2010-01

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ふたり大阪・食い倒れBluse/その11・立ち飲みホルモン『マルフク』(1)

takeさんと伊蔵は西成区のドヤ街が建ち並ぶ筋を歩き、堺筋の大きな通りに出た。出てみたものの目指すホルモン屋の場所がはっきりしない。しばらくまた辺りをウロチョロする。右手の大きな交差点は『太子交差点』でJR大阪環状線の『新今宮駅』と阪堺電軌阪堺線の『南霞町駅』が交差して立地している。地下には地下鉄御堂筋線の『動物園前駅』がある。
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この大きな太子交差点を少し西に向えば、この地区の多く住む日雇い労働者の人々が早朝から仕事を求めて長蛇の列をつくるという『あいりん労働者福祉センター』の無機質なコンクリート製の建物がある。

ホルモン屋の住所によると太子交差点付近だという事が分かるのだがなかなか見つからなかった。取りあえず交差点から堺筋を南へ向かって歩いてみる事にした。

『おお!伊蔵くん!あったぞ!』

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歩いていたtakeさんの指をさす方向に小さいながらもそれでいて派手な赤い店舗が見えた。これがこの西成区でもかなり有名なホルモン屋『マルフク』さんである。真っ赤な外壁に黄色の看板とテント・・店の間口は狭いがかなり目立つ店構え。この『マルフク』さんの飲食のスタイルは大阪の飲食店のよくみられる形態、いわゆる“立ち飲みスタイル”であった。勿論どのメニューも低価格(大体一品100円~200円くらい)なのは言うまでも無い。
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シャッターを開け放った店内にtakeさんと共に入るといきなりカウンター(笑)。カウンター沿いに並ぶ客層は皆ひと癖ありそうな関西のおっちゃんばかり。若い大将がカウンター越しの大きな鉄板の上で両手にヘラを握り『カッカッカッ・・カシャンカシャン・・カッカッ・・・』とリズミカルにホルモンを転がしつつ焼いている光景が何とも言えず良い。焼き上がると丁寧にホルモンを鉄板脇に綺麗に並べる。
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焼き専門の若い大将と年老いたおっちゃん二人がカウンター内で作業していた。takeさんに言わせるとこうしたお店ではちゃんと役割分担が厳格決まっているものであり店の奥の客から見え無い厨房部でも内臓部位を細かく仕分ける人達が居るものだよ・・と話してくれた。

taakeさんと伊蔵はカウンター角に場所を決めカウンターに肘を置きまずはビールを頼む事に。ビールはこの『マルフク』さんでは通称“赤”と称されるアサヒの生スタイ二ーボトル。勝手に店頭隅に置かれている冷蔵庫から取ってやってくれと言われtakeさんが二本用意してくれまずはラッパ飲みで一杯(笑)。ビールで喉を潤してしみじみと思ったが伊蔵はこういう立ち飲みスタイルの飲み屋で飲むのは初めてである事に気が付いた。立ち食い蕎麦は度々あるけどな。ちょっとした関西の飲食カルチャーショックを受けているとtakeさんが早々とお店の大将に注文をしていた。
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豆腐のパックの様なプラ製の器にまず盛られて来たのは『豚足の煮込み』で200円。これを二人で分けて食べる。かなりトロットロに煮込まれており丸ごとパクつけばホロホロ・・・とすぐに身が骨から剥がれ落ちる感じ。しかもその身はブルブルルン・・・とした震える様なゼラチン状で口の中で適度に躍り、そして溶ける。ほんのりと甘辛い味付けがこれまたいいのだ。口の中で骨と身を剥離させポロポロ・・と骨のみをプラ容器に排出しつつスタイ二ーボトルのビールで口の中を洗う様に湿らす。この一連の作業を真っ昼間に行なっているというある種の優越感を(極々小さな優越感であるが・・)西成区の小さなホルモン屋で味わっている我々二人なのであった(笑)。<つづく>





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『一宮会』

大阪のレポの途中ですが別のお話を挟ませて頂きます。
先週のとある日の事だった。伊蔵のケータイにメールが!

