だったのに・・アキラの好きだった氷を一緒に入れて置くよ・・・さらば!アキラ・・・』

としみじみ言うとtakeさんはアキラ氏の前で泣いていた(笑)Kさんの奥さんは神妙に手を合わせている。笑えたのはKさんとeさん。死者を目の前にして手を合わせているのは良しとしても“なぜ笑顔なんだ??”(笑)

『みなさま最後のお別れです・・・』

伊蔵も悪乗りじみた台詞を発してしまった。
この寝袋の一件でここまで笑えるのも何だか可笑しい。みんなそこそこ酔っていたのだろう。Kさんはこの寝袋を山小屋のテラスに敷いて今夜は外で眠ると言い出した。そういう変わった事をするのは伊蔵も好きなので『伊蔵も付き合います!』とKさんに言うと非常に喜んでいた(笑)
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早速テラスに場所を作って寝袋を二つ並べてKさんと伊蔵は試しに寝袋に入ってみた。寝袋はすっぽり顔まで覆うように中に入ると確かに温かい。山小屋の外は相当気温が低いはずだがそんな事は全然感じない程の温かさだ。こういう変わった行動に出るとKさんはまるで童心に戻った様にはしゃぐので面白い(笑)
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この寝袋騒動の後、Kさんは本当に外に敷かれた寝袋で一足先に寝てしまった。Kさんの奥さんも山小屋の二階へと消えていき後に残された者は順番に風呂に入りつつしばらくの間、酒を飲みながら起きていた。やっとひたすら食べ続けた感のある今日一日が終局を迎えそうであった。がっ!

『事件は山小屋で起きてるんじゃない!外で起きてるんだ!!』

青島刑事もビックリの自体が外では起こっていたのである!!
伊蔵が山小屋内から“外の寝床”であるテラスに敷かれた寝袋に入ってKさんと一緒に寝ようと思い窓を開けるとなんと!!

冷たい雨が降っていたのである・・・

これはイカン!!慌てて先に寝袋で寝ているKさんの寝袋に目がいった。寝袋はピクリとも動かない・・・まさか!

『Kさん!!雨降っとるて!中に入って寝なかんてっ!!』

伊蔵はそう叫びながらKさんの寝袋を激しく揺さぶった。寝袋の表面はすっかり雨に濡れて冷たくなっている・・・

『ん・・んんん・・む〜〜ん・・・』

おおおお!生きてる!Kさんは無事だった!
後で聞いたがKさんは伊蔵に起こされるまで快適に寝袋内で就寝していたらしい(笑)雨が降っている事も分からなかったようだ。流石に十万円の寝袋だけはある。

最後の最後に思いも寄らぬハプニングがあったがみんな無事に就寝する事が出来た。しかし気になるのは明日の天候である。明け方までには上がってくれればよいが・・<つづく>






『荘川・郡上八幡』への旅/その10・炭起こしとホルモン焼き

陽が傾きはじめ気温がどんどん下がって来たらしく少々肌寒くなって来た。薄暗くなって来た別荘地。さぁお次の料理は一体なんなのか?!Kさんが山小屋のテラスの片隅に置かれていたキャンプ用の脚付きの大きな鉄板焼き機の準備に取り掛かっていた。

『ホルモンの準備にかかるよ』

おおお!どうやら次の料理は『ホルモン焼き』のようだ!Kさんは炭を鉄板焼き機の上に何本か置き円形の缶に入った固形燃料をマイナスドライバーで掻き出して炭の中心に載せマッチで着火させた。これを種火として炭に火を通させるのだ。
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なぜか伊蔵が“炭起こし”の役を拝命(笑)炭の番をする事になったのだがこの“炭起こし”の作業に伊蔵はドップリハマッてしまったのである。固形燃料は激しい炎を上げて燃えてはいるもののすぐに炭に火が通るわけではない。団扇で仰いで火力を上げると同時に酸素を送らねば炭に火が通らないのである。

伊蔵は取り憑かれたかのようにこの作業に没頭した。なぜだか自分でもよく分らないが炭の変化や色を見ている事自体が飽き無いのである。『パタパタパタパタ・・・・』リズミカルかつ小刻みに団扇で炭起こしを続けていくと炭がうっすらと赤く染まって来た!と同時に炭の表面に白い煤が付着してくる様になる。“炭焼のプロ”であるtakeさんに

『たまにその白い煤を軽く叩いて落したらんといかんよ伊蔵君!』

そうしないと火力が十分に出ないのだ。takeさんのアドバイスを受けつつ黙々と伊蔵は炭起こしの作業を進めたのだった(笑)やがて・・・
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いい感じに炭に火が通った。一心不乱に炭起こし作業をしていた伊蔵、周りがすっかり暗くなっているのをこの時初めて知った(笑)一体どれくらいの時間炭起こしに集中していたのだろう・・・自分の意外な一面を見た様な気がした。
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Kさんはテラスの手摺にランタンを灯してくれた。う〜んいいねぇ〜何とも言え無いこの雰囲気。ランタンの柔らかい明かりが山小屋の夜を照らす。
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山小屋の中では夜の宴の準備が着々と進んでいるようだ。小屋内の囲炉裏の炭火番は相変わらずアキラ氏の役目(笑)伊蔵が起こした炭の上に鉄板が置かれ十分に熱が通った所でKさんが鉄板に油を馴染ませた。いよいよホルモン焼きの始まりだっ!!
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プシュ〜〜ジュゥウウウゥウ〜〜!!熱せられた鉄板にホルモンが投入された!と同時に旨そうなホルモンの匂いが辺りに立ち込めた。

『うはぁ〜こりゃあイイ匂いだぁ!タマランねぇ!!』

Kさんはホルモンを鉄板の上に広げながら感嘆の声を上げていた。ホルモンの発する匂いに誘われメンバーの全員が餓えたハイエナのようにテラスへと集まり始めた(笑)
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鉄板にはホルモンに加えて地元産の葱も投入された。これで見た目もますます美味しそうになった。さぁみんな勝手に喰え〜〜!!Kさんの一言で鉄板に群がる我々メンバー(笑)うは!これは旨すぎる・・・ホルモンの歯応えとタレの美味しさもさる事ながら大き目にザックリ切られた葱がまたイイ!シャキシャキと実に甘いのだ。ホルモンと一緒に食べる甘い葱は絶妙な相性で我々の味覚を楽しませるには十分な美味しさであった。
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一方、山小屋内の囲炉裏の上に置かれた網の上では『豚の喉ナンコツ』と『イカの肝焼き』が完成しつつあった!この珍しい豚の喉のナンコツは実にコリコリとした食感で塩を振って味を付けてから焼いて食べると実に美味しい。また『イカの肝焼き』はホイルの中にイカの肝と下足を入れて蒸し焼きにしたもの。苦味がとても旨く酒飲みにはタマラナイ一品。こいつを食べると酒がどんどん進んでしまう。
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ホルモン焼きの後は“お約束”の『うどん投入!!』。ホルモンのタレと脂、葱が渾然一体の旨味となってうどんに絡まっていく・・・。Kさんはうどんをどんどん掻き回し旨味ダレと混ぜ合わせる。
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うおおお!!出来た出来た!!ホルモン風味特製うどんの完成だ!すかさずtakeさんが唐辛子を伊蔵に手渡し

『伊蔵君!カプサイシンだよ!カプサイシン!!』

どこかで聞いたような台詞を連発!(昨年下呂で食べたホルモン風味うどんの時も同じ台詞を言っていたのだ)伊蔵は唐辛子をうどんの上にまんべんなくかつ大量に振り掛けた。これだけでこのうどんは二倍にも三倍にも旨くなるのだ!メンバーは小皿を手に鉄板へと近寄りうどんをどんどんやっつけて行ったのだった・・・。
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数分後、鉄板の上のホルモン風味特製うどんは食べ尽くされその姿をすっかりと消していた・・・(笑)みんなよく食べるなぁ・・・
まだまだ夜は始まったばかり宴がこれで終わるはずもない。<つづく>





『荘川・郡上八幡』への旅/その9・食欲は限り無く・・

美味しい川魚『アマゴ』を完食した我々山小屋メンバー七名は山小屋のテラスの上で酒を飲みながらまどろんでいた。しかしこれからの時間も“食べ続けなければならない”(笑)腹を減らす為伊蔵は別荘地内を散歩する事にした。
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別荘地内には様々なカタチの別荘があって歩き回って見ているだけで楽しい。別荘地内は敷地によっては上の画像の様に急斜面に建っている別荘もあるのだが逆に急傾斜を活かした設計になっていてこれがまた他の別荘の建築とは違った特徴を出している。別荘建築はログハウスが人気でこの別荘地でも数多くのログハウスを見かけた。

