2017-08

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『近江国・彦根』への旅/その17・『焼牛たかし』さんにて(3)

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しばらくすると親父さんの本日のオススメの品である『近江牛の刺身』が運ばれて来た。伊蔵は牛の刺身というものは好んで注文して食べた事がない。しかし今、目の前の小皿に薄くスライスされた近江牛の刺身を見てみると実に旨そうではないか・・・。赤い身には乳白色の無数の細かなサシ(脂肪)が網の目の様に広がっている。これが口の中で溶け出し独特の香りと甘さを伴って味覚を刺激するのを思うとますます美味しそうに感じる。試しにそのまま食べてみるとアッサリとだが脂肪の甘さというものを感じる事が出来た。旨い!親父さんがすすめるはずだ。その刺身のサシの甘さをゆっくりと噛み締めながら頂いた。
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次にこの近江牛の刺身を飯と一緒に食べてみたくなり『たかし』さんのメニューの中でも人気の品となっている『近江牛のにぎり』を注文してみた。伊蔵にとって刺身の牛肉を寿司ネタとしたものを食べるのは初めての経験であった。いつかは食べてみたいと思っていたがまさか彦根で食べる事になろうとは思っていなかった。早速頂く。

う~んこれは全くの寿司だ。
ネタは刺身の牛肉だがこれがしっくりと合っている。全く違和感というものがない。街の回転寿司店で軍艦巻の中にネタとして盛られた牛焼肉も美味しいがこの刺身のにぎりもなかなかいける。

『う~ん・・こりゃぁ美味しいですねぇ』

思わず伊蔵は酒の酔いも手伝って親父さんに対して感想を述べた。親父さんは厳しい表情を変えずに聞いている様だったが、話が『牛』の事になると少しずつだが話をしてくれる様になった。近江牛も他の名高いブランド牛である松阪牛と同じく“但馬牛(兵庫)”を素牛とする事や、近江牛でも肉のランクの高いものなどは東京や大阪等の大都市へ流れて行ってしまう事など色々『牛』について話してくれた。

親父さんは生まれも育ちもこの近江であり、近江牛には昔から親しんでいたらしい。なぜこの商売を始めたかまでは分からなかったがせっかくの地元の美味しいこの牛肉、これを毎日自分の目や味覚で厳選し料理して安く客に提供し楽しんで貰うという親父さんのこの信念は牛に関する話ぶりからひしひしと強く伊蔵にも伝わって来た。まさに“牛一筋”と言う感じの親父さんであった。
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牛の話で親父さんと盛り上がりながら伊蔵が次に注文したのは『近江牛の塩タン』。これまた非常に美味しかった。よく動かす部位というのはやはり美味しい。程よい塩加減でとてもジューシーで噛めば噛む程に味がどんどん膨らむような感じだった。
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最後は『ニラと牛肉のニンニク炒め』。ニラとニンニクの香りが食欲を誘う。歯応えの程よいキャベツと牛肉が嬉しい。これを焼酎を片手にチョコチョコ摘む。ここで伊蔵は彦根で食べようと考えているもう一つの近江名物“鮒寿司(ふなずし)”について親父さんに聞いてみる事に。生まれも育ちも近江の親父さんならこの郷土の料理について詳しく知っているかもしれないと思ったからだ。

『実は明日、鮒寿司を食べてみようかと思っているんです』

伊蔵が親父さんに問いかけてみると親父さんはまた色々と教えてくれた。
近江地方の郷土の名産品となっている『鮒寿司』は昔はよく各家庭で漬けていたという。しかし近年は材料にする鮒自体が激減しており自家でわざわざ漬ける事は少なくなって来ているらしい(一概に鮒といっても『鮒寿司』に適した種類がありその数が減っている)材料の鮒が減っている為にかなり高価となっている。

親父さんの話では好き好んでこの『鮒寿司』を食べる人は少ないという。やはり発酵食品という事でその匂いが毛嫌いされるとの事。しかし本当に美味しい『鮒寿司』はそれほど匂いが気にならないものだという事も教えてくれた。それでも匂いが気になるという人は醤油を付けたりお茶漬けなどにして御飯と一緒にすれば食べやすくなるという。いずれにしてもこの『鮒寿司』は酒飲みのおつまみというイメージが強く、酒を飲まない人がそのまま食べてもあまり美味しいと感じないらしい。なるほどなるほど。

美味しい近江牛にお酒、そして様々なお話を親父さんや女将さんに伺う事が出来た伊蔵は大満足。そろそろ宿に戻る事にした。親父さんと女将さんに御礼を申し上げお店を後にした。非常にゆっくりと食事やお酒を飲めるお店だった。また訪れたい。
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お店の外はすっかり真っ暗になっていて他の飲み屋さんにも明かりが灯ってはいるものの観光客の姿はほとんどない。親父さんも言っていたがこの彦根で観光目的の為にわざわざ宿をとる客は少なく、泊まる客はほとんどがビジネスマンだという事だった。観光客は昼間には観光で彦根を訪れるものの宿泊については福井方面か京都の方へ行ってしまうらしい。以前に訪れた伊勢市と同じ現象がこの彦根市にも言えるようだ(伊勢市の場合は観光客は全て鳥羽方面に宿をとってしまう)。
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ほろ酔い気分で暗い彦根市街を宿まで歩いた。近江牛を堪能させて頂いた事を友人takeさんに報告した後、伊蔵は宿へと帰り着いた。こうして伊蔵の近江国の旅の第一日目が終わったのだった。<つづく>


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◆『焼牛たかし』
・住所/ 〒522-0064 滋賀県彦根市本町2-3-3
・電話番号/0749-23-3644
・営業時間/ 17:00~22:30
・定休日/月曜日(祭日の場合は営業)
http://yumekyobashi.jp/shop/shopinfo.php?shop=takashi



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Author:伊蔵
伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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