2017-08

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東京下町見学(その17・神田やぶそば)

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『湯島聖堂』を後にした伊蔵はしばらく秋葉原の電気街をうろうろと歩き、時刻は昼になった。かねてからの予定通りに『神田やぶそば』へと足を進めた。
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この『神田やぶそば』も昨日訪れた『神田まつや』と同じく蕎麦通にはとてもよく知られている老舗の名店である。場所も「まつや」とに程近い神田淡路町に在る。幕末の名舗、本郷団子坂の蔦家(つたや)の支店、連雀町店(れんじゃくちょう)(昭和8年までこの神田須田町と淡路町は連雀町と呼ばれていた)を明治13年(1880年)に堀田七兵衛が譲り受け、『蕎麦麦』の屋号で営業を始めた。以来100年あまり蔦家の廃業にともない『蕎麦麦本店』として看板を受け継ぎ江戸っ子独特の気質と味の伝統を守り現在に至っている。

こちらの『神田やぶそば』の店の廻りもビル群に囲まれてしまっていてこの一画だけがぽっかりと全く違った風雅な建物として残っている。高い板塀に囲まれた木造平家建ての建築物は関東大震災後に再築されたもの。店内も何度も改装されているという。

お昼時というのと蕎麦の有名店ということもあり、伊蔵がこの店に辿り着いた時にはすでに蕎麦屋の店先(板塀の中の庭)には順番待ちの団体客で埋まっていた。しかし伊蔵は一人だったのですぐに店内に通してくれた。
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店内は外から見た建物から想像するよりかなり広く右側に厨房、右側一番奥に帳場があり、左側は手前に椅子席、奥に座敷といったレイアウト。椅子席の方は店外の立派な庭を眺めながら蕎麦を楽しめる。しかし伊蔵が通されたのは座敷席の方であった。この『神田やぶそば』の店内に入るときも「神田まつや」と同じく

『いらっしゃいぃ~~~ん』

の独特の呼び声に迎えられた。これは老舗蕎麦屋独特のものなのか、江戸独特のものなのかは分らないが伊蔵のような地方の人間には珍しく感じた。またこの『神田やぶそば』の特徴として、お客さんの注文を厨房へ知らせる『通し』といわれる呼び声が店内に響いているというところだ。帳場には勘定を受け持つ男性と多分この店の女将さんが二人一組で立っており、この女将さんがお客から注文が入った紙を店内に何人もいる花番(はなばん)と呼ばれる店員さんから受け取ると

『せいろうぅ~いちまいぃ~~』
『お銚子一合おかわりぃ~~~』
『焼き海苔、むらさき(醤油のこと)いりませ~~~~ん』

といったようにまるで百人一首の歌詠みのごとくに注文を詠み上げ、厨房に通すのである。これが非常に耳に心地よい。注文を通し、蕎麦がお客に供されるチェックするのが帳場の女将の役目だというわけだ。そのため帳場のある場所は店内が一目で見渡せる場所にある。ここで伊蔵は『せいろうそば』一枚630円を注文した。
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やがて『せいろうそば』が伊蔵のもとに運ばれて来た。一枚では少々量が少ないようであった。周りを見てみるとだいたいの人が二枚注文するか、おかわりするか他の品物を注文している感じだった。画像では分かり難いがこの『神田やぶそば』で出される蕎麦は麺が淡い緑色をしているのが特徴の一つである。

この色は蕎麦殻の下の甘皮も一緒に挽いた「挽きぐるみ」だからこそ出るらしい。夏場は蕎麦の色が衰えがちで黒っぽくなってしまう為、工夫が成されている。蕎麦もやし(そばの若芽)をすったものを蕎麦粉に混ぜたことにはじまり、菓子用の色素や抹茶を使った事もあるそうだが、現在はクロレラを用いているらしい。おいしい蕎麦を気持ちよく食べていただくという姿勢がこの工夫にも現れているようだ。

蕎麦は蕎麦粉10・小麦粉1の割合で主に内地産(長野、青森、北海道、茨城他)の最上級粉を用いていて、蕎麦汁は昆布、鰹節だしの辛口のコクのあるものを使用している。「まつや」で蕎麦を食したときも感じたが江戸の蕎麦汁はとても濃くて辛いと伊蔵は思った。ここ『神田やぶそば』の蕎麦汁は「まつや」よりも濃い味のようだ。蕎麦と一緒に汁を啜ると濃厚な鰹の風味が広がる・・そんな感じだった。伊蔵は関西人ではないが、ここまで濃いコクのある蕎麦汁で蕎麦を食した事がなかったのでとても新鮮な印象を受けた。本来蕎麦とは淡白な味である為、濃い汁で食べるのも悪くはない感じもした。
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この『神田やぶそば』でも蕎麦湯をたっぷり飲み、店を後にした。店外の庭にはまだ順番待ちをしている人々が沢山居た。こういう有名な老舗店はあらかじめ時間を外して訪れる事が好ましいだろう。<つづく>

◆神田やぶそば
営業時間 11:30~19:00
定休日 年中無休(1月・8月を除く)
千代田区神田淡路町2丁目10
電話 03-3251-0287
交通アクセス
JR御茶ノ水駅 徒歩3分 
地下鉄丸の内線淡路町駅 徒歩2分 
地下鉄銀座線神田駅 徒歩5分 


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伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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