施主の意見が強く建築にカタチとして表現されているものも多い。またこの地方は豪雪地帯なので『雪おろし』や雪害に耐えれる様に工夫されている別荘もある。
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Kさん山小屋は丸太小屋いわゆるログハウスではない。カントリー調の別荘だ。カマボコ形の屋根は自然に雪が屋根を滑り落ちていくため雪おろしの必要がない。雪おろしは大変な労力なのでこれが必要ないだけでもこの形状の屋根にする事に大きな利点がある。見た目以上に室内もかなり広い。
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別荘地内には清流も流れている。川の水に手をつけてみると流石に山を流れる水、冷たい。Kさんの話によればこの川でも昔は魚が沢山いて釣りを楽しめたらしい。しかしどんどん別荘の分譲が進んで来るにつれてそれも出来なくなってしまったようだ。山小屋での生活を楽しむ為にやって来た我々だがこの様な現実を知ると何だか割り切れないものを感じてしまう。

一通り別荘地内を歩き回ると腹も程よく減って良い状態になって来た。
Kさんの山小屋に戻るとm-kさん、Kさん夫妻が『山菜鍋』と『サラダ』の仕込みと準備をしていた。その様子を眺めていると何だか親子のように見えて面白かった(笑)アキラ氏は山菜鍋を煮る為の“炭火番”をしていた。
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やがてアツアツの『山菜鍋』が煮上がった!コンニャクの割合がいささか多過ぎる感があり「コンニャク鍋」の様ではあるのだが・・(笑)山菜鍋の中にはコンニャク、大根、タマネギ、ニンジン、キノコ、タケノコの他に鶏肉も入っている。鍋自体の量も相当なもの。食べ切れるだろうか・・・?
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めいめい小さな器によそって山菜鍋を食べてみた。大根がまだ十分に煮上がっておらず少々固かったが山菜や鶏肉からいいエキスが出ていてスープは非常にいい味が出ていた。口をホクホクさせながら鍋を頬張る。山小屋で食べる野性味あふれる『山菜鍋』は格別であった。
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山菜鍋と一緒に頂いたのがこの『m-k特製サラダ』(笑)
ドレッシングのほかクルミを粉砕したものが上に振り掛けてある。サラダにクルミを活用する辺りがm-kさんらしいところ。サラダのサッパリさとクルミの甘さと歯応えが嬉しい。こいつも旨かった!
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これはKさんが予め醤油ベースの汁で付込んでいた『ジャガイモ』。これを囲炉裏の炭火の上で焼く。いい香りが辺りに立ち込める。しかし随分巨大なじゃがいもだ(笑)最初に心配していた山菜鍋は簡単にその全てが平らげられ、このじゃがいもを全てやっつける事は我々には出来ず、残ってしまった。しかしこのジャガイモ、カタチを変えて翌日我々の前に姿を現わす事になるのである。この時点では知る由もなかったが。

とにかくこんな感じで山小屋に到着した昼過ぎから我々メンバーは“常時食いっぱなし”(笑)まだまだこの状態が続く事になる。<つづく>






『荘川・郡上八幡』への旅/その8・アマゴ塩焼き

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Kさん夫妻の『山小屋』に無事に辿り着いた我々五名は早速に夫妻に挨拶し荷物を部屋へと運び入れた。さすがに空気がひんやりとする。この別荘地のすぐ脇には東海北陸自動車道があるがこの付近が日本の高速国道の最高地点(標高1085m)となるらしい。Kさんの話によるとこの別荘地の初雪は北海道でのそれとちょうど同じ時期になるのだという。

『いやぁ〜よく来たねぇ〜ははは』

Kさん夫妻は笑顔で我々を迎えてくれた。
takeさんと伊蔵はKさん夫妻とはお店で何度か一緒に食べたり飲んだりしているので久しぶりという関係ではないがm-kさんもtakeさんのお店では顔見知りではあるものの会うのはかなり久しぶりだったらしく再会を非常に喜んでいた。eさんとアキラ氏はKさん夫妻とは初対面という間柄。

Kさん夫妻は我々が『山小屋』に到着する日の前日にすでに荘川入りしており当日の午前中には食材関係を高山まで買出しに行ってくれていた。ほとんどの食材は我々が到着前にすでに『山小屋』に運ばれていたわけだが“ただひとつの食材”だけがまだなのだった。それは何か?実は川魚『アマゴ』なのであった。Kさんがこの別荘地の近くにある養魚場に頼んで何尾か用意してもらっているらしい。川魚が大好物な伊蔵にはタマラナイ食材だ!しかも『アマゴ』なんて普段滅多に食する事なんて出来ない。

Kさんが養魚場に『アマゴ』を受け取りに行くと言うので伊蔵も同行させて頂く事にした。Kさんのクルマに乗り込み別荘地内から国道158号線に出て西へ数十分の距離に目指すその養魚場はあった。
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国道脇の土手を降りていった場所にある『形部養魚場』。土手を降りていくと巨大で立派な木造家屋があった。
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軒にいくつも突出している梁材がこの地方の厳しい冬の豪雪の凄さを物語っているかのようだ。建築材も太くとても頑丈そうだ。この木造家屋の玄関に向かってKさんは『ごめんくださ〜い』と呼び掛けたのだった。しばらく間があった後、家の中からお婆さんが現れた。顔に深い皺が刻まれいかにも働き者といった感じのいい表情をたたえたお婆さんであった。Kさんが、

『アマゴを頼んだKですが仕上がってますか?』

とお婆さんに問いかけた。お婆さんは、

『はいはい、出来てますよ』

と答えKさんと伊蔵を母屋のすぐ向かいにある小さな建物へと誘った。小さな建物は川魚のハラワタを除去したりする作業場兼保存場所となっているようであった。さらにその先に道が続いており養魚場がある感じだった。Kさんは自分で『アマゴ』のハラワタを処理してもいいと思ったそうなのだが何分大人数という事もあって処理しなければならない数も多いので今回は養魚場に頼んだようだ。
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お婆さんは予めビニール袋の中に『アマゴ』を入れてくれていた。おおお!なんて綺麗な魚だろうか・・鮮やかな赤い斑点が見てとれる。『アマゴ』は『ヤマメ』とそっくりな形状をしているが『ヤマメ』にはこの赤い斑点は無い。

伊蔵は『アマゴ』を大切に抱えてKさんとともに再び『山小屋』へ。
山小屋のテラスではtakeさん、m-kさん、eさん、アキラ氏そしてKさんの奥さんが談笑して『アマゴ』の到着を待っていた。早速takeさんが近寄って来て『アマゴ』を見る。

『おお!綺麗な色やなぁ〜結構デカイし・・』

takeさんも感嘆の声をあげていた。さぁ!早速この新鮮な『アマゴ』を塩焼きにして頂く事にしよう!それにはまず“串打ち”せねばならない。Kさんの串打ちを参考にアキラ氏と伊蔵がこの串打ちに挑戦する事になった。しかしこれがなかなか難しく難航した(笑)『アマゴ』の頭を持って口を開かせ串を尾部に向かって差し込むのだがそのまま真っ直ぐに刺したのではいけない。まっすぐに差してしまうと焼いた時に身が崩れ落ちてしまうのだ。背骨を縫う様に差し込んでいく。これを行なうと魚体がSノ字状にくねって『これぞ塩焼き!』のカタチになるのだがアキラ氏と伊蔵が串を打つとなかなか上手くいかなかった・・・(笑)
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“串打ち”に難航しながらも全ての『アマゴ』の串打ちをやり遂げた!
まるでアマゴ達は“ヴラド・ツェペシュ”によって串刺しにされたオスマントルコの兵士達のようだった(笑)
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テラスに置かれた円形の木製テーブルの上には塩焼き専用の陶器製の大皿が置かれていた。皿の中央部に炭を置くスペースがあり大皿の縁部には串を差し込む穴が穿たれているというもの。穴は角度がつけて穿たれてあり串を差し込んだ時に中央部の炭の上に全ての串の先が傾く様になっている。なかなかの優れものだ!塩を打って次々に『アマゴ』を炭に向けて立てていく・・・。やがて『アマゴピラミッド』の完成!(笑)

じっくりと焼き上がるのを待ちながらみんなで“エビス”または“氷結”飲む!
まわりには美しい大自然・・・ゆっくりと時間が流れていく・・・最高のひとときだ。いい気分に浸っているとやがて『アマゴ』の美味しそうな香りが漂ってくる。
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半面が焼き上がり串をクルクルとまわしもう半面を焼く。焼き上がった面は塩が白く浮いて皮のパリパリ感も実にイイ感じ。ピラミッド状に立てられた『アマゴ』達をじ〜っと静かに凝視しているみんなも何だか笑えた。『食べたいばっか』なんである(笑)ジ・・ジジジッ・・ジュッ!確実に『アマゴ』はみんなの目の前で焼き上がっていく・・・。
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さぁ!焼き上がりだ!う〜んタマラン・・・。みんな“ネコ化”したかのように『アマゴ』にかぶりついた。案の上の香ばしさと美味しさ!やっぱり川魚は最高だ!!『山小屋』での食の宴は『アマゴの塩焼き』を幕開けとして始まったのだった。しかしこれは単なる序章に過ぎなかったのである。<つづく>



『荘川・郡上八幡』への旅/その7・むろや〜山小屋

随分と更新内容が寄り道してしまいまして申し訳ありません・・。
『荘川・郡上八幡への旅』の報告の続編へと話を戻したいと思います。

ひるがの高原での小休止を終えたtakeさんと伊蔵はカブで国道156号線をさらに北へと向かって走っていた。ひるがのの集落を越えると下り坂。国道沿いには御手洗川の流れと深い山並しかなくなり風景はとても寂し気だ。交通量はかなり少なくてカブの様な小さなバイクでのタンデムツーリングでは安心だ。

