2009-06

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第6回カフェカブパーティーin京都・見学記(4)

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時刻がお昼近くになってようやくtakeさんはエントリー受付を済ませ会場内へと入る事が出来た。係員による愛車とのデジカメ撮影の後、愛車スーパーカブ90カスタムを手押ししてカブ達の並ぶ列へと駐車した。
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takeさんは254番でのエントリー。やれやれようやくこれで一息だ。カブオーナー達の願いが天に通じたのか天候はこれ以上に無いというくらいに晴れて日射しも強くそしてとても暑かった。
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時刻はもうお昼になるというのに、まだまだ会場入りを待つカブオーナー達で七条通は一杯だった。予想を越えてオーナー達が詰めかけた為、イベント主催側の対応が遅れている。七条通の歩道もカブオーナー達の列が明らかに歩行者の通行の妨げになっている感じがしたので、この回以降のカフェカブパーティー開催にあたっては入場方法に何らかの変更やイベント主催者側の対処方法に対して考慮が必要になって来るだろうと思った。
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会場内では続々とエントリーしてくるスーパーカブを見つめるオーナー達でひしめいていた。荷物を満載して遠方から駆け付けた人や、長期間かけてコツコツと手を加えてカスタムした自慢のカブを持ち込む人、たまたま京都市内をカブに乗っていてこのイベント会場の前を通り掛かり『一体、何やっとるんかいな??』と思わず会場に迷い込みエントリーしてしまった地元のオッサンらしき人もいた(笑)
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スーパーカブをベースにカスタムした車両はバイクに興味が無い人が見ても楽しめる。それこそ人それぞれ十人十色、一つとして同じカブは無い。オーナーひとりひとりの個性というものがカブに表現されていて見ているととても面白いのだ。こうしたカスタムベースとしてスーパーカブが人気が高い訳はベース車両の安価さもさることながら、カスタムパーツがそれこそ無数に販売されているという事もある。しかもそれらパーツもそんなに高価なものではないので、気軽に自分流のカスタムをして楽しめるのである。自分の好みのカスタムパーツが無い場合は自分で作ってしまうという人さえいる。会場内に並べられていたカブの中にはこんなカスタムも。
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日本が世界に誇る偉大なスーパーカブを“和”という表現で仕上げた見事なカスタム(笑)その完成度は素晴らしいの一言。そしてどことなくユーモアさも醸し出している。細かく見ていくと実に手が込んでいる。
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車体は木で作った様な柄で全塗装され、シートは何と“畳”で表現されている!う~む今まであるようで無かった和風カスタムに伊蔵は思わず唸った。
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カブの特徴である泥はね等の汚れから足元を守る“レッグシールド”部分は“襖(ふすま)”で表現。その裏地も壁紙でキッチリ貼り込みがなされていた。
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またキックペダルとステップ部分、それにリアサスペンション、マフラーの表面はそれぞれ“竹筒”で包んであるという凝りよう(笑)。小さな“和傘”がオブジェとして飾られていた・・・。ここまでひとつのテーマにこだわったカスタムは素晴らしい。しかしマフラー部分の竹は焦げてしまわないのかちょいと心配・・(笑)。このこだわりのカスタムの出来映えに案の定この和風カブは会場のカブオーナー達の人気投票で賞を受賞していた。
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受賞時にこの和のテイストあふれるカブのオーナーの方は作務衣姿に手拭いを頭に巻いた出で立ちでステージ上に登場。受賞の挨拶時の司会者のインタビューではこのオーナーさんは仕事の合間を使ってはコツコツとこの和風カブを仕上げていったとの事。そのカスタムの傾向からこのオーナーさんの仕事は和室の建具等を造る職人さんかと思われたが全然違うお仕事をしている方らしい(笑)実に外人ウケしそうな“純和風侘び寂びカスタム”であった。

