2017-08

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近江国・長浜への旅(その5・長浜歴史博物館/後編)

伊蔵は長浜城・長浜歴史博物館の三階展示室へ続く階段を上って行った。三階展示室では主に長浜の文化について展示がなされていた。

まずこの長浜から出た文化人、『小堀正一(こぼりまさかず)』についてが三階での初めの展示だった。正一は『小堀遠州(こぼりえんしゅう)』の名の方が有名であろう。彼は江戸時代初期の武将でここ近江国坂田郡小堀村の出身。父とともに浅井家、豊臣家と仕えた。この京都伏見時代に『古田織部(ふるたおりべ)』に茶道を学び、後に徳川家の世となった時には家康の隠居の城であった駿府城の普請奉行に抜擢され、無事にそれをやり遂げた功により従五位下遠江守に叙せられた。このことから“遠州”と呼ばれる事になる。

小堀遠州は近江小室藩主でもあったが茶人、建築家、造園家などの芸術家としての面で名を馳せた人で様々な城郭や御殿の普請や庭園などを造った。彼の親しんだ茶の湯は現在でも受け継がれ『遠州流茶道』として残っている。

次の展示は『国友鉄砲鍛冶』についての展示であった。
今回の伊蔵の長浜の旅の目的となった一つがこの国友鉄砲鍛冶についてであったので詳しく見てみた。現在の長浜市街から少し東北に行った場所に“国友(くにとも)”という小さな集落があるのだが、戦国時代この集落は『堺』と並ぶ鉄砲の一大生産地(三大生産地は堺・国友・根来)であった。国友には沢山の優秀な鉄砲鍛冶集団がいて数々の戦国大名からの鉄砲の発注を受けていた。
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国友鉄砲についてはこの長浜城の見学の後、伊蔵が出掛けた『国友鉄砲の郷資料館』のレポでも書き記すのでここでは簡単に記しておく事にする。

長浜歴史資料館の国友鉄砲についての展示は非常に興味深くて面白かった。火縄銃の展示については一般的な大きさの銃、中筒、大筒といった口径の異なった銃の展示をはじめ、製造法やその製造する為の工具、分業について、厳しい徒弟制度などの紹介等がなされていていたが伊蔵が一番面白かったのはやはり製造に関する部分であった。

1543年(天文12年)種子島に一艘の中国船が漂着した。それに乗っていたポルトガル人から二挺の鉄砲が日本に初めて伝えられた。当時の日本は御存じの通り戦国時代であり甲冑を造ったり刀剣を造ったりする優れた鍛冶職人も多かった事もあって日本人はこの新しい兵器を瞬く間に国産化し武器として使用するに至る。一説には『関ヶ原の戦』で使われた鉄砲の総数は五万挺を超えたといわれ、当時日本は世界最大の鉄砲生産国であった。

これらの鉄砲の生産は大きく二つのグループの分業で行なわれていて銃床(木製の台座部分)とカラクリ(引金などの機関部)を造るグループと銃身を造るグループとに分かれていたという。伝来した鉄砲から最初に製造を試みた鍛冶師達には様々な困難があったが日本人特有の手先の良さと優れた技術力・工夫によって国産化する事が出来たのである。鉄砲を造る為の工具も無かったわけだからそれからまず造らねばならなかったので苦労した事だろう。これら製造方法については丁寧にビデオ放映にて見る事が出来るようになっていて非常に分かりやすかった。

そのほか“東洋のエジソン”と呼ばれる『国友一貫斎(くにともいっかんさい)』の製作した品々も展示されていた。彼は国友村の幕府御用鉄砲鍛冶職の家に生まれた人である。彼の製作したものとしては『気砲』と呼ばれる空気銃や自動で油を給油する照明器具、万年筆、天体望遠鏡などが挙げられる。特に自作した天体望遠鏡で月面観測、太陽黒点観測まで行なっていてスケッチも残しておりそれらの展示もされていた。月面のスケッチなどは細かくクレーターの様子や地形も描き込まれていて日本人が江戸時代にこの様な天体観測を行なっていたとは伊蔵はちょっと驚きであった。

先人達の偉大な技術力の高さに伊蔵は驚きながら三階展示室をまわり終えたのだった。さぁ次は長浜城の最上階の展望室を残すのみ!伊蔵は階段を上って行った。<つづく>
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伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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