寂しい国道を約8キロ進むと国道は大きく右にカーブする。カーブの先に見える集落が『牧戸』という地区だ。この集落で我々が進んで来た国道156号は158号線にぶつかる。牧戸地区のT字の交差点を右折、荘川インター方面へと向かう。ちなみに左折すれば『御母衣ダム』や『白川郷』へと抜ける事が出来る。

さて現在我々が進みつつあるこの国道158号線は“そば街道”と呼ばれるほど蕎麦畑、蕎麦屋、蕎麦関連の施設が多い。この荘川の気候がそばを栽培に適しているのが理由であるらしい。takeさんと伊蔵はとある蕎麦屋さんの前で休憩する事した。
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このお蕎麦屋さんは『蕎麦正(そばしょう)』さん。この荘川の数ある蕎麦屋の中でもとりわけ有名なお店だ。このお店で蕎麦打ち修行し独立して自分の蕎麦屋を開業するのも珍しい話ではない。『蕎麦正』のご主人も荘川を蕎麦で村おこしする為に様々なイベントを行なったりしている。残念ながら伊蔵はまだこの『蕎麦正』さんのお蕎麦を頂いた事はない・・。今こうして休憩している目の前にお店があるのにちょっと残念だ。
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開店前の準備で忙しそうな『蕎麦正』さんの店の外にはなぜか三匹の犬が繋がれていた。写真は一番国道に近いところに繋がれていた大人しい黒い毛並の犬(笑)『蕎麦正』さんの犬なのだろうか?不明である。

三匹の犬に見送られながら『蕎麦正』さんの店を出発。一直線の道をtakeさんはスロットル全開で疾走!本日の最高速度70キロをマークした!タンデムとはいえなかなか走ってくれるではないかスーパーカブ90カスタム。そんな感じで順調に距離を稼ぎやがて東海北陸道荘川インター出口すぐの場所にある『道の駅 荘川』に到着。ここでもしばし休憩。駐車場には大型バイクでツーリング中と思われる集団はいたもののカブでタンデムツーリングしているのは当たり前だがtakeさんと伊蔵のみ(笑)しばし道の駅でtakeさんと飛騨の名産品や農産品、特に『辛味大根』や『蕎麦粉』を見ながら談笑。

『伊蔵君!蕎麦粉を買って蕎麦打って辛味大根おろしで食べるかね!』

takeさんもタンデムツーリングで気分が高揚しているのか口がよく回る(笑)takeさんは最後まで『辛味大根』を購入するかどうか迷っていたようだった。

さぁそろそろ『里山茶屋 むろや』さんへの集合時間が近くなって来た。出発する事にする。アキラ氏らクルマ組からも連絡がはいり現在『白鳥』に入ったところだという。全員集合時間には間に合いそうで一安心だ。『道の駅 荘川』を出発してすぐtakeさんはカブに給油する為ガソリンスタンドに寄る事に。
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重い伊蔵を乗せてよく走ってくれた(笑)腹一杯ガソリンを注いでやってくれ!ハイオクでももいい!逞しく育ってほしい!燃料代は伊蔵が支払う(燃料代は流石燃費の良いカブ、ハイオクでも極わずかこの点は助かる・笑 )
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ガソリンスタンドで給油の後、しばらく走れば『里山茶屋 むろや』さんの懐かしい看板が見えて来た。午前10時半無事にtakeさんと伊蔵は集合場所に予定通りに到着する事が出来たのである。カブを駐車場の片隅に駐車し旅の無事を二人で祝う。いつものように『むろや』さんの開店時間は午前11時なので開店まで約30分時間がある。takeさんと伊蔵は駐車場でのんびり待つ事にする。
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朝方は随分寒かったが太陽が高くなって来るにしたがいかなりポカポカしてきて大変陽気がいい。今頃m-kさん率いるクルマ組はどの辺を走っているのだろうか・・・。『むろや』さんの店の前を通っている国道158号線はクルマの交通量も少なく聞こえるのは山に住む野鳥のさえずりのみ。とても静かだ・・・・

お!クルマの走行音だ。黒いミニバンだった。アキラ氏のクルマではない。
黒いミニバンは『むろや』さんの前を通り過ぎた。がっ!

むむむ・・!黒いミニバンが路側帯で転回しているではないか??
転回中の黒いミニバンから先程までの山の静けさをかき消すがごとく聞き覚えのある甲高い笑い声が!間違いない!あれはm-kさんの笑い声だ・・・・

どうやらm-kさんの友人eさんの自家用車に乗り替えて来たようだ。takeさんと伊蔵はてっきりクルマ組のみんなはアキラ氏のクルマで来るものとばかり思っていた為、最初気が付かなかったのだ。これで全員集合!あとは『むろや』さんの開店を待つのみとなった。
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やがて・・・午前11時。『里山茶屋 むろや』さんの開店時間がやって来た。我々五名は一番最初の客として店内に入る事になった。昨年11月の飛騨の旅の時は座敷に通されたが今回は土間に置かれたテーブル席へ。いつもながらこの小民家風の佇まいにはホッとさせられる。
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まずは席に腰をおろしお互いの道中でのエピソード等を話しながらお品書きで注文する品を皆で吟味する。昨年伊蔵は『温蕎麦』を食べたので今回は昨年たいがぁ氏が食べていた冷たい『ざる蕎麦』が食べたかった。結局注文した品は

●ざる蕎麦(五名ともに注文)
●大ロースカツ(二皿注文し皆で分ける)

となった。いつもの通りまずは『むろや』さん名物『どぶ汁』で喉を潤す。
『どぶ汁』はやっぱり今回も“茶碗蒸し”のような味がした(笑)
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『ざる蕎麦』が運ばれて来た。う〜ん“そばの里”で頂く蕎麦・・美味しそうだ。つゆに蕎麦を少し浸しズズズッと大きな音をたてつつ蕎麦をすする。シッカリした歯ごたえ、鼻にやんわりと抜ける蕎麦の風味がたまらない・・・。冷たい蕎麦が乾いた喉を潤しつつ通過していく。
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おおお!大皿の上に大山脈を形成する『大ロースカツ』がやって来た!!(写真が少しピンボケだ・・orz)当たり前だが“大”だけあって巨大なカツだ。以前にもこの伊蔵通信で書いたがここ『むろや』さんのカツの旨さは文章で表現するのが難しい。衣はパリパリサクサクで中のカツはフンワリホカホカ。肉自体にしっかりとした旨味がある。特に脂身がとても美味しい。このジューシーな脂身とまわりの衣が口の中で交わるとこれが何ともいえない旨さなのだ。塩・辛子・味噌の三種類で頂く事が出来るがそのまま食べても十分に美味しい。この味はやはり筆舌しがたいので実際に『むろや』さんに行って食べてみてほしい。少々絶賛しすぎの感があるが本当に美味しいのだから仕方がない(笑)

今回も『むろや』さんのカツに『喝』を入れられた我々はその旨さに完全にノックアウト。大満足でお店を出る。さぁ次の目的地はKさん夫妻が待つ『山小屋』。今回の旅の宿泊地だ。この『むろや』さんからさらに山の奥に入る事になる。伊蔵は荷物をeさんの“ブラックミニバン”に積んでもらいtakeさんと引き続きタンデムで『山小屋』を目指す事にした。

takeさんと伊蔵の乗るカブが先導する形で『むろや』さんを出発。
目指す『山小屋』は新軽岡峠の向こう側の『六厩』という地区にある別荘専用分譲地にある。伊蔵がこの『山小屋』に訪れるのは二回目。前回に訪れたのは約四年前の11月だった。随分久しぶりだ。当時の記憶を辿りながら無事に別荘分譲地を見つけたまでは良かったのだが分譲地内はこの四年の間に数多くの別荘が建ち並んでいて様相が変わっていた。

Kさん夫妻の『山小屋』の形状はハッキリ覚えていたが場所が分からなくなっていたのである。かなり道を間違え分譲地内を彷徨う羽目になってしまったが見覚えのある『山小屋』が遠くに見えて来た!
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うおお!派手な『山小屋』!外装を塗装し直したのは聞いていのだがなぜか赤い屋根に緑色の基礎鉄骨のクリスマスカラー(笑)形は確かに四年前と同じだ!テラスにKさんの姿も見えた!

『Kさ〜ん!!やって来たでぇ〜!!』

Kさんも我々に気が付いたようだ。笑顔をこちらに向けている。
こうしてカブ組、クルマ組のメンバーは無事に『山小屋』へ到着したのである。
<つづく>




三度『横浜OFF』/その5・雨の横浜、そして別れ

横浜二日目。
遅くに寝付いた伊蔵はさすがに朝早くに起床する事が出来ずしばしの時間惰眠をむさぼっていた。目が覚めるには覚めていたのだが起き上がる事が出来なかったのである。それでも午前8時過ぎにノソノソと起き始めベッドの上でボ〜っとしていた。早速起床の報告をマスターと草加君にメールで発信。しかし彼等も寝ているのか一向に返信が無い(笑)

昨夜コンビニで買った朝飯を食べてからシャワーを浴びるともう9時を廻っていた。草加君より先程のメールの返事が返ってきた。思った通り9時まで爆睡していたようだ。その報告とともに次のような不吉な一文が!