『伊蔵、999(銀河鉄道)に乗りなさい』

おお!伊蔵の飲み仲間“メーテル”ことAさんからのメッセージだ。メッセージの内容は一宮市で飲み会をやるからアキラ氏を誘って来なさいとの事であった。そういえばAさんと年末に一緒に飲んだ時に一宮で飲む話をしていたのを思い出した。

1月23日土曜日の午後6時に一宮駅前で待ち合わせる事になっていたがアキラ氏、伊蔵ともにこの日は出勤日であった為、遅れるのが確実だった。先に始めていて欲しいと伝えておいた。当日はアキラ氏の愛車“ホワイトベース”で一宮市へ。
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そして約1時間遅れで一宮駅前に到着。Aさんが指定したお店は駅前ロータリーから細い路地を少し入った場所にある極々普通の佇まいの居酒屋『鵜かい』さん。Aさんの会社の同僚の方々と何度か活用しているお店だという。早速アキラ氏と伊蔵は『鵜かい』さんの戸を開けて店内へ。

店内は向かって左側にカウンター席、右側にはテーブル席が並んでいて結構広い。大将と奥さんとで切盛りされているようだった。一番奥のテーブルを幾つかくっつけてAさんとその同僚の方々がすでに宴を始めていた。ん!?・・・あれは・・・テーブル席に見覚えのある男性が!

『ドウモ!!』

おわっ!女性4名に囲まれて満面の笑顔で我々に声を掛けて来たのはなんと“たいがぁ氏”であった(笑)。虎は千里を走って一宮までわざわざやって来たらしい。『一宮会』と名打たれた今回の飲み会のメンバーは結局女性四名、男性三名の計七名だった。

テーブル席につくと宴が始まってすでに小一時間が経っているのでいくつかの料理が並んでいる。アキラ氏と伊蔵はそれらから早速頂き始めた。『鵜かい』さんのお店のお品書きには本日のおすすめ品をはじめ、極々普通の居酒屋によくある品揃えといった感じだった。

メンバー七名での宴はかなり賑やかなものだった。とにかく女性陣が元気で話は止めどないしお酒は飲むしとある意味“飛んで”いた。次から次へと話が脱線してはまた繋がったりと聞いている我々は少々疲れてしまった程(笑)。お酒はビールからスタートしやがて何故か冷やの日本酒方面へと変わっていった。『鵜かい』さんで出された小さなボトルの生貯蔵酒は『菊川』という名だった。
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とかく日本酒は口当たりがよく飲みやすい為、メンバーみんなは話の盛り上がりとの相乗効果でどんどんボトルを空けていき、宴の終わり頃にはこんなに空けていた・・・。
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しかもいつの間には枡酒まで飲んどるし(笑)かなり飲んでしまった・・・。これが今考えると良くなかった・・・。その後楽しい時間はあっという間に過ぎ去り宴はお開きとなったが『鵜かい』さんの店を出てからの伊蔵の記憶は断片的にしか残っていない。一宮が地元であるアキラ氏はそのまま歩いて帰宅、Aさんとたいがぁ氏とは一宮駅の改札口で別れたのはうろ覚えだが記憶に残っている。

そこから以降の伊蔵の記憶は完全に消えていた・・・

どれだけの時間が経っただろう・・・伊蔵は駅に停車していた列車の中でハッと気がついた。頭が重い・・明らかに飲み過ぎだ。ここは一体どこだろう・・・。どうやら列車は終点駅に到着したらしい。ホームに降り立つと名鉄の駅には間違いなかったが駅近くの街並は全く伊蔵が見た事の無い光景であった。とにかく改札口で精算を済ませ真夜中の駅前のロータリーに降り立ち駅舎の駅名を確認して伊蔵は自分の目を疑うと同時に驚愕した!







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『ななな、なにぃ~!知多半田駅・・・・!?』

う~む久々にやっても~た・・・。伊蔵の計画では一宮駅から木曽川を越えて一旦岐阜駅を経由し各務原線で犬山方面へ帰る予定だったのだが・・・どうやら名古屋方面へ向かう列車に乗ってしまったらしい。知多半田は知多半島の付け根からさらに南へ少しいった場所である。伊蔵の自宅からはかなり離れている。

名鉄知多半田駅前は真っ暗でタクシーを待つ人が数人いるだけ。これは困ったぞ。困った伊蔵を追い討ちをかける様にさらに驚愕の出来事が!

