2017-06

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『近江国・彦根』への旅/その24・近江の郷土料理『鮒寿司』

これから伊蔵が食べようとしている近江の郷土料理『鮒寿司』とはいかなる食べ物なのであろうか。ちょっと調べてみようと思う。

◆『鮒寿司』とは
日本を代表する発酵食品で特に滋賀県の郷土料理として有名。日本最古の寿司ともいわれる。材料には『鮒(ふな/主にニゴロブナ・ゲンゴロウブナ)』を使用する。毎年5月初旬産卵の為に琵琶湖の浅瀬に集まる鮒を穫り卵巣は残して臓物を除く。身を水で綺麗に洗った後、水気を除く。その後身の中に塩を詰め込み(塩切り)しばらく塩漬けにする。時期をみて身の中の塩を取り除き(塩出し)今度は身の中に挟み込む様に飯を詰め込む。この時に発酵を促進させる為、焼酎等のアルコールや米麹を加えたりもする。桶の中に飯と鮒を交互に敷き詰めて重石を載せて密封、1年~2年位漬け込む。こうする事により桶の中では乳酸発酵が起こり鮒寿司が出来上がるわけだ。食べる時には詰め込んだ飯はドロドロに溶けてペースト状になっていて乳酸発酵による独特の臭気と酸味がある。非常に手間の掛かる料理である事と、近年原材料である鮒の減少で非常に高価な料理となっている。

ざっとこんな感じの料理。その臭いが苦手な人が多いといわれる伊蔵がいまだに口にした事の無い未知の料理なのであった。苦手な人が多いといわれる一方で、こんなに美味しい物はないという人もいるわけでこればかり一度食べてみないとは分からず、せっかく近江に来た以上はこの郷土料理を食べないわけにはいかない伊蔵なのであった。
DSCF8811.jpg
この近江に旅に出る前に伊蔵は『鮒寿司』を食べさせてくれるお店を検索してみた。ヒットしたのは寿司・割烹の店『魚市』さん。自家製で漬けている鮒寿司をお客さんに食べさせてくれるらしい。赤祭り見学の後、歩いてこの『魚市』さんへ行ってみた。お店はすぐに見つかった。

この『鮒寿司』その圧倒的な存在感とその産地から歴史小説や歴史ドラマに登場する事が多い。話の内容が事実かどうかは別にして大河ドラマでも取り挙げられた事がある。1996年(平成8年)放送の大河ドラマ『秀吉』(原作/堺屋太一・主演/竹中直人)での事だ。ここで取り挙げる『鮒寿司事件』の配役は以下の4名。

●織田信長:渡哲也
●明智光秀:村上弘明
●徳川家康:西村雅彦
●本多正信:宍戸錠

時は天正十年(1582年)。長年の脅威であった甲斐の武田家を滅ぼした織田信長(渡)は長期に渡って東の押さえの役目(武田家の脅威の押さえ)を果たしてくれた同盟者である徳川家康(西村)を安土へと呼び豪華な饗応をする事にした。家康がいなければ信長は安心して尾張から西進し上洛を果たす事は出来なかったからだ。この大事な饗応役を信長から命じられたのが明智光秀(村上)であった。光秀は仕事を卒なくこなし饗応の準備も万端整った。そして安土での宴の夜、事件は起こった。

その夜、信長と家康は酒肴を並べ能を堪能中であった。家康の謀臣本多正信(宍戸)が酒肴の膳の上にあった鮒寿司に箸を付けようとして一言光秀に文句をつけたのである。台詞は伊蔵の記憶によるところが大きいので多少違いはあるのは許されたい。

・正信(宍戸)『明智殿は我が主に腐った魚を食べよと申されるか?』
・家康(西村)『これ!控えよ正信』
・光秀(村上)『あいや、これは近江の名物の鮒寿司と申しまして・・・云々』
・家康(西村)『明智殿、我らは山深い三河の田舎侍じゃによって知らぬ事とはいえ許されよ』
・正信(宍戸)『これは失礼致した』

これで落着するはずであった。が、このやり取りを聞いていた信長(渡)が烈火の如く怒り出したのである。

・信長(渡)『不味い!』

と一喝した後、座を立って出て行こうとしてしまう。それを必死で止める光秀。

・光秀(村上)『お待ち下さい!上様!京より腕に憶えのある料理人を多数揃え用意したる山海の珍味の数々・・よもや口に合わないはずがございませぬ!』
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信長としては決して酒肴に並んだ料理が不味いと言っているのでは無く、いくら腕のある料理人が作った有名な京料理・近江の珍味であったとしても大事な客人の口に合わない物を接待の席で出した光秀の事が許せなかったのである。それが光秀には分からない。止めようとする光秀を足蹴にするだけでなく光秀は『饗応役』を降ろされてしまう。加えて彼の近江・丹波の領地は没収、中国攻めの最中である羽柴秀吉(竹中直人)の加勢にすぐに出陣せよとの命令が下る。彼・明智光秀が『本能寺の変』で信長を討つのはこの事件からわずか半月後の事であった。

この『鮒寿司』のエピソードがホントの事であったのかは分らないが光秀が信長に対して逆心・謀反を画策とするいう異常な心理状態を盛り上げる為の数々の逸話のひとつとしてまことしやかに語られている。<つづく>


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