『外は雨のようです・・・』

な、なにぃ!雨とな!?朝から街を歩き回ろうと思っていた伊蔵にはこれはキツイ・・。窓を開けて外の様子を見てみると空はどんよりと曇っていて雨が確かに降っていた。むむむ・・何だか疲れてきてしまったがチャックアウトの時間も近いので部屋の整理と傘の用意をしつつ伊蔵は宿を後にした。
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とりあえず身軽になりたかったのでJR桜木町駅まで行きコインロッカーに荷物を預けてからマスターと草加君の宿泊しているホテルまで行ってみる事に。ホテルの前に辿り着くとガラス張りのロビーの椅子にマスターと草加君の姿が見えた。

『おはようございます』

お互い朝の挨拶をかわし伊蔵も椅子に腰掛けた。やはり昨夜はみんななかなか寝付く事が出来なかったらしく一様に眠そうであった。珍さんはネットカフェでゆっくりと寝る事が出来たのであろうか・・。草加君は珍さんと連絡を取っているようだった。珍さんはすでに起きていてJR桜木町駅にいるとの事。伊蔵とは入れ違いだったようだ。

オフ会の集合場所であった本屋で珍さんは立ち読みをしながら我々を待っていた。挨拶の後昨夜は眠れたのかどうか聞いてみたが流石にネットカフェの椅子ではぐっすりと寝られないらしく旅の疲れもとれなかったようだ。
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外は相変わらずの雨・・小雨ではあるもののいつ大降りになるかも分からないといった天候であった。これからどうする?という話になりマスターに委ねたところ『定番のコースを案内して欲しい』というお返事。マスターと草加君は傘をこの時持っていなかったので伊蔵も傘をささずに小雨に打たれながらの移動となった。

定番のコースとしては
●ドックヤードガーデン→●日本丸→●汽車道→●赤レンガ倉庫→●山下公園→●横濱中華街とまわるのがここ最近の草加君と伊蔵の横浜散策のコースになっているのでこれらを辿って行く事にした。草加君はすでに昨日のうちにこのコースを歩いたらしいので再度同じコースを辿るのは申し訳なかったがマスターと珍さんは横浜をゆっくりまわる事すら出来ていなかったので致し方ない。
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ランドマークタワー下のドックヤードガーデン。今回は何のイベントも行なわれておらず雨に濡れたドックは閑散としていた。
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帆船『日本丸』の周りも誰一人歩き回っておらず今まで横浜に訪れてこれほど寂し気な感じがしたのは初めてであった。その後我々は小雨の降る中、海の上を通っている一本道である『汽車道』を歩き『赤レンガ倉庫』へ。
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赤レンガ倉庫前では巨大な仮設テントが張られていて『ビール祭』が行なわれていたがこの天候の下ではビールを飲んで楽しもうと思う者はおらずこちらも不人気・・・。
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我々四名はその後も赤レンガ倉庫辺りをウロウロと歩き回っていたがいよいよ雨が本降りになって来てしまった。雲もいよいよ低く垂れ込めて来てランドマークタワーの最上階部分を隠してしまうまでになって来た。堪らず赤レンガ倉庫の屋根のある場所に避難。しばらく小降りになるのを待っていたがラチがあかない。

結局JR関内駅までタクシーを使って移動になった。本来なら赤レンガ倉庫から海沿いを歩いて山下公園に入り中華街を目指したかったのだが致し方無い。関内駅から横浜スタジアムを左手に見ながら中華街入り。
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中華街も雨という事もあってかなり空いていた。天候は不満だが人が少なくて歩きやすかったのは良かった(笑)しかしもうこの時点で午前11時半を過ぎていた。マスターの高速バス新宿発の時間が午後2時半という事なのでそろそろ昼食をとらねばならない時間だ。結局草加君と伊蔵が第一回横浜オフの時にこの中華街で昼食を食べた“香港路”という細い路地にある『滿珠園(まんじゅえん)』さんへ。

かつてこの『滿珠園』さんで大盛炒飯を食べた草加君は満腹率120%になってしまった事が思い出される。当時は一階のテーブル席で食べたのだが今回は二階の座敷へと通された。二階の座敷はかなり広くて畳の上にいくつかの回転円卓が並んでいた。円卓を挟んで四名は腰を落ち付けた。伊蔵もそうだったがみんなも昨日の旅の疲れと宴会疲れそして今日の雨とかなり疲労が溜っている様に感じられた。
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伊蔵は『麻婆御飯セット』を注文。一見すると何だかカレーライスのように見えるが麻婆御飯である(笑)
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セットには『杏仁豆腐』も付いて来た。マスターと草加君は『カニ炒飯セット』、珍さんは『チャーシュー麺』を注文。食事をしながらゆっくりと楽しく談笑した我々。中華街の中で『珍さん、珍さん・・』と呼び掛けていると何だか中国人の“陳さん”に聞こえるなぁ〜とマスターが言うとみんなの顔に思わず笑みが込み上げる(笑)食後もゆっくりと『滿珠園』さんで過ごさせてもらった。

いよいよマスターとの別れの時がやって来た・・・。
JR関内駅から列車で帰る事になった。伊蔵は桜木町駅に荷物を預けていた為、そこで降りなければならない。草加君、珍さんも帰る方向は伊蔵と一緒なのでマスターとは桜木町駅で別れる事になる。列車は程なく桜木町駅へと到着。草加君、珍さん、伊蔵は列車から降りマスターを見送った。遠いところを横浜まで出向いてくれて本当に有り難うマスター。

やがて発車のチャイムとともに列車の自動ドアが閉まる・・。ちょっと寂しい雰囲気が心をよぎったがドアの向こうのマスターは最後まで笑顔だった・・。またいつの日か会おう!マスター。 遠ざかって行く列車を見送りマスターが無事に新宿発の高速バスの発車時間に間に合うように祈った(実はかなりギリギリの時間だったのだ)。

マスターを見送った後、草加君、珍さんと伊蔵は桜木町駅から市営地下鉄で東海道新幹線『新横浜駅』へ向かった。新横浜駅で珍さんと別れる事に。関東に住む友人に会ってから帰るとの事であった。草加君と伊蔵は14時13分発の『のぞみ187号』博多行のチケットを購入し新幹線の改札口へ。珍さんは改札口まで見送りに来てくれた。珍さんと握手をかわし別れた。新幹線の名古屋着は15時36分。随分早く戻って来た。伊蔵は名古屋で草加君と別れた後、takeさん(ジャック)にオフ会メンバー達からのお土産を渡す為にお店に伺ってから家に帰宅したのだった。

こうして今回も大盛況のうちに『横浜オフ会』は無事に終了したのだった。皆住んでいる場所がかなり離れている事と仕事の関係等でなかなか時期を同じくして一ヶ所に集まれる機会が無いが逆にこれがいい事なのかもしれない。会う度に親密度が増すように伊蔵には感じられた。今度はいつこの愉快な仲間と一緒にお酒が飲めるのだろう・・今から楽しみだ!!みんな楽しい時間を本当に有り難う!お疲れ様でした!<完>

※伊蔵の『東京見物編』は回を改めて報告します。




    

三度『横浜OFF』/その4・二次会、そして中華で締め

JR桜木町駅へ京都からやって来た『珍さん』を迎えに我々七名はぞろぞろと集合場所である本屋の前付近に辿り着いた。鎖骨さんが電話して珍さんを無事に発見する事に成功した。

『よく来てくれました!お疲れさま珍さん!』

メンバー皆で珍さんを労い迎えたのだった。珍さんは食事も摂らず京都から駆け付けてくれたのだった。少しばかり遅い対面となってしまった。早速二次会の会場を探す事になった。
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総勢八名全員がこれで揃った。一旦野毛の商店街方面に戻り二次会が出来そうな店を探した。結局フルーレ花咲ビルという飲食店ビルの二階にある『白木屋』さんが二次会の会場となった。午後9時過ぎという時間帯という事もあって『白木屋』さんもかなり空いていてすんなりと座る事が出来た。

流石に京都から桜木町に着いたばかりの珍さんは疲れているようだった。いや!ただ単にお腹が空いていただけかもしれない。初めて見る珍さんは非常に落ち着いている方で京都の人を感じさせる奥ゆかしさのような何かを伊蔵は感じた。また珍さんは忙しい中、わざわざメンバーみんなの為にお土産を持って来てくれたのだ。これがまた京都らしいいかしたお土産であった。
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京都の『竹中木版 竹笹堂』の“手摺り和紙のブックカバー”。木版で様々な色と柄の色に染められたこのブックカバーを珍さんはお土産として持って来てくれたのだ。ありがとう!珍さん!マスターが二次会の挨拶と合わせてわざわざ駆け付けてくれた珍さんを労い改めて皆で乾杯となった。メンバーはお腹を空かせた珍さんの為にメニューを差出しては