ケータイが無いのである!全くどこで落したのか記憶にない。しかも酔ってケータイを紛失したのはこれが初めてではなく二度目。伊蔵はホトホト自分に呆れ返るとともに途方に暮れた。前回は警察に紛失届を提出し、携帯電話会社で自分の携帯の全ての機能をストップするロックをかけて貰ったりと擦った揉んだしたが無事に出て来たので良かったが同じ過ちを二度もしてしまうとは・・・情けない。すぐにでもこの件について対処したかったのだが身体がいう事を効かなかった。

しかし半田まで乗り過ごしてしまうとは。タクシーで帰ろうかとも一瞬思ったがそんな勿体無い事も出来ない。ここは半田だし(苦笑)。半田からタクシーで帰ったらいくらとられるか分かったものではない。伊蔵はこの見知らぬ街で一夜を過ごす事にした。
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幸運にも名鉄『知多半田駅』前に『名鉄イン知多半田駅前』という名鉄が経営するビジネスホテルがあった。伊蔵は情けないのと困ったのと酔っているのとでフラフラとした足どりでホテルへと向かった。今はとにかく早く床につきたい。その一念だけが伊蔵を突き動かしていた。
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フロントでは綺麗なおねえさんが丁寧に対応してくれた(こういう記憶だけはハッキリしているのも情けないが・・)。どうやらシングルの部屋が空いているらしい。朝食付き一泊で6,500円。痛い出費だが半田から岐阜までタクシーで帰るよりはマシだろう。おねえさんにチェックを済ませて貰うとエレベーターで8階に用意された部屋へと伊蔵は向かい、部屋に辿り着くとそのまま泥の様に寝てしまった。

翌朝は朝食を食べる元気も無くチェックアウト午前10時ギリギリまで部屋で休んでから帰宅する事に。急行列車に揺られていると気分が悪くなってしまった。まだ昨晩の酒が残っているようだ。名古屋駅で一旦列車を降り、冷たい缶コーヒーを胃に流し込むと幾分気分の悪さは収まった。

かなりの時間をかけて自宅に戻った伊蔵は早速紛失したケータイの捜索作業に掛かった。どこで落したのか全く記憶に無いがとにかく一宮~知多半田間の名鉄沿線で無くした事は確実だったので『名鉄お客様センター』に電話をかけ自分のケータイの特徴と列車に乗ったおおよその時間や駅名を伝えるとオペレーターが名鉄全駅の紛失物検索を掛けてくれた。以前にケータイを紛失した際もこの方法で見つかったのだった。

わずか数十秒の検索時間の後、ケータイは無事に見つかった。どこで保管されているのかを聞いてみると名鉄名古屋本線の『鳴海駅(なるみえき)』だという。まぁ無事に見つかって良かった。鳴海駅の電話番号を聞き電話をかける。

鳴海駅の駅員さんに改めてケータイの特徴を伝えるとどうやら自分の物に間違いないようだった。鳴海駅から犬山駅まで列車を使って搬送してくれるという。それから1時間半ほど経ち、今度は犬山駅から自宅に電話が入り無事にケータイが到着したので受取りに来て欲しいと連絡がきた。それから犬山駅まで伊蔵は出向き無事に自分のケータイと目出たく再会となったのだった。

酒を飲む時はケータイはやっぱり首から下げておくかなんかしないといかんなと改めて思った。ケータイを無くすとホント大変だし。改めて日本酒という酒は飲み方が難しく油断が出来ないと思った。

はからずも伊蔵の2010年最初の一泊の旅がこのような形で始まろうとは当の本人も全く予想出来なかった(笑)。ホントは一宮で楽しく飲むだけの晩だったはずなのに…そんなこんなでとても忙しい土日でした・・・。

