2017-06

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『近江国・彦根』への旅/その10・彦根城天守閣

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『城巡り』の楽しさとは何であろうか。興味の無い方には全くどうでもよい事かもしれないが伊蔵の主観的な考えを書こうと思う。

城という建築物ははじめは簡単な“砦”を発祥として長い歴史を経て、特に戦国時代に軍事的かつまた合理的に発展した建築物である。また木造建築としてこれ程に複雑な縄張り(城郭設計)と巨大かつ壮麗な建築物は寺社仏閣以外に他にはなく、ある意味日本の木造建築物の究極の進化形というのが城といっても過言ではない。その建築物は当時の工匠達の最先端の技術の粋が込められている。それらを目にする楽しみが城にはある。また城の設計については少なからず築城者の好みと考えが如実に反映されている場合があり、その事を頭に置いて城を見学すると一層楽しい。

城の立地に関しては軍事上の要衝や交通の便など細かく考えられた上で建てられているので現在でも城の建っている都市はその土地の主要都市である場合が多い。城は築城されるにあたり城下町も合わせて設計される為、都市設計そのものともいえる。城下町を歩けばそこに残された地名からどのような人達が昔その場所に住んでいたか、どのような職業に就いていた人がいたかまで何となく見い出す事が出来、当時の人々の生活に思いを馳せる楽しみもある。(鍛冶屋町とか大工町とか寺町などなど)

伊蔵は彦根城天守閣内部へと歩を進めた。
入口で履き物をビニール袋に詰め込みそれを持って内部へ。伊蔵がこの彦根城天守閣へ足を踏み入れるのは二度目か三度目(記憶がはっきりしていない)。
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この彦根城天守閣は昭和30年代に行なわれた解体修理により墨書のある建築材が見つかり天守の完成が慶長12年(1607年)頃である事が判明している。昔のままの姿をとどめる彦根城の内部構造はとても複雑であり興味深い。グネグネと彎曲した木材が複雑に組み合わされて屋根を支えている。
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う~む・・・これは曲がった部材に合わせて組んで行った為なのだろうか。それともまがった部材の方が強度に優れているという事なのかよく分からない。
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再建復元された天守閣とは違い彦根城天守閣内部は質素そのもの。彦根城は一度も戦を経験する事がなかった。江戸時代の歴代彦根藩主もこの天守閣に足を運ぶ事は少なかったらしく歴代藩主の甲冑や武具などが収納されていたのみだったという。江戸時代という平和な時代を迎えて砦としての本来の役割自体が無くなった天守閣は彦根藩の象徴という役割のみを担っていたようだ。
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『鉄砲狭間(てっぽうざま)』も壁に穿たれていたが残念ながら塞がれていた(笑)
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天守閣各階層の天井もまた彎曲した構造材で複雑に組み合わされていた。先程まではこの彎曲した部材に対して疑問であったが、よく見てみると彎曲した方向が上を向いている。つまりアーチ型構造をしているのだった。
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アーチ型構造は上から掛かる荷重をうまく左右に分散する役割をはたすので構造的に利に適っている。複雑にこれらを組み合わせる事によって大きな荷重を様々な柱に分散する事によって天守閣全てを支えているという事である。好き勝手に曲がった部材を用いている訳ではないのだった。
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その後も伊蔵は彦根城の“彎曲グネグネ構造”を目にしながら見学を続けたのだった。しかしここまで彎曲した部材を用いた天守閣は珍しい。伊蔵が目にした天守閣でこの様な構造は彦根城くらいしか無い。
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彦根城に使われていた釘などの展示もされていた。昔の木造建築物というのはこういった釘などの金属製品をあえて極力使用しなかった。そのほとんどを木と木の組み合わせや継ぎ手によって形にしていた。長い歳月の内に釘に発生する錆が木を傷めてしまう事を昔の大工はよく知っていたからである。その証拠にこの展示されていた釘は鬼瓦を留めていた釘にすぎなかった。この天守閣もそのほとんどが複雑な木の組み合わせによって建っているのだった。
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天守閣内の扉を飾っていた金具類の展示もあった。すっかり錆びてしまっていて当時はどのような輝きを放っていた金具であったかは分からない。
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瓦飾りの展示には井伊家の家紋『丸に橘紋』が。う~む何だか和菓子のようだ(笑)
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天守閣内部は暑かったが急角度の階段を登り最上階である三階へと至ると意外にも涼しかった。琵琶湖から吹く風が格子戸の隙間を通って城内に吹き込んでいたからだ。最上階の花頭窓は外の風景を眺めるには少々小さかった。
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伊蔵の彦根城天守閣の見学はこうして終わった。小さな天守閣だがその複雑な構造に目をやるとこれほど面白い建物はない。訪れる機会があれば天井へと是非目を向けて欲しいと思う。
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天守閣から外に出るとまた眩しい日射しに晒される事になった。この後、伊蔵は天守閣の西側へと回って彦根山を下ろうと思う。<つづく>


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お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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