『珍さんが好きなものをどんどん注文して下さいね!』

と薦め楽しい宴会が始まったのだった。しかしどんどん出て来る料理を珍さんひとりで食べられるわけはなく少々珍さんは困っているようだった(笑)しばらく談笑を楽しんでいるとそろそろヤツメウナギさんの帰る時刻が迫って来た為一足先に見送る事に。鉄道好きの彼の事だまたいずれ名古屋で会える事だろう(笑)

『またな〜ウナギ〜』

伊蔵は声をかけて別れを告げた。その後もしばらく宴会が続いたのだがそろそろ関東在住のメンバー達の最終電車の時刻がやって来たようだ。メンバーは『白木屋』を出て夜の桜木町の街を通ってJR桜木町駅へとトボトボと歩いた。もう少しみんなと飲んでいたいところだが仕方が無い。
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まず斜さん、猫さんを見送る。猫さんはお酒の飲み方をセーブした甲斐あって今回は大丈夫なようだ(笑)ありがとう!斜さん、猫さん!またお会いしましょう。次に鎖骨さんを地下鉄駅まで送る事に。
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今回も彼女には大変お世話になった。お疲れ様!鎖骨さん。彼女もまだまだみんなと飲んでいたいような感じであった。名古屋に来る事があったら一緒に飲もうとひとこと言いエスカレーターを下る彼女を見送った。

さぁ残された宿泊組のマスター、草加君、珍さん、伊蔵の四名。これからどうしようかという話になった。マスターはゆっくりする事が出来なかった珍さんの為にどこかで軽く食事でもしようかというので四人で野毛の商店街をブラブラしてみる事にした。
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伊蔵は以前から気になっていた野毛商店街の中のラーメン屋『三陽』さんでラーメンを食したかったのだが閉店はしていなかったものの店員さんに材料切れを理由に断わられてしまった。ここでのラーメンはまた次回にお預けとなってしまった。

さらに我々四名は野毛の商店街を歩いた。
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商店街も深夜に差し掛かり人通りも流石にまばらになっていた。午後11時45分我々四名は野毛商店街にある中華料理の店『清香楼』さんへと入ったのだった。この『清香楼』さんは年中無休で午前3時まで営業している。
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『清香楼』さんの店内は静かでゆっくりするにはピッタリ。円卓を囲んで四人は腰を降ろした。
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マスターはラーメンを食べ・・・
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珍さん、草加君は炒飯を食べ・・・
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伊蔵は海老炒飯を食べた。
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炒飯には中華スープが付いていた。これらの他に伊蔵はビールを注文。今日一日でめちゃくちゃ食べている様な感じが・・・(笑)この『清香楼』さんで何を話していたのかは忘れてしまったが、

『とにかく今日一日お疲れさまでした!』

という感じの話だっただろう。この四名は長旅で相当疲れているはずではあったがあまりそんな事は気になってはいなかった。今夜の『横浜オフ』が楽しかったせいなのだろう、ちょっと興奮気味で眠さも疲れも感じなかった。

さすがに頼んだビールを全て飲み干す事が伊蔵は出来なかった(笑)
食事を終えてマスター、草加君の泊まるホテルまで一緒に歩く事に。珍さんは宿をとっていなかった為、先程二次会で使った『白木屋』さんの入っている飲食店ビルの最上階にあるインターネットカフェにて一夜を過ごす事に先程話が決まっていた。

ホテル前で伊蔵は明日また会う約束をして別れたのだが伊蔵は宿に帰ってもすぐに寝れない気がしたのでまた商店街を端から端まで歩いてから宿へと帰ろうと考えた。
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満腹のお腹と心地よい酔いにまかせて伊蔵は商店街を歩き回った。ほとんどの店が閉店時間を迎え飲み屋の外では飲み会を終えた団体がたむろしていたりしていた。相変わらずこの時間で開いている店はキャバクラやBARなど。怪し気なネオンが眩しい。
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一通り歩いていたら苦しかった腹も幾分楽になったので明日の朝の朝食をコンビニで購入してから伊蔵は宿へと戻ったのだった。しかしベッドに横になったものの伊蔵はなかなか寝付くことが出来なかった。<つづく>



三度『横浜OFF』/その3・宴、いきなり!物産展(笑)

JR桜木町駅に集結をしたメンバー七名は横浜オフ会の会場である『くいもの屋 わん 桜木町店』へ向かって歩いた。駅からは一旦『野毛のちかみち』と呼ばれる地下道をくぐってから地上に出る。地上に出てすぐ正面の飲食店ビルの地下一階に『くいもの屋 わん』さんはある。『わん』さんはこの飲食店ビルの屋上に一際巨大な看板を掲げているお店なので場所は行けばすぐに分かる(笑)。
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ビル内に入り地下へと続く暗い階段を下っていくとそこが『わん』さんだ。今回我々が通された個室は入口から最も近いところであった。正方形の掘りごたつ風のしっかりした材質のテーブルが中央にありその周りを囲む様に座布団が敷かれていた。七名が座るとかなり狭さを感じざるを得ない広さだがそこは気心知れた間柄、そんなに気にはならなかった。店内の照明も極力抑えられていていつもながら雰囲気が良い。

メンバーそれぞれ席に腰を落ち着けたところでとりあえず飲み物を注文。飲み物が一通り運ばれて来たところで伊蔵は、

『今回のオフ会の挨拶はマスターの方からお願い致します』

とマスターに向かって申し上げた。するとマスターはグラスを手に取って静かに話し始めたのだった。『BARギコONLINE』の黎明期からメンバーとの出会いや“街”や“小部屋”時代の話もひとつひとつ思い出す様に取り挙げては本日今夜のこの『横浜オフ』でメンバーみんなと顔を合わせる事が出来た事に対して本当に感謝していると述べた。この時マスターの挨拶を聞くメンバーそれぞれの心の中にも様々な『BARギコONLINE』での想い出が去来しているのか実にみんなが神妙な態度でマスターの挨拶に聞き入っていたのだった。

『BARギコでの出会いに乾杯!!』

マスターの音頭で今夜の『横浜オフ』の宴が始まった!しかし始まったには始まったのだがここでメンバーの皆のお土産物の交換会が突如勃発してしまったのである。
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マスターからは非常に珍しいお土産“ホヤ”を干した『保谷物語』。こういう珍しいお土産は頂く方としても非常に嬉しい。
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これは猫さんが大量に買い占めて来たという(株)ナポレオンフードの『ピーナッツの華』。ピーナッツバターサブレだ。このお土産がメンバーの数分テーブルの上に整然と並んだ光景は一種『壮観』であった(笑)。
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こちらはヤツメウナギさんからのお土産で(株)花園万頭の『栗きんつば』。ヤツメウナギさんはメンバー最年少なのになかなかに渋いお土産選択(笑)
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お次は鎖骨さんからのお土産『戸塚のいも畑』。カナールという洋菓子専門店のリリースする品の中のひとつらしい。小麦粉を使わずバターとクリや芋などの素材だけを使った焼菓子。モンブラン好きの伊蔵にとっては嬉しい(笑)
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これは草加君が購入してきた名古屋名物『青柳ういろう』の“ひとくち”と呼ばれる一品。一口サイズのういろうがあるとは伊蔵は知らなかった(笑)
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そして伊蔵の名古屋名物『なごやん』(笑)『横浜オフ』の宴が始まる前に『ご当地自慢!土産物物産展』が始まってしまったようだ。一通りお土産物の披露が終わると伊蔵の横に座っていた『斜さん』が伊蔵にこう耳打ちをした。

『今回はとても僕の胸ポケットに土産物が入らないですねぇ〜・・』

これまでの横浜オフ会では胸ポケットに土産物を入れて帰っていく姿が恒例となっていた斜さん。今回ばかりは大量の土産物を渡され途方に暮れていた(笑)次回は彼には“四次元胸ポケット”を持参して貰わねばなるまい・・・。さて料理の注文が始まった!いきなり猫さんが

『え〜とですね・・・“馬刺”と“隠し大吟醸 美濃菊(岐阜)”をお願いします!』

えええええ!今日は日本酒をセーブするんじゃなかったのか猫さん!いきなり飲む気満々ではないか・・(笑)猫さんはメンバー全員からツッコミを入れられていた。でもまぁいいか。楽しそうだもの。みんなめいめい自分の好みのお酒を頼んで楽しく飲めばそれでいい。斜さんも“とんとろ”を焼きながら超辛口の新潟の日本酒“越乃景虎”を飲んでいた。む〜んなかなか渋いぜ斜さん!

