2017-08

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伊蔵の『大坂・秋の陣』/その29・司馬遼太郎記念館・後編

司馬先生の邸宅と庭の奥に『記念館』の建物がある。その記念館の手前の庭の一部に休憩スペースのようなものが設けられていた。『記念館ポケットパーク』というらしい。
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そのスペースには植物プランターがいくつかとベンチそれに吸い殻入れが据付けてあり休憩出来る様になっていた。伊蔵はそのベンチに腰掛けタバコに火をつけて一服。森の様な緑の庭を眺めながらの一服は旨かった。
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休憩スペースの片隅には司馬先生の『花供養碑』が置かれていた。


『ふりむけば 又咲いている 花三千 仏三千』
 昭和六十一年春 司馬遼太郎

と刻まれている。さぁそろそろ『記念館』の方へ行ってみよう。
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『司馬遼太郎記念館』の建物の形状は簡単に言えば“三日月型”または“半円型”をしている。
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記念館入口へはその円弧に沿ったアプローチを進んで行く事になる。
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入口へのアプローチはガラスの回廊で囲まれていて南面から溢れんばかりの日光が降り注いでいる。庭にはよく手入れが行き届いた芝生の緑といくつも植えられた樹木が目に入り反対に記念館の外壁に目を移すとコンクリートの打ちっぱなしの無機質かつ非常にシンプルなデザインが飛び込んで来る。
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伊蔵が訪れたこの日は企画展として『二十一世紀に生きる君たちへ』展が開かれていた。記念館の入口を入ると広いロビーがあり左手には小さいながらも喫茶スペースもある。司馬先生の作品やグッズを販売する売店なんかもあったりする。しかし何よりこの記念館で最も圧巻なのが『大書架』と呼ばれる書棚だ。
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地下一階部分から地上二階まで吹抜けとなっている壁一面に書棚が取り付けられていて約二万冊の蔵書が展示されている。司馬先生の自宅に収められている資料本や自著作分の蔵書を合わせると実に六万冊を越えるというからこれまた驚きだ。これらの蔵書を手に取って見る事は叶わなかったが(展示のみ)どれもこれも伊蔵の興味を惹く書物ばかりで読めないのは非常に残念だった(笑)

またこれらの蔵書の展示と合わせて司馬先生愛用の品々の展示もある。例えば直筆の原稿や色鉛筆(先生はダーマトグラフを使用していた)による推敲の跡がわかる原稿、直筆の色紙や絵や先生のトレードマークの眼鏡やバンダナの数々、名刺や万年筆など実に興味深い展示物を見る事が出来た。特に原稿に対する推敲の跡は面白く何度も何度も訂正しては加筆している事が観察出来る。
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生の原稿の段階でもこれほどの加筆と訂正が入るのだが出版社から上がって来たいわゆる初校の“ゲラ刷り”の校正段階でもまた多くの加筆・訂正が入る。そして二校、三校と進む内に文章の余計な部分が削ぎ落とされたり逆に膨らみを持った文章に変化したりと段階を経るにしたがって文章の完成度が高められて行くのである。今回の企画展である『二十一世紀に生きる君たちへ』展のタイトルになっている著作の生原稿の推敲、ゲラ刷り校正の各段階の原稿展示も見る事が出来て、同じ印刷という分野の仕事に携わっている伊蔵にとってこういう偉大な作家の仕事の作業行程を直に見れるという事はとても興味深く、楽しい事であった。

嫌が上にも作家という人達の文章という物に対する“こだわりと頑固さ”と“プロ根性”を見せ付けられて好きなものばかりを長々と書き連ねている伊蔵は恥ずかしくなるばかりであった。もう少し伊蔵も見習わなくてはならないと思わざるを得なかった。

『大書架』の展示室にはテーブルがあり記念館に訪れた人達が感想を書き込む事が出来るノートが何冊か乗っていた。伊蔵も記念館を初めて訪れて考えさせられる事が多かったのでノートを紐解き感想を書き連ねる事にした(笑)ノートに書かれた訪問者の感想を読んでみると遠方からわざわざ訪れた方を始め司馬先生のファンは老若男女実に多岐に及んでいて改めて先生の著作の人気ぶりが伺えて驚く。

新聞記者上がりから日本を代表する歴史作家となった司馬遼太郎氏だが文才は天性のものがあったらしい(産経新聞社の記者時代に氏は『金閣寺放火事件』の取材し記事も書いている)展示物の中には2007年5月に天王寺の上宮学園で発見された校友会雑誌『上宮』30号(昭和11年12月刊)に当時13歳であった司馬先生の書いた作文もあったのだがとても13歳の文章とは思えない表現力に驚きを隠せなかった。この作文の発見は新聞やニュースにもなったので伊蔵も知ってはいたがちょうど記念館でお目にかかれるとは思ってもいなかったのでとても嬉しかった。

記念館内には小さなホールもあり司馬先生に関する十五分程の映像を視聴する事も出来た。映像視聴の他にも定期的に講演会や演奏会などのイベントも開催されているという。

記念館を時間を掛けてゆっくりと見て回った伊蔵は大満足でお腹いっぱいという感じであった。先程ロビーで見かけた喫茶スペースで少し休憩をしていく事にした。大きなテーブルが置かれていてガラス越しに見える外の庭園を見ながら珈琲を飲む。司馬先生の作品も読む事が出来るようにブックコーナーも用意されていてゆっくりと寛ぐ事が出来る様になっている。まさに伊蔵にとっては至福のスペースであった(笑)
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伊蔵は記念館の外へ出て今一度司馬先生の書斎を見に立ち寄った。なぜだか分らないがもう一度その書斎を見てから帰りたかったからだ。
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いつか来て見たいと思いつつ今回初めて訪れた『司馬遼太郎記念館』。伊蔵が先生のファンである事も手伝ってか予想以上に面白く満足出来た。最後に記念館の周りを一周してから伊蔵は近鉄『八戸ノ里駅』への道程を歩いたのだった。
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伊蔵は近鉄『八戸ノ里駅』へと戻ると一旦『鶴橋駅』まで戻る事にした。最後に鶴橋の商店街を歩き回ってから大阪の旅の〆にしたかったからである。<つづく>



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◆『司馬遼太郎記念館』
・所在地/〒577-0803 大阪府東大阪市下小阪三丁目11番18号
・電話番号/06-6726-3860
・開館時間/午前10時~午後5時(入館受付は午後4時30分まで)
・休館日/毎週月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日が休館)
・入館料/大人500円、中高生300円、小学生200円
・アクセス/近鉄奈良線『河内小阪駅』下車、徒歩12分
      近鉄奈良線『八戸ノ里駅』下車、徒歩8分
・ホームページ/http://www.shibazaidan.or.jp/index.html




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伊蔵

Author:伊蔵
伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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