ふたり大阪・食い倒れBluse/その10・異界西成区へ

『ジャンジャン横丁』は数百メートルも進めば終わってしまう。目の前を塞ぐようにJR大阪環状線の高架が現れる。ちょうどこの辺りが浪速区と西成区との境界になっている。JRの高架下には狭い通路があり、暗い口を開けて向こう側へと誘っていた。この狭い通路の向こう側は大阪市内の中でも最も治安の悪い場所として知られている西成区である。お目当てのホルモン屋はこの西成区の太子一丁目という場所にあるらしい。
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とにかくtakeさんと伊蔵はジャンジャン横丁から西成区へと続く高架下の通路を歩いて行った。そこでは怪し気なおっちゃん達が露店を開いていてこれまた随分怪し気な商品(衣類をはじめ雑貨品、ビデオやDVDなど)を販売している。多分この場所で物を販売する事自体が違法なのであろうが、そんな事は浪速のおっちゃん達には関係が無いようだった。
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おっちゃん達が販売している物品はどれをとっても怪しい物ばかりで、一番『こりゃどうみてもおかしいやろ・・・』と思ったのが2009年6月13日、つまり本日公開の『ターミネーター4』のDVDがすでにこの高架下で販売されていた事だった(笑)。これにはtakeさんも伊蔵も空いた口が塞がらず失笑。浪速のおっちゃんの商人魂は実に凄まじい・・・。
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高架下の怪し気な露店を見ながら歩き抜けるともうそこは西成区。どことなく目の前の街並の“寂れ具合”が一見して増したような感じが・・・。正面に国道43号の大きな通りが東西に走っている。その通りの正面向こう側に新たな商店街の入口が見えた。取りあえず横断歩道を渡り商店街の入口へ。この辺りは治安が悪いと聞いていたが昼間の光景はなんら普通の街はずれの寂れた商店街の風景と変わりが無いように見えた。
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それは『飛田本通商店街動物園前一番街』という商店街の入口であった。この商店街をしばらく真っ直ぐに歩いて東に少し入った所がかつて飛田遊廓があった場所。遊廓が全盛の頃はこの商店街も随分人で賑わっただろうが今見る限りこの商店街は人通りもあまりなく、寂し気というよりも西成区にある商店街という先入観が先に立ってしまうからなのかこの静けさの中にある種の不気味さを感じてしまう。

takeさんと伊蔵が目指すホルモン屋はすぐには見つからず、しばらく二人で辺りをウロウロする羽目になった。住所は分かっていたので携帯を駆使しつつ場所を探した。どうやらこの商店街よりもう少し西寄り方向へ歩かねばならない事が分かり、商店街を入って一筋目の道を右折した。
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その道に入ると辺りは“ドヤ”(簡易宿所)が建ち並ぶ通りだった。いわゆる“ドヤ街”である。西成区内の通称“あいりん地区”の周辺にはその日その日を生きていくにもギリギリの生活を余儀なくされている日雇い労働者の方々が多い為、こうした低料金で宿泊可能な宿が集中して建っている場所が多い。数百円から高くても二千円もあれば宿泊出来てしまう。
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元々マンションだった建物を宿に改修したのか一見外から眺めると立派な宿に見える。しかし成りは立派に見える宿だが勿論食事は付かない。宿泊費が数百円という部屋は風呂・トイレ、冷暖房・テレビも無く、きっと畳三畳一間程の部屋で寝るだけのスペースしかあるまい。かなり安く宿泊出来るという事で最近では外国人バックパッカーにこうした宿は人気なのだという。

伊蔵もかつてJR京都駅付近に多数存在する数々の安宿に泊まった経験がある。木造の今にも崩れそうな古い木賃宿の一泊500円の部屋に泊まった。狭くて軋む階段を上がった二階の一番奥の部屋だった。薄暗い廊下沿いには非常に狭い間隔でいくつかの部屋が並んでいた。通された部屋はやはり三畳間。布団が置いてある以外何も無い部屋だった。明かりは小さな蛍光灯が一つオマケ程度に付いているのみ。食事・冷暖房・テレビ無し、トイレは共同。風呂も無い(風呂は宿近くの銭湯へ行くように薦められる)。