酒の強い鎖骨さんはいつもの通りカクテル系のお酒を飲んでいた。マスターはあまりお酒が飲めない方なのでほどほどに飲んでいる様。ヤツメウナギさんは未成年なので烏龍茶(笑)しかし烏龍茶飲んでいても何だか酔っている様に見えてとても面白かった(笑)また草加君とヤツメウナギさんがニンテンドーDSでゲーム対戦していたのも印象的であった。

伊蔵もビールを飲んだ後は日本酒に切り替えた。山形県の“桜花吟醸 出羽桜”だ。和食中心の料理なので日本酒が良く合う。ここの日本酒は枡に入れられたグラスに直接店員さんが一升瓶を持って来てくれてお酒を注いでくれる。なみなみと注いで貰って伊蔵も大満足(笑)こぼれた日本酒は御愛嬌。そのあと鎖骨さんの飲んでいるカクテルが気になり伊蔵も飲んでみる事に。

『桃源郷』『空中散歩』と名付けられたカクテルを鎖骨さんはこの『わん』さんへ来ると必ず注文する。先回のオフ会の時、伊蔵も少し頂いたのだが何だか“芳香剤”のような味がすると素直な感想を述べた憶えがある。だからといって嫌いというわけではなく甘くてとても美味しい。お酒という事を忘れてしまう程さわやかな味で飲みやすい。

あっという間に数時間の時が過ぎ去ってしまい午後9時。とても数時間では飲み足りない感じがする。そういえば京都から参加の『珍さん』は今頃どのあたりなのか・・・。丁度この宴が始まった頃に京都を出ているはずなのだが・・。お会計を済ませ我々は『わん』さんの店の外へと出た。
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外はすっかり暗くなっていた。『珍さん』より連絡が入ったらしく無事にJR桜木町駅に到着したようだ。例の集合場所の本屋前で待っているらしい。我々メンバーはわざわざ長い道のりを飛ばしてやって来た『珍さん』を迎えに駅へと向かったのだった。<つづく>




三度『横浜OFF』/その2・メンバー集結す!

ヤツメウナギさんと伊蔵はJR桜木町駅構内の本屋前にてしばしの間マスターと草加君の来るのを待っていた。やがて・・・マスターと草加君が現れた!

『ど〜も初めまして!』

マスターと伊蔵は挨拶をし固い握手をかわしたのだった。
伊蔵はこれまでに色々な贈り物をマスターから頂いていた為その御礼も兼ねて頭を下げた。伊蔵が『BARギコONLINE』に出入りするようになって以来、マスターにはネット上という特種な場ではあったが大変お世話になっていた。それから約三年の時を越えてようやく今日こうして顔を合わせる事が出来て伊蔵の喜びはひとしおだった。

初めて見るマスターは柔和な優しい何でも話せるオジサンといった感じ(伊蔵自身もオジサンなのだが・笑)とても親しみの持てる方でBARギコでお喋りしている時に感じていた通りの人であった。さぁとりあえずこれでマスター、草加君、ヤツメウナギさん、伊蔵の四名は揃った。しかし集合時間にはまだ多少時間があり過ぎる為、桜木町駅前にあるクロスゲートという商業施設の集まったビルの二階のスタバでお茶でもしようという事になった。
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季節はもうすっかり秋めいていて陽の落ちるのも早くなって来ているようだ。桜木町にも夕陽が当たって全ての物が黄金色に輝いている。夕陽の当たる桜木町駅前広場をクロスゲートの二階から眺めつつ伊蔵とマスターはネット上の『BARギコONLINE』で話すようにとはいかないものの楽しく珈琲を飲みながら談笑したのだった。実際に会って話をするのはやはり何だかやっぱり勝手が違う。

しばらくたつと陽はいよいよ西の空に落ち始め少しばかり肌寒くなって来た。ふと気が付くと桜木町駅方面からオフ会の紅一点『鎖骨さん』がこちらへやって来るのが見えた。
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これは彼女自身が描いた“自画像”だが非常に良く似ている(笑)画像の使用許可が出たので掲載させて頂いた。『鎖骨さん』は絵心があるのでBARの様子をイラストに描いてはメンバーみんなに見せてくれて笑わせてくれた思い出がある。今回の横浜オフ会も彼女が自ら幹事をかってくれてお世話になりっぱなしなのだ。みんなでワイワイと飲む事が好きな子なので幹事をする事もどこか楽しんでいる感じもする(笑)

これで五名が揃った。そろそろ集合時間も迫って来たので先程の本屋前へ戻る事に。本屋の前に戻って次に現れた人物は『斜さん』。つい先日草加君と伊蔵はtakeさん(ジャック)の店で彼とは“名古屋オフ”を行なったばかりだ。

『先日はどーもどーも』

お互いドーモ君になりながら挨拶(笑)『斜さん』はtakeさんの店で食べた河豚の味が今だに忘れられないらしい。無理もない彼はその時初めて河豚を食したのだから。『斜さん』は名古屋オフの次の日大阪で開かれたご友人の結婚式でのイベントも大盛況のうちに終了したようでとても楽しい二日間でしたと報告してくれたのだった。

『斜さん』の次に少々集合時間に遅れて現れたのは『猫さん』であった。『猫さん』も今年の二月に開かれた“名古屋オフ”で会った以来なので久しぶりだ。そういえば五月に行なわれた前回の横浜オフの時『猫さん』は日本酒を飲み過ぎてしまい帰りの列車の切符を二度購入してしまうというハプニングがつい昨日の事の様に思い出される。今回『猫さん』は酒を気を付けて飲むようである(笑)

残るメンバーは京都から初参加の『珍さん』。
しかし彼はこの集合時間の今この時、諸事情からまだ京都を出発出来ていない状態であった。電話でマスターが色々話してくれて参加する話に決着が付いたのだが一次会の参加はまず無理っぽい状態であった。京都から新幹線を飛ばしたとしても桜木町までは三時間をみないといけないからだ。しかしながらとにかく『珍さん』は参加してくれる事になった。頑張れ『珍さん』!!
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『珍さん』には悪いと思いつつとりあえず桜木町に集合した我々七名は今ではすっかり『横浜オフ』の会場と化してしまった感のある『くいもの屋 わん』へと向ったのだった。<つづく>




三度『横浜OFF』/その1・桜木町へ

※『荘川・郡上八幡』への旅レポの途中ではありますがここで別のレポを挟ませて頂きます。誠にスミマセンがご了承下さい。


先日の10月7日の日曜日、BARギコONLINEの仲間達が集まり『第三回横浜オフ会』が開催された。今回の参加メンバーは以下の通りである。

●龍さん(マスター)●鎖骨さん●斜さん●猫さん●ヤツメウナギさん●珍さん●草加君●伊蔵の計八名。今回はオフ会史上最大の参加者数となる。

早朝に家を出発した伊蔵はJR名古屋駅でオフ会メンバーへのお土産として名古屋名物『なごやん』を一箱購入し新幹線ホームへと上がって行った。そして伊蔵は午前8時10分発の『のぞみ110号 東京行』の車中の人となった。BARギコONLINEのメンバーの一人でもあるtakeさん(ジャック)は今回も仕事の関係上参加は出来なかったのは残念だった。

新幹線のぞみ110号の車中はとても空いていて快適この上なかった。
その後定刻通り順調に列車は運行。午前9時頃、富士山近辺に差し掛かった。
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前回オフ会に向かう列車の車中からは雪を冠った富士山を望めたが今回はいかがなものかと窓に目をやると何となくうっすらと見る事が出来た。富士山はこの日の前日に『初冠雪』が観測されたのだが新幹線の車中からそれは望む事は残念ながら出来なかった。

JR名古屋駅を出発して1時間43分後の9時53分、伊蔵はJR東京駅のホームへと降り立った。これまで横浜でのオフ会開催時には伊蔵は早めに家を出て横浜の街をブラブラ一人で歩き回るのが常であったが今回は東京へ寄ってから横浜入りしようと考えていた。(この東京見物のレポについては回を改めて報告したいと思います。)

昼下がりに東京各所を歩いて見物していた伊蔵の携帯が鳴った。
takeさんからだった。

takeさん・・・『伊蔵君!今はどこかね?(笑)』
伊蔵・・・・・『江戸におるがね(笑)』

実はJR名古屋駅出発直後、伊蔵はtakeさんに旅立ちのメールを送っておいたのだ。この電話をtakeさんから貰った時、伊蔵は『皇居前広場』にて『二重橋』を見ていた。『二重橋』といえば島倉千代子なのだがこの時はtakeさんだったという訳だった(笑)

takeさん・・・『みんなに宜しく言っておいてくれ!』
伊蔵・・・・・『へい、承知しました。』

伊蔵はtakeさんからのメッセージを確かに受け取ったのだった。会話が終わるとメール受信が入っている!誰からだと思ったら今日のオフ会に東北から高速バスで東京入りするという初参加の『龍(マスター)さん』からのメールであった。内容は・・・

『今晩お暇ですか?w』

メンバー中、最年長の方ながら非常にユーモアのあるお人なのだ(笑)彼は今高速道路上、栃木県の佐野サービスエリアで休憩中らしい。メッセージとともに画像が送られて来ていた。
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どうやら佐野サービスエリアで佐野ラーメンのイベントが開催されていたらしい。いきなりイベントのキャンペーンガールの画像が送られてきたのは笑えた(しかし可愛い子だった)。マスターの心使い?がとても有り難い。その後も何度かメールでの楽しいやり取りが続いた。結局マスターを乗せた高速バスは新宿に午後三時着ということらしい。一足先に伊蔵は東京から横浜方面に向かう事にした。伊蔵は山手線で一旦品川駅へと向かい京浜東北線で横浜駅へ向かいそこでJR根岸線に乗り換え、集合場所であるJR桜木町駅へと向かった。
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JR桜木町駅に午後三時ちょうどに伊蔵は辿り着いた。着いてすぐにマスターと草加君に到着した旨を伝えた。草加君からは『了解』の返信、マスターからは新宿に着いてJRに乗って横浜を目指しているとの返信が届いた。
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この日のJR桜木町駅では何やら音楽イベントが各所で開かれていて沢山の見物人で賑わっていた。