上のカスタム例とは逆にスーパーカブにちょっと手を加えるだけで随分と格好良く仕上がるという良い例のカスタムがこれ。
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黒色に全塗装した古い型のカブだがサスペンションをわざとローダウンさせ、リアキャリアを外しているというだけなのだが見た目随分違った印象を受ける。こりゃえらく格好いい。
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ひとつのテーマに沿ってとことん手を加えたカスタムもそれはそれなりに良いが、この様に少しだけ手を加えたシンプルでさり気ないカスタムもまた素晴らしい。街中を実際に自分が乗って走るにはさり気ないカスタムの方が無難というところだろう。このカブは古いモデルのカスタムでハンドル部が現在のカブとは異なり、鳥が羽根を広げた様に上を向いている。この点がサスペンションのローダウンと相まって格好良さを引き立てていて、車体はどこをどう見てもカブなのに、何となくアメリカンテイストな印象を見る人に与えるという絶妙なカスタムだ。
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和風カスタム、アメリカンときてお次はブリティッシュテイストなカスタム。とにかくカラーコーディネートがとてもいい。車体はダークグリーンの全塗装。とにかく綺麗。チョコレート色のシートや小物がアクセントになってとても全体的にシックでジェントルな印象の一台。リアキャリアに置かれた木箱がこれまた良い感じを醸し出している。このカブはホンダの技術者の方が一押しで推薦して見事入賞していた。

まだまだ紹介したいカスタムカブが沢山あるのだが、とても書いていると切りが無いので伊蔵が気になったカブのみの紹介にさせていただいた。<つづく>


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第6回カフェカブパーティーin京都・見学記(3)

カフェカブパーティーのイベント会場である京都の『梅小路公園』にはtakeさんと伊蔵が到着した後にも続々とスーパーカブのオーナー達が詰め掛け、順番待ち列の最後部へと並んでいた。会場内の広場をチラリと見てみるとすでにかなりの台数のカブが並んでいた。今日一日でどのくらいの数のスーパーカブが全国からここに集まって来るのか予想が付かない感じだった。
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会場である広場へ入るにはこの列に並んで順番を待ち、受付用紙に必要な記入事項を書き込みエントリナンバーを受取ってイベント係員の方に愛車と一緒にデジカメで撮影してもらってからの入場になるようだ。まだまだ随分と時間が掛かる様であったがtakeさんは以前から知り合いのカブ仲間と楽しく談笑していたのでさして待ち時間は苦にならない感じだった。そこで伊蔵はtakeさんの許可を得てひと足先に会場内へ入ってみる事に。
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会場である広場にはすでに何台ものカブが整然と列を成して並べられていた。オーナーひとりひとりの個性が光るそれら何十台ものカブを大勢の人々が見入っているのだった。
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オーソドックスなカブをはじめとしてカスタムし尽くされて元の形を留めていないようなカブやヴィンテージ物といってもよい古い型のカブ、街乗り系のリトルカブ、MD系(郵政カブ)やCT系(ハンターカブ)、カブ系エンジンを積んだモンキーやSolo(ソロ)といった車種も多く見かけた。
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またタイ・ホンダ製の排気量の大きいカブ(いわゆるタイカブと呼ばれる車種)の姿もかなり見かけた。これは『Wave(ウェイブ)』と呼ばれるタイでの“走り屋タイプ”に分類されるカブで足回りもフロントにテレスコピックサスとディスクブレーキで完全武装。排気量も125ccあるのでこいつはめっぽう速い。走り重視のスクーターとビジネスバイクであるカブがうまく融合した感じの仕上がりになっている。これとは逆にビジネス系タイプのものは『Dream(ドリーム)』という名で販売されている。
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原付50ccカブもちらほら見かけたが会場で一番圧倒的に多いのは90cc、もしくは50ccからボアアップしたイエローナンバーのカブだった。これは日本の道路事情や道交法に照らしてみるとやはりこの排気量クラスのカブが最も走りやすいからであろう。
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今回のカフェカブパーティーで訪れたカブオーナー達が最も注目しているのがスーパーカブの新型車『スーパーカブ110』だった。
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発売前のこの日(6月19日発売)、この京都ではこの一台しかないという『スーパーカブ110』が会場内に展示されていた。それだけでなくこのカフェカブパーティーのイベントの為にわざわざ本田技研からスーパーカブ110の開発に携わった技術者の方が一人ゲストで会場にやって来ていた。この新型車は当然カブオーナー達の注目度が高かった。
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スーパーカブ90の後継車種として開発された『スーパーカブ110』。一見これまでのスーパーカブと変わらない様に見えるが細かな点をじっくり見ていくと結構新しくなっている。すぐに気が付く点はフロントサスだろう。これまでのカブのフロントサスは郵政カブやハンターカブを除いてはすべて“ボトムリンク式”のサスペンションだったが、この新型車は先に紹介した“タイカブ”同様のテレスコピック式サスペンションに変更されている。
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また燃料タンク増大に伴いシート下の形状も随分変わっていて、これまでのカブではサイドカバーは別体だったのだがカブ110ではボディーと一体化された。結果シート下が何だかボッテリとしてしまう結果に・・・この辺を洗練され格好良くなったと見るか、逆に野暮ったくなったと見るかは人それぞれだろう。
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その他にもランプやウインカー形状やメーター回り、スイッチ類の配置の変更、チェーンケースの樹脂化など細かな点がこれまでのカブとは変わっている。エンジンやマフラーにも環境に配慮した技術が加えられている。

