2017-10

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『近江国・彦根』への旅/その26・魚市さんにて(2)

伊蔵が『魚市』さんで注文した色とりどりの『特上にぎり』計8貫はどれもネタが新鮮で美味しかった。またそのにぎりに使われているのは地元の近江米でありこれがまた旨かった。

そのにぎりを食べながらも伊蔵の気持ちは『鮒寿司』の事で一杯だったのは言うまでも無い(笑)。その特上にぎりをあと2貫を残すのみとなった時、伊蔵は再びお品書きを開いて見た。そこには1頁ぶち抜きで『鮒寿司』の紹介がされていた。一匹丸々を注文すれば3,000円!原料である鮒が減少しているとはいえ、やはり漬け込むにはそれ相応の時間と手間というものが掛かるという事をこの価格が物語っている。

『特上にぎり』を完食し温かいお茶で一息ついてところで伊蔵はカウンター内で依然として忙しく作業をされているご主人に問いかけてみた。

伊 蔵:『こちらで鮒寿司が頂けるとお聞きしたのですが・・・』
ご主人:『ええ、ございますよ』
伊 蔵:『少量で頂きたいのですが・・』
ご主人:『わかりました。では半身くらいでお出ししましょう。』

ご主人と会話をかわした後、しばらくすると奥の厨房からその未知の味覚が秘められた『鮒寿司』が運ばれて来た。
DSCF8814.jpg
伊蔵の前に運ばれて来たそれは噂ほど匂いがキツイという事はなかった。微かに酸味がかった香りがするだけであった。ジッとその『鮒寿司』を観察してみる。鮒の身はすっかり萎み卵巣が鮮やかな黄色い色を発している。表面にはペースと状に変化した飯がわずかに残っている・・。背骨も残っているがこれも発酵作用によって柔らかくなっているので全てが食べられるようだった。

ご主人:『そのまま食べても美味しいですが、もし食べにくいようでしたら小皿の醤油をつけて食べて見て下さい。酸味がまろやかになって食べやすくなりますよ。』

と、ご主人がカウンター内から声を掛けてくれた。
DSCF8815.jpg
伊蔵は意を決してその『鮒寿司』に挑む事にした。
箸先でチョイと崩して口に少量入れてみた。『むむむむ・・・!!』もの凄く酸味が利いている。単に酸っぱいとか塩っぱいというのとはまた違う。舌の上がピリピリする程に刺激的な酸味なのだった。鼻腔にツンとする刺激臭が抜ける。今までに味わった事の無い味だ。思わずお茶で刺激を和らげた。

伊 蔵:『初めて鮒寿司を頂いたんですが随分酸味が利いているもんなんですねぇ。』
ご主人:『ええ、そうですねぇ。まぁお酒のおつまみといった方がいいかもしれません。』

ご主人と話しながらも伊蔵は箸を休める事なく『鮒寿司』を堪能し続けた。苦手ではない。伊蔵は食べれる。しかしながらこの刺激的な酸味を味わっている内にお茶と一緒にこの高価な『鮒寿司』を味わう事に抵抗感が伊蔵の心の中に生じ始めて来たのだった(笑)その気持ちを察せられたのかご主人が

ご主人:『お茶ではキツイかもしれませんねぇ~・笑』
伊 蔵:『すみません。生冷酒をひとつ下さい。』

酒無しではこれは勿体無い(笑)
時は真っ昼間であったが構わず生冷酒を頂く事に。
DSCF8817.jpg
出て来た生冷酒は『琵琶の舞』という地元近江のお酒であった。冷たくほんのり甘い冷酒は刺激的酸味の『鮒寿司』ととても良く合い、ご主人の言う“酒のつまみ”という事が納得できた。これは旨い!!鮒の表面に付着しているペースト状に変化した飯がこれまた美味しい。乳酸発酵の末、まるでチーズのような味がする。この点もご主人に感想を述べると、

ご主人:『そうです。日本酒で頂くのも美味しいですが、私なんかはワインと一緒に食べるのが好きなんですよ。』

ほほぅ・・チーズとワインは相性がいいのでその頂き方もなかなか美味しそうだ。ドロドロに変化した飯は見た目は少々悪いが食べてみるとこれがたまらなく美味しい。店内には伊蔵一人なのでゆっくりと時間を掛けて少しずつ『鮒寿司』を摘みながらのお酒は至福の時間であった。近江の旅での最後の食事はこうして終わったのだった。

『珍しいものを頂きました。御馳走様でした。』

伊蔵は『魚市』さんのご主人に御礼を述べお店を後にした。
日本各地にはこうした発酵食文化がまだまだある。以前に福井に訪れた時に頂いた『鯖のへしこ』も酒の肴としてやはり美味しかった。次は伊豆諸島の特産品『くさや』なんかも食べてみたい・・・。

実際に食べてみるまで不安だった『鮒寿司』の味。この近江の郷土料理はこの上なく美味しかった。しかしお酒を嗜まない方には少々キツイかもしれないのでお茶漬けなどにして食べた方が美味しく食べられるだろうと思う。<つづく>

DSCF8811.jpg
◆『割烹 寿司 魚市』
・住所/滋賀県彦根市芹橋2-9-15
・電話番号/0749-22-2124
・営業時間/11:30~14:00/17:00~21:30
・定休日/火曜(祝日の場合は営業)
・交通アクセス/JR琵琶湖線彦根駅から徒歩15分
・お店の紹介/http://horoyoi.jp/detail_id_638.html



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伊蔵

Author:伊蔵
伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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