今回の第三回横浜オフ会の開催日時はくしくも第一回横浜オフ会と同じ日時なのだった。その時マスターは参加するはずであったが前日から東北地方を台風が襲い出向く事が叶わずついに会う事が出来なかった。それが今回やっと実現するのだ!伊蔵はこれを非常に楽しみにしていた。マスターもそれは同じ事だろう。

JR桜木町駅に到着した伊蔵ではあったが集合時間にはまだ時間があるのでとりあえずホテルにチェックインする事にし、『野毛のちか道』と呼ばれる駅から野毛地区へと抜ける地下道を下って行った。この街へ来るのも今回で三度目泊まるホテルも同じく三度目。見慣れた景色が目に飛び込んでくる。
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そしてホテルに辿り着き一息。一日中東京を歩いていたので伊蔵は疲れていた。ベッドに横になった時マスターから『桜木町駅に着いた』とのメール。おお!無事に着いたかマスター。一安心だ。
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伊蔵はシャワーを浴びてから集合場所であるJR桜木町駅の改札口近くの本屋へと向かった。マスターと草加君は同じカプセルホテルに泊まる事になっていた。今頃チェックインした頃だろう。午後4時半頃、伊蔵は本屋の前に辿り着いた。まだ誰も来ていないようだ・・・と思ったら柱の影に見覚えのある大きい人物が!

『おおお!ヤツメウナギさんではないか!!』

彼もどうやら早く着き過ぎてしまったらしい(笑)
この時伊蔵も集合時間を間違えていたという不覚をヤツメウナギさんを通して知る事になった。一時間も早く来てしまったようだorz・・・。
そりゃあ誰もおらんわな(笑)
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しかしすぐ草加君に連絡を取ってみたところマスターとともにこちらへ向かうという連絡が入った。いよいよマスターに会えるのだ!伊蔵の心は高鳴った。<つづく>


『荘川・郡上八幡』への旅/その6・ひるがの高原にて

急な峠道を登り切った先にある標高900mの『蛭ケ野高原』は肌寒くそしてひっそりとしていた。目の前にはオフシーズンのひるがの高原スキー場が寂しく見えている。takeさんと伊蔵を乗せたカブはしばらく高原の平坦な道を進み道沿いにあった『たかすファーマーズ』というお店で小休止する事にした。
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かねてからtakeさんは、

『ひるがの高原で飲む牛乳はうみゃ〜でよぉ〜』

と言っていた為、その味を堪能したかったのである。元々伊蔵は牛乳は苦手な方で自ら飲むといった事はしないタチなのだが今回は飲んでみようと思っていた。
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広い駐車場には何やらハリボテの牛が!雌牛で名前は『ゆみちゃん』というらしい(笑)。takeさんと伊蔵はその『ゆみちゃん』の脇にカブを停めた。この牛の『ゆみちゃん』の尻尾をむやみに引っ張ってはならない。なぜなら、
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『わたし、ゆみちゃんです。シッポにさわらないでね』

ゆみちゃんにそう言われては触ってはならないだろう(笑)ハリボテの牛とはいえ何だかとても可愛いのである。

『たかすファーマーズ』では様々な牛乳やチーズ、アイスクリーム等の乳製品や地元の名産品や農産加工品や野菜を手に入れる事が出来る。販売スペースの裏手にはそうした乳製品を製造する為の工場までありなかなか本格的だ。takeさんは地場の野菜に興味津々のようで手に取ってはあれこれ品定めをしていた。店の中に入ると目当ての『ひるがの高原牛乳』の試飲コーナーがあった。早速飲んでみる。う〜んマンダム・・いや!

『あ、甘い・・!』

伊蔵が苦手であった給食で出されるような水っぽい牛乳とは違いコクがあり濃厚な甘さというものがある。これなら抵抗なく飲める。この『ひるがの高原牛乳』はこの高原で育った牛から搾った原乳を低温殺菌しその日のうちに瓶詰めしたもの。旨くないわけがない。『ひるがの高原牛乳』を試飲する我々にお店のオーナー夫婦?が親し気に話し掛けてきた。

オーナー・・・・・『ここで販売している乳製品はみんなうちで作ったものなんですよ』
takeさん・伊蔵・・『ほほう〜』

地場の野菜に興味を示したtakeさんは矢継ぎ早にいろんな質問をオーナーさんにぶつけて冗談を言っていた(笑)そんな中、乳製品の中で非常に珍しい商品を発見!いち早く目を付けたのはtakeさんであった。その商品は『カンコワイヨット』というもの。簡単に言えばチーズソース。中身はトロ〜リしていてオーナーさんが言うにはチーズフォンデュのようにジャガイモやパンやサラダ、温野菜にかけて食べると美味しいらしい。日本ではまだまだ知名度が無く非常に珍しい商品だがフランス北東部、フランシュコンテ地方の家庭では無くてはならない乳製品らしい。

takeさんはその『カンコワイヨット』、伊蔵も燻製チーズとストリングチーズを購入。
余談になるがここ『たかすファーマーズ』のオーナーさんは元々獣医をされていたそうで様々な動物、驚いた事に牛の面倒も見た事があるらしい。今は引退しここ蛭ケ野高原で第二の人生を楽しみながら商売をしているとの事。高原の空気がそうさせるのかとても穏やかで優しいオーナーご夫婦であった。

『お世話になりました〜!』

カブに再び跨がって出発する我々をオーナーご夫婦は笑顔で見送ってくれたのだった。旅の途中でのこういう出合いというものはとても楽しい。我々は再び高原の中を突っ切る国道を北へと向かったのだった。<つづく>


◆たかすファーマーズホームページ
http://www7.ocn.ne.jp/~famers/index.htm



『荘川・郡上八幡』への旅/その5・カブよ走れ力強く!

ここでホンダスーパーカブ90カスタムについて紹介しておかねばなるまい。
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◆HONDA スーパーカブ90カスタム
・エンジン型式/空冷4ストロークOHC単気筒
・総排気量/85cc
・最高出力/7.0ps/7000rpm
・最大トルク/0.79kg・m/5500rpm
・始動方式/セルフ式 (キック式併設)
・点火装置形式/CDI式マグネット点火
・変速機形式/常時噛合式3段リターン
・車両重量/88kg
・燃料消費率/60.0km/L(60km/h定地走行テスト値)
・乗車定員/2名

スーパーカブ90には“デラックス”“カスタム”の二車種がある。外見上の相違はほとんどないが前後フェンダー、サイドカバーの形状やシート形状、デラックスの丸目ライトに対してカスタムは角目ライトと細かく見ていくと異なっている部分がある。このバイクの心臓でもある空冷4ストロークOHC単気筒エンジンは歴史が深くそれだけに熟成・完成したエンジンで経済性・静粛性・信頼性において右に出るものはないといってよい。
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最近ではこの空冷4ストロークOHC単気筒エンジンに電子制御燃料噴射システム(PGM-FI)が新たに取り付けられているモデルも存在する。
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これは様々な走行条件をコンピューターが判断し最適な燃料噴射量を調整するという電子制御の燃料噴射装置。燃費の向上に一役かっている。空冷4ストロークOHC単気筒という基本的エンジン型式は変わらないものの時代の要請によって少しずつ変化しているのが最近のカブのエンジンなのである。

さてtakeさんの駆るスーパーカブ90カスタム。随分前に名古屋の街中をタンデムで走った事があるが50ccのカブに比べエンジンの力強さの違いに驚いたものだ。わずか40cc程の差しかないがこの排気量の差というものは実際にバイクに乗っている人なら大きいという事が痛い程分かるだろう。それほど走りに違いが出て来るものなのだ。

takeさんと伊蔵はタンデムで国道156号線を疾走していた。朝の冷たい風が前方から後方へと吹抜けていく・・。素直に気持ちが良い。久しぶりに伊蔵は風と一体化していたのだ。二人ともむやみやたらにはしゃいでいたのを覚えている(笑)

やがて二人を乗せたカブ90は蛭ヶ野高原へと続く坂道に差し掛かった。坂道の手前でtakeさんがスロットルを全開にし助走をしているのが分かった。エンジンの音が一層高まりスピードが上昇していく・・・。

『頼む!走れ!走ってくれ!カブよ』

少々過積載気味のカブは坂道へと突入した。おおお!思ったより力強く登って行くではないか!!興奮気味の二人は何だかよく分らないが走りながら自然と笑っていた。が、しかし次第に最初のスピードは徐々に落ち始めた。坂道に差し掛かったときは時速60キロを差していたメーターが40キロまで落ちて来ていた。

『の、登らねぇ〜〜〜!!伊蔵君、是非即座にダイエットしたまえ!』

takeさんは無理な注文を狼狽気味に言った後、三速トップから二速セカンドにギアを落した!!一瞬の減速の後、ギアが入りリアタイヤにトラクションがかかり加速、伊蔵は後に身体を持っていかれそうになった。バババババババ・・・・エンジンが悲鳴をあげながらも坂道を登っていく。低速ではあるがカブは力強く坂道を登っていく。

もはや登れるか登れないかなどという不安はない。
takeさんと伊蔵はそんな不安などとっくに吹き抜ける風とともに後に置いてきた。

街までのハーフマイル アクセル踏み込む
スピードに目をやられ 退屈が見え無くなるまで
少しぐらいの時を 無駄にしてもいいさ
色褪せた日常に呟く 俺にとって俺だけが
全てという訳じゃないけど 今夜俺誰の為に 生きてる訳じゃないだろ
行く当ての無い Driving All Night
なぐさめの無い Driving All Night

見飽きた街を通り抜けて さみしい川の上を走った
追い抜いたトラックの向こうに 闇に埋もれた日常が見える・・・

なぜか意味もなく『尾崎豊』のDriving All Nightの歌詞が頭の中を流れて来た。
スーパーカブ90カスタムは峠を目指してグイグイ登っていたがそれと同時にtakeさんと伊蔵を“少年の日々”へと誘ってくれていたのだった。<つづく>




『荘川・郡上八幡』への旅/その4・高鷹にて伊蔵確保さる!!