タイカブほどデザイン面や技術面において劇的な進化を日本のカブオーナー達は求めてはいないという事情を十分HONDA側も販売や開発の考慮に入れており、その新型車開発は多分困難を極めたろうと思われる。スーパーカブの販売開始からすでに半世紀以上。デザイン面・技術面ですでにある意味、いじる部分が無い程までに完成され尽くしてしまっているスーパーカブを時代や環境に合わせてあえて新しいカブとして開発し、売れる形で販売しなければいけないというメーカー側の産みの苦しみというものがこの『スーパーカブ110』を見れば見るほど何となく伊蔵には理解出来るのであった。<つづく>


第6回カフェカブパーティーin京都・見学記(2)

takeさんと伊蔵はカブ90にタンデムし大阪市街を国道1号線(京阪国道)で京都へ向けて走行中。久しぶりのタンデムだ。以前に岐阜県の荘川への旅に向う途中、蛭ヶ野高原の峠道を登って以来だろう。久々に座ったので短時間で尻が痛み出してきた。しかし朝の涼しい風を全身に受けながらの走行は実に気持ちが良かった。心配していた天候も今回は二日とも晴れた。これまでの旅では必ず二日目に雨が降る為に皆から“レインマン(雨男)”のレッテルを貼られていたtakeさんだったがこれで汚名返上といったところか。日射しも次第に強くなってきた。今日は暑くなりそうだ。

マフラーから小気味良い爆音を轟かせながらスーパーカブ90カスタムは守口市内へと入り国道1号線をひた走る。takeさんの駆るカブ90カスタムの変速機は常時噛合式三段リターンだが考えていたよりも三速の伸びが結構良い。三速でスロットルを吹かし続ければ二人乗りでも何とかクルマの流れに付いていける。しかし無理な運転は禁物なのでつとめて安全運転で走行。次第に国道の交通量も増えてきたようだ。ここで一旦給油の為、ガソリンスタンドへ立ち寄る。takeさんは昨日名古屋を出発してからここまで無給油だったのだ。

タンデムして運んでくれるお礼に帰りのガソリン代は伊蔵が全額を持つ事にしたのだが、このガソリンスタンドでの給油量はわずかに3リッター弱。料金は300円ちょっとであった(笑)驚くべき超低燃費車という事を思い知らされた一瞬であった。“低燃費少女ハイジ”もカブの超低燃費さにはびっくりだ!
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二人乗りをしているので一人で運転する時よりは燃費は落ちるだろうが、まぁ満タンにガソリンを入れたとしてもカブの燃料タンク容量は4リットルしか入らない。ガソリン代はいずれにしてもかなりお得だ。給油を終え、スタンドで二人して腰を伸ばしたり肩を回したりして身体をほぐした後、再び走りはじめた。

突然takeさんが前方右手に見えてきた一際大きなビルを指差し、

『伊蔵くん、あれが三洋電機の本社だよ』

と“東京だよおっかさん”的なガイドをしてくれた(笑)三洋電機本社前を通過し、少し走ると今度はパナソニックの本社工場も見えてきた。takeさんは何度か名古屋~大阪間をカブで往復した経験があるのでガイドも手慣れたものだ。やがて国道1号線は大きな道へと変化し、淀川沿いを平走する形になった。takeさんに言わせるとこの辺りの走行はクルマの交通量も多く非常に危険で運転に神経を使うそうだ。