伊蔵がこの宿に泊まったのは折しも寒さ厳しき冬。京都盆地の冬の寒さは身に堪えた。部屋の中でも吐く息は白く、布団に包まっていてもガンガンに底冷えする。寒さをしのぐ為に持参していたステンレス製のスキットルに入った“スミノフ”というウォッカをストレートで喉に流し込んでは寒さを耐えていた。この当時の伊蔵はノイローゼ気味で酒の飲み方は今現在とは違いかなり悪かった・・・グラッグラに酔っては我を忘れてしまうくらいに飲むような常に自虐的な飲み方ばかりしていた時期である・・・。

ドヤ街を歩きながらそんな事を思い出した。takeさんと二人そんな中、西へと歩いていると突然、

『うぉ~~~い?!・・ふぁふぁはぁ~い・・』

と叫ぶ声が!ドヤ街の路地裏に作業服やジャージに身を包んだ労働者風のおっちゃん数人が路上に座り込んではたむろして、しかも酒に酔っているらしくへべれけになりながら歩いていた我々に野次を飛ばして来たのである。我々は一瞬身構えたものの無視しつつ歩き続けたのだった。やはりここは日本最大のスラム街である事を改めて思い知らされた一瞬であった。昼間はこの程度で済むもののこの周辺での女性の一人歩きは出来まい。いついかなる犯罪に巻き込まれるとも限らないからだ。

あいりん地区という狭い地域にひしめく日雇い労働者は三万人にもなるというがそれに対してあいりん労働公共安定所から一日に紹介される仕事の数はかなり少なく、とても全員に行き渡る事がないという。その為、仕事にありつく為には早い者勝ちであり早朝から安定所の前には労働者の行列が出来るという。当然その日の仕事にあぶれてしまい貯えの無い人達は食う物もなく泊まる場所も無い。

食べる物については慈善団体が頻繁に行われる炊き出しに頼ればなんとかなる。住む場所としてブルーシートで小屋を建てていればまだいい。小屋も無い人は必然的に路上でそのまま寝る形になる。この付近では真っ昼間から路上で倒れて寝ている人を頻繁に見かけるのである。
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またこの特殊な地区は他の場所に比べて物価が極端に低い。缶ジュースなどの自販機も50円で販売されていたり飲食店で出されているお品書きをみてもかなり低料金で食事が出来たりする。それでもお金を払って食事が出来ない人のために慈善団体が定期的に配給・炊き出し等を頻繁に行なっている。職を失い全国からこの地区へ流れてくる人も多い。その為、本来ならばこの地に流れて来たその人の住んでいた地方自治体が負担すべき生活保護費を大阪市が負担している形になってしまう為、これが大阪市の財政負担の増大の一因にもなっており問題視されている。

こうした無法ともいうべき特殊な地域ゆえに犯罪者が身を隠す格好の場所でもある。記憶にも新しい外国人英会話講師殺害事件のI容疑者もこの地区に流れて来て建設業の職を得ている。この地区周辺には暴力団事務所も多数存在し覚醒剤売買の取引きも頻繁に行なわれているらしい。また日頃の鬱憤がいつ労働者の“暴動”となるか分からない地区ゆえに(過去にも何度か暴動が実際あった)この地区を管轄する西成警察署の建物はある意味「要塞化」されている。

今の世の中いつ何時自分がこういう労働者と同じようになるか分からない。いや今の普通の生活を送る自分を含めた大多数の人々の生活と、この地でその日その日を必死に生きる彼ら日雇い労働者の人々との生活というのははひょっとしたら突き詰めて考えてみると実は同じなのかもしれないと思う事さえある。

◆長渕剛/カラス(You Tubeより)
http://www.youtube.com/watch?v=ZotzSr9f8I8

思わずこの曲のフレーズが伊蔵の頭に浮かんだ。現代に普通に生きる人々を都会に群れる「カラス」に例えている歌詞なのだが・・・。なんだかこの日本国内でも稀にみる特殊な地区が実は“日本の社会の縮図である”と多くの専門家や外人からいわれる所以がどことなく分かる様な気がした。<つづく>