長良川鉄道の終着駅『北濃駅』には無事に着いたものの交通手段が全く無くなってしまった伊蔵はしばらく駅前で呆然としていた。しかしこのまま動かずにいても仕方が無い。伊蔵は国道156号線を長良川沿いに歩いて北上する事にしたのだった。
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朝の国道は肌寒かった。右手には長良川最上流の清らかな流れが見え正面には大日ヶ岳の巨大な山肌が立ちはだかっている。その山裾を大きく回り込む様に国道は東の方へと伸びている。『飛騨街道』と呼ばれるだけに険しそうだ。上の画像の下部分の“S字状”になっている部分を今伊蔵は歩いている。

先程までは肌寒かった身体も歩いていると一気に汗ばんで来た。この国道156号線を後からスーパーカブ90カスタムを駆り走って来るtakeさんは一体今どの地点に達しているのだろうか・・・。伊蔵は携帯電話でtakeさんにコンタクトしてみる事にした。山奥だけに“圏外”になってしまう危険性を孕んではいたのだが国道上を歩いていた為それほど心配する程では無かった。

『トゥルルルルル・・・・・』

静かすぎる山村を貫く国道上に空しく呼び出し音のみが響く・・・
『どうしたんだ!takeさん。なぜ出てくれないんだ!?』ポチっとなと携帯の受話器ボタンを押し仕方なく伊蔵はまた歩き始めた。きっとtakeさんはカブで走行中なのだろう。容赦なく国道を走るクルマは伊蔵を追い越して行く。追い抜き様に伊蔵を見つめる彼らの顔は一様に怪訝な表情をしているように感じられた。それはそうだろうこんな山奥の国道を一人で歩いているのだから(笑)しばらく歩いていると携帯が振動した!はたしてそれはtakeさんであった。

takeさん・・・『伊蔵君!今どこだね??』
伊蔵・・・・・『終着駅から足が無くて歩いとるて!』
takeさん・・・『むははは!それではレスキューせんといかんねぇ!』
伊蔵・・・・・『頼んます・・・今はどこなん?』
takeさん・・・『白鳥に入ったとこだて!すぐ迎えに参る』

大体上記のような内容を携帯で話して伊蔵は再び歩き始めたのだった。takeさんは案外早く白鳥までやって来たようだ。心配していた天気も今のところ大丈夫なようだし良かった。

終着駅『北濃駅』から約45分の距離を伊蔵は歩いていた。この辺りは郡上市高鷹(たかす)という地域。郡上市に合併される前までは『高鷹村(たかすむら)』と呼ばれていた。この場所から国道156号線(飛騨街道)は蛭ヶ野高原へと高度を急激に上げて行くのだ。

『パパパパパァ〜〜〜!!』

歩き続ける伊蔵の背後でけたたましいホーンの音が!!バイィィ〜〜ン・・・とエンジン音も高らかにtakeさんが追い付いて来た。

『伊蔵君!後ろから見ると十分に不審人物だよ・・(笑)』

そんな事を言われながら午前9時22分郡上市高鷹地区にて伊蔵はtakeさんに“確保”されたわけである。不審人物呼ばわりされながらも正直伊蔵の気持ちはホッとしていた。背負っていたリュックを歩道に降ろして無事に落ち会えた事を二人で祝うのであった。

我々の前には蛭ヶ野高原へと続く峠が立ちはだかっている。
果たしてわずか排気量90ccのカブによるタンデムでこの峠越えが出来るのか・・・・
伊蔵はtakeさんが運んで来てくれたヘルメットを受け取り左右のステップを広げダブルシートに換装されたカブの後部へと腰を降ろした。
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『キュルル・・ブロロン・・バタバタバタバタ・・』

takeさんがセルでカブのエンジンに火を入れた。
スーパーカブ90カスタムは一発でエンジンがかかり安定したアイドリング音をたて始めた。と同時にtakeさんと伊蔵の心にも何らかのスイッチが入り心臓の回転数が上昇し始めたのだった。

takeさん・・・『それでは伊蔵君!いくぞ出発だ!』
伊蔵・・・・・『へい、ガッテンだ!』

荘川に向けて我らのタンデムツーリングが始まった。<つづく>




『荘川・郡上八幡』への旅/その3・終着駅そこには・・

伊蔵と学生達を乗せた列車が『郡上八幡駅』を発車した。彼ら学生達はどこまで列車に乗って行くのだろうか。郡上八幡駅を過ぎたあとも停車する駅はことごとく古さが目立つ駅ばかりだった。郡上市の八幡、大和といった地域を貫く形でレールは続き伊蔵を乗せた列車は終着駅に程近い最後の大きな駅『美濃白鳥駅(みのしろとりえき)』へ到着したのだった。

『美濃白鳥駅』は郡上市白鳥の町の中心部にある。近くには東海北陸道の白鳥インター、福井県へと抜ける中部縦貫自動車道油坂峠道路などの自動車専用道路がひしめいている。山奥にある町だがそこそこひらけている。

この『美濃白鳥駅』で伊蔵以外の乗客は全て降りてしまった為、車両は伊蔵一人の貸切状態となった(笑)美濃太田駅方面から来た列車の大部分はこの『美濃白鳥駅』で折り返しとなる。真の終着駅『北濃駅』まで乗り入れる列車本数は非常に少ない。しばらくの間『美濃白鳥駅』で停車した後、列車は運転手と伊蔵のみを乗せて終着駅に向けて走り始めたのだった。
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ガラ〜ンとした車内に列車の車輪から響くレール音のみが聞こえてくる。外の風景はいよいよ山深くなって来ていて終着駅が近い事を思わせる雰囲気になってきた。『白鳥高原駅』、『白山長滝駅』を越えるといよいよ長良川鉄道の終着駅『北濃駅』となる。美濃太田駅を出発して約二時間に及ぶ伊蔵の列車の旅も終わりを告げようとしていた。
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車内の乗車料金掲示板にも『北濃』の二文字が表示された。列車のスピードも徐々に落ちて来た・・・。そして列車は午前8時34分『北濃駅』のホームへ静かに停車したのだった。伊蔵は荷物を背負って切符を運転席横の料金箱に入れ列車の出口からホームへ足を降ろした。その刹那、冷たい空気が伊蔵の顔を撫でる様に吹抜けた。駅がある標高が高い為明らかに空気が冷たいのだ。
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『北濃駅』のホームには当たり前だが誰の出迎えも無く辺りは恐ろしい程に静まり返っていた。駅舎はあるのだが人気というものが全く無い。駅舎前にある国道156号線を走るクルマの走行音のみが聞こえてくる。こんなに寂し気な駅は初めてだ。
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伊蔵は二時間あまり旅を共にした『ナガラ3形』に「ここまで伊蔵を運んでくれてありがとう」と別れを告げた。このホームの向こうでレールは途切れている。
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美濃太田駅から72.2キロ、海抜446メートルか・・・なるほど。木製の看板に書かれた『北濃駅』の位置を眺めながら伊蔵は人気の全く無い木造駅舎へと足を進めた。駅の改札口をくぐると昔懐かしい木造の待合室があった。木製のベンチに蜘蛛の巣がかかっているのが何だかうら寂しい。
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駅舎はいかにも終着駅に相応しい佇まい。この辺りは冬ともなれば雪が多く積もるため駅舎の老朽化も著しい。
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駅舎の脇にはかつて『北北らーめん福乃屋』というラーメン屋が存在したが今では廃業してしまっている。
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予期はしていたが『北濃駅』駅前の広々とした駐車場にはクルマ、バスはおろかタクシーの一台も停まってはいなかった。バス停は一応あるのだがバスが来るのは一時間以上後である。駅前の公衆電話にあった電話帳で郡上の観光協会を調べ電話してみたものの土曜日の早朝という事もあってか先方が電話にでない・・・・。

さてここからどうするよ・・・伊蔵!<つづく>