寝屋川市、枚方市を通り抜け八幡市で木津川を渡った。ここら辺りから走行中にtakeさんと伊蔵と同じようにカフェカブパーティーへと参加するらしいカブを何台か見かけるようになった。みんな京都を目指しているのだ。木津川を渡り終えると国道1号線は北へ向う進路に変わった。このまま真直ぐ進めば京都市内の南区九条町にある『東寺(とうじ)』に達するはずだ。そこまで辿り着ければカフェカブパーティーの開催場所である『梅小路公園』はもう目の前だ。
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takeさんと伊蔵は順調に道を進んで『東寺』の西南角の交差点に辿り着いた。しばらく巨大な『東寺』の背の高い土塀沿いに東へ進み、塀が切れる場所を左折して北へわずかに進むとJR線を跨ぐ高架橋があるのだが、ここで我々はなぜか高架を跨がずに進んでしまった為に少しばかり迷ってしまった。
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しかし迷いつつも何とかイベント会場の『梅小路公園』に無事に到着した。午前10時過ぎに到着したので大阪から約1時間半強で到着といった感じだろうか。
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第6回カフェカブパーティーの会場へはすぐには入る事が出来なかった。なぜなら会場の公園内へ向うカブと株主達が手前でイベントの受付待ちをしていたからだ。その行列は公園前の七条通の大通りまではみ出して長い行列となっていたのだった。予想を上回る参加者が集まっているらしい。takeさんと伊蔵は列の最後尾にカブを停車して順番を待つ事になった。<つづく>



第6回カフェカブパーティーin京都・見学記(1)

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『HONDAスーパーカブ』。これまでおよそ人が造り上げてきた工業製品の中で移動を目的とする車両において、このスーパーカブほど生産台数が多いものは他にはない。生産が開始されてから50年で実にその台数は累計6000万台を超える。これは世界最多量産、販売台数である。

老若男女誰もが簡単に乗れて価格もリーズナブル。それに故障知らずのタフで超低燃費なエンジン。ちょっとした近所への買い物の足としてだけでなく、ビジネスシーンにおいても出前や新聞配達をはじめ、郵便局員や銀行員がスーツを着たまま乗っても寺の坊さんが袈裟を着たまま乗ってもサマになり、それだけでなく長距離のツーリングまで難無くこなしてしまうその使い勝手の良さと堅牢かつ頑丈さ。日本が世界に誇る偉大なビジネスバイクのベストセラー、それが“スーパーカブ”だ。

2009年6月14日の日曜日京都市内、JR京都駅から西へ少し行ったところにある梅小路公園においてそのスーパーカブを愛してやまない“株主(オーナー)”達が集うイベント『カフェカブパーティーin京都』が開催された。このイベントは今回で6回目を数える。残念ながら伊蔵自身はカブ乗りではないが、友人のtakeさんはカブのオーナーである。このイベントに一度出向いてみたいと彼は常々考えていた様だ。伊蔵も一度見てみたいと思っていたのでいつもながら旅に出るという決定だけは速く出掛ける事に決めた。最初伊蔵はイベント開催の当日に列車を利用して京都まで出向き、名古屋から京都までカブで自走し来るtakeさんと会場で落ち合おうかと考えていたのだが・・・ある日いつもの様にtakeさんの店で飲んでいると、

『伊蔵くん、どうせなら前日に前乗りしてひと足伸ばして大阪見物でもどうだね?』

という悪魔の囁きが!こういう甘い誘いに魂を売ってしまうのが伊蔵なのであった(笑)takeさんの計画はこうだ。前日の土曜日にtakeさんはカブにて名古屋・大阪間を自走し大阪入り。伊蔵は列車で大阪入りして市内にて落ち合う。この二人が集まれば大阪の夜は“喰いだおれの飲み倒れ”必至である(笑)。イベント当日の日曜日は大阪市内から京都のイベント会場までtakeさんのカブのリアシートに伊蔵は乗っけてもらい、タンデムにて移動するというものであった。う~む何とも魅力的な旅のスケジュールではないか・・・。早速即決しtakeさんの店のパソコンで二人して大阪の宿を決めて予約を取り付けたのだった。宿は大阪におけるtakeさんの定宿『スーパーホテル大阪・天王寺』である。

※このレポはカフェカブパーティーのイベントの様子に絞り込む為、前日の大阪市街でのレポは別の機会に報告させて頂きます。
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前日は大阪の夜を十二分に満喫したtakeさんと伊蔵。『スーパーホテル大阪・天王寺』で早めの朝食を摂った後、しばらくの休憩を挟んで午前8時30分にホテルを出発することに。