ふたり大阪・食い倒れBluse/その9・新世界界隈・ジャンジャン横丁

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新世界の路地裏の大衆酒場『酒の穴』にて小腹を膨らせたtakeさんと伊蔵はしばらく辺りを歩き回ってみる事にした。
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新世界には様々な飲食店がひしめいているが中でも昭和初期に新世界で生まれたという“串かつ”を取扱うお店がやはり多い。すっかり『浪速の味』として定着しているこの“串かつ”。『串かつ振興会』に属しているお店も13店舗あって素材や衣、ソースも各店でかなり個性があるようだ。
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こうした飲食店の他、様々な娯楽施設もある。スマートボールというパチンコとピンボールを合わせた様な昔からの遊戯が楽しめる遊戯場があったり、小さな映画館もいくつかある。
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これはその映画館のひとつ『新世界国際劇場』。繁華街から少し外れた路地を入った場所にある映画館だ。昭和初期のモダン建築の姿をそのまま残すこの映画館。今では滅多に見られなくなった味のある手描きの映画看板が懐かしい。また大人一人千円で三本立て映画が楽しめるのも嬉しい。
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でも上映されている映画のほとんどは聞いた事も無いレアなB級映画ばかり(笑)。これはこれで逆に面白いかもしれない。この地下一階にも国際地下劇場という映画館がある。こちらは成人映画が上映されている。この国際劇場の他にも小さな映画館や大衆演芸場がある。
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こうした一見時代に取り残されてしまった感のある娯楽施設が新世界には沢山残っており、しかも普通に営業存続しているのは驚きである。施設の経営は苦しいだろうが、こうした娯楽を安く求める人達の需要がこの新世界周辺にはまだまだあるという事であろう。
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takeさんと伊蔵は新世界南側にあるアーケード街『ジャンジャン横丁』へ向かった。この通りは正式には南陽通商店街といってかつては新世界と飛田遊廓を結ぶ道筋にあたっていてかなり賑わったという。
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新世界周辺は昭和20年の大阪大空襲の際に被災にあって壊滅状態となった。戦後にこの地区で最も早く復興したのがこのジャンジャン横丁である。
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飛田遊廓が廃止されたので一時随分寂れたそうだが新世界の観光地化に伴ってこの横丁も随分賑わう様になった。アーケード街としては随分狭い道幅の通りで全長は180m程。その道沿いにはひしめく様に串かつやどて煮、ホルモンが味わえる様々な飲食店が並ぶ。当然それ目当ての観光客も多い。
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絵に書いた様な店構えに非常に味のあるホルモン屋、その名も『ホルモン道場』(笑)。
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これは大きな串かつ店『てんぐ』。同じ様な規模の串かつ店はこの他にも有名店『だるま』や『八重勝』等が並ぶ。『だるま』はこのジャンジャン横丁でも大人気で観光客の行列が出来ていた。こうした飲食店と一緒に軒を並べているのは大阪庶民特有の娯楽施設である。
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大阪のおっちゃん達が集う『王将』。囲碁や将棋など勝負事が好きなおっちゃん達が今日も沢山集まり楽しんでいる。
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こちらも同じ様な施設『三桂クラブ』。中は将棋をさすおっちゃん達で大盛況(笑)。将棋盤に目を落とすおっちゃん達は真剣そのもの。凄い熱気だ。takeさんと伊蔵はジャンジャン横丁のそんな光景を見ながら南へと歩を進めた。次に向かう先はこれもtakeさんが掴んだ情報、西成区にあるというホルモン屋へ向かう為だ。<つづく>


ふたり大阪・食い倒れBluse/その8・新世界・『酒の穴』にて(2)

新世界の大衆酒場『酒の穴』にて昼間からビールを飲む贅沢を味わうtakeさんと伊蔵。明るい内からビールを飲むのも少しばかり後ろめたい感じもあるが、大阪のおっちゃん達の大部分はそんな事は微塵も考えていない様に昼間から平気で飲んどる(笑)。
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『酒の穴』でまずtakeさんが注文したもの、それは“牛のレバ刺し”であった。小皿にちょうど良い量でそれは出て来た。ちなみに一皿250円!。トロリとした血の色が鮮やかなレバ差しである。塩胡麻ダレに刻み葱がかけてありおろし生姜がチョイとのせられていた。味は変な臭みもなくツルリ!と頂ける。