90ccのエンジンに火が入り大阪の日曜日の朝の静けさを打ち破るかの如く、takeさんのスーパーカブ90カスタムに装着された“ナナカンパニー製NA-01ロングマフラー”からけたたましくも低い爆音が辺りに響き渡り、いやが上にもこれからの旅程への高揚感がさらに盛り上がりをみせ、この時の二人は極度の興奮状態にあったといってよかった。朝の大阪谷町筋をタンデム走行で北へと向かい、大阪城に近い大川に架かる天満橋を渡って東天満交差点から国道1号線へと合流。一路京都へ向ったのだった。<つづく>



南信州・伊那谷へ・最終回/その12・養命酒の故郷(5)

『養命酒健康の森記念館』を一通り見て回った後、アキラ氏と伊蔵は森に囲まれた工場敷地内を一周する道をクルマで回ってみる事にした。
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この工場が建っている場所は環境が良い場所の為か、太古の昔から人が住んでいたようで敷地内の至る所に竪穴式住居の遺跡が遺っており、その住居も綺麗に復元されて見学が可能になっている。
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工場敷地内の森林に囲まれた道を斜面に沿う形でどんどんクルマを進めると工場を下に一望出来る頂上に到着した。この場所には『養命酒』の創業者である飼いの牛に跨がり生薬を求め山野を巡る『塩澤宗閑(しおざわそうかん)翁』の像がある。
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彼がどのような経緯で養命酒の製造を始めたのかについては次の様な逸話が残されている。伊那谷の庄屋である塩澤家の当主、宗閑はある雪の降る日にある行き倒れの病人を助けた。宗閑の介抱の甲斐もあり、その病人は全快したが、その後も塩澤家の食客という形で約3年間程世話になっていたという。
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3年の後、行き倒れていた自分を助けてくれた慈悲深い宗閑に対し、御礼という形で薬酒の製法を伝授したのだという。それが『養命酒』の原点という事らしい。伊那谷には薬酒を造る為に必要な各種の薬草が豊富に存在していた。それに宗閑に助けられたこの人がたまたま“本草学”(ほんぞうがく/今でいう薬物学者)に通じていた人であったらしく薬酒の製法に詳しかったのだった。
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宗閑はその後、この薬酒を広く人々の健康と長寿の為に役立てようと考え、自ら牛に股がって日夜山野を巡り薬草を採取しては薬酒造りに励んだ。この薬酒を『養命酒』と名付けたのは1602年(慶長7年)の事であった。

養命酒創製の話は聞いてみるにつけ半ば伝説化、もしくは昔話のようでもある。上記の逸話が事実なのかは分からないが創業四百年という事は紛れもない事実。日本の企業の中でもかなり永い歴史を持つ会社であろう。現在の『養命酒製造株式会社』の代表取締役社長も宗閑の子孫である塩澤さんである。

塩澤宗閑翁の像の基壇には以下の言葉が刻まれている。
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“養命酒の創始者 塩澤宗閑翁 
世の人人の健康長寿を希い 手飼いの牛に跨がって 
深山幽谷を跋渉し 薬草を採取して 養命酒を創製した”
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創業者の目指した理念が四百年後の現代まで脈々と受け継がれているというのはやはり凄い。この日はたまたま天気が悪かったが、小雨に煙る深い森林の前に立つ塩澤宗閑の像はとても神秘的に見え、まさに深山幽谷を巡って薬草を取っているという感じがとても滲みでていて良かった。

たまたま旅に出る前に知って訪れた『養命酒駒ヶ根工場』ではあったがかなり楽しめた。我々の南信州伊那谷の旅も終わりに近付いた。相変わらず天候は一向に好転しないが駒ヶ根インターを目指して帰途についたのだった。<完>

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◆養命酒駒ヶ根工場/健康の森
・住所/長野県駒ケ根市赤穂16410
・電話番号/0265-82-3310
・工場見学/9:30~16:30
(30分間隔毎見学開始・所要時間約30分)
・健康の森
 記念館、カフェ及び自然散策はいつでも自由に利用可能
 営業時間/10:00~16:00(年末年始を除き無休)
・ホームページ
 http://www.yomeishu.co.jp/


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プロフィール

伊蔵

Author:伊蔵
伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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