実のところ伊蔵はレバー系は火を通したもの刺しにしろ苦手なのだが、これは臭いもクセもないので普通に美味しく頂けた。次に串物やフライがいくつか食べてみたかった伊蔵はtakeさんにいくつかオススメの串物をを見繕ってもらい注文してみた。
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牛串、茄子、鱧フライである。串物はほとんど1本80円。特にこの鱧フライが絶品なんだよ伊蔵君!とtakeさん。『酒の穴』のフライの衣には長芋と砂糖が少々混ぜてある。こうする事により綺麗な揚げ色が付くのだという。

ソースはカウンター上にウスターソースとトンカツソースが二種類置いてあるので好みのソースを使用すればいいのだが、衣自体にしっかり味が付いているのでそのまま食べても十分美味しいし、塩を少し振り掛ければ甘さが引き立ってこれまた旨い。takeさんオススメの鱧フライも早速食べてみた。白身の魚のフライはやっぱり絶品!ビールが進む進む(笑)。
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串フライのハマってしまった伊蔵は立続けにレンコン(80円)、玉子(100円)を所望。玉子は串屋でよく見かける可愛いウズラ玉子が三つ程串に刺されたものではなく鶏の大きな玉子一個がまるごとフライとして揚げられて無造作に串にぶっ刺されてゴロン・・という感じで出て来たので驚いた(笑)。
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『バクダンだよ・・・伊蔵くん・・・』

takeさんが横で皿の上に転がる玉子バクダンを見ながら笑って解説してくれた(笑)。口を目一杯開けて頬張ると・・・やっぱり玉子のフライはタマランわ。うみゃ~でかんわ・・・まぁ1本まぁ1本と頼んでまいそうだわ(笑)。一緒に注文したレンコンもサクサクで美味しかった。素朴な風味が主体の素材をフライにして食べるのがやっぱり一番美味しいものだなと改めて思った伊蔵であった。
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最後に注文したのは『酒の穴』創業当時からの名物である『八宝菜』(200円)。一皿を注文してtakeさんと仲良く半分ずつ頂く事にした。この八宝菜には豚肉と下足、キャベツ、ちくわにじゃがいも、玉葱、かまぼこ、竹の子、人参等200円という安さからは考えられない程、実に具が沢山入っている。
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これがさ、またうみゃ~だわ(笑)。お酒を飲んだ後の〆に頂くに相応しいとても胃に優しい品。温かなスープもとても美味しかったしじゃがいももよく煮込まれていてとっても柔らかくてこれがまたスープをよく吸って味が染み込んでいて美味しいんだわ・・・・。さすが名物というだけあるグレートな品であった。

結局『酒の穴』で瓶ビール二本と以上の品を食べて二人合わせて二千円でお釣りが来ちゃいました(笑)。さすが新世界を代表する大衆酒場。どえりゃ~得した気分が味わえた。『酒の穴』で働く店員さんはしきりにお店の前の路地を歩く観光客をお店へ引き入れようと声を掛けまくっていたが、この店の独特な雰囲気や店内のお客さんが地元民ばかりなので観光客は少しは気にはなるにしてもほとんどがお店の前を素通りして行ってしまう。

でもこういうお店は有名になったとしても観光客で一杯になって欲しくないなぁ~とも伊蔵は思ったりした。このままの雰囲気でいつまでも地元の人達に愛される大衆酒場であってほしい。<つづく>

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新世界・『大衆酒場 酒の穴』
・住所/大阪府大阪市浪速区恵美須東2-4-21
・電話番号/06-6631-1845

◆酒の穴(1)/YouTubeより
http://www.youtube.com/watch?v=FQX10KX30Fs&feature=related
◆酒の穴(2)/YouTubeより
http:///www.youtube.com/watch?v=ZOYTSiqHxAQ&feature=related



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プロフィール

伊蔵

Author:伊蔵
伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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