2017-11

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『信州松本』への旅・その10/国宝・松本城(6)

大天守の二階は火縄銃などの古銃の展示室となっていた。
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それは城の中にある一展示室にしては随分力のこもった火縄銃展示室であった。まずその火縄銃の展示品が豊富さ。標準的な大きさの火縄銃から、“大筒(おおづつ)”と呼ばれる大口径で重量の重い弾丸を飛ばすものまで大小様々な鉄砲が展示されている。
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鉄砲の日本伝来から国産化に至る歴史やその製造工程など詳細な説明が為されており、これがなかなかに面白い。ここまでは日本各地にある火縄銃展示施設と変わらないが、この松本城鉄砲蔵の面白いところはこれだけではない。
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鉄砲に関るその他の展示物も多いのである。例えば上の画像。鉄砲隊の“鉄砲頭”の着用していた具足。よく時代劇等で『火蓋を切れぇ!構えぇい!放てぇぇぇ~!』と鉄砲隊に下知する人の事である。こういう具足の展示は珍しく伊蔵も初めて目にした。
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また弾丸(鉛弾)をどの様に製作するのかについても展示物や説明パネルによって知る事が出来る様になっている。ペンチ状の先に弾丸の形をした窪みが付けられており、そこに溶かした鉛を流し込みペンチを押さえる様に両側から圧着させて鉛を冷やすと簡単に弾丸が造れるという製造法。たとえ戦場でも弾が無くなればその場で作ってしまうのは流石に戦国の世の凄まじさと言ったところか。
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また日本の戦国期の火縄銃展示にとどまらず、西洋の銃器の変遷についても展示されていた。銃器の大まかな進化の歴史は単発銃から連発銃へ、発火方式の進化(火縄点火<マッチロック式>→火打ち石点火<フリントロック式>→雷管式)、装填方式の進化(先込め・前装式→後装式)、命中精度を高める銃身内部構造の進化(滑空式→施条式)と大別される。
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◆アメリカ/コルト社製のピストルの展示
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日本は戦国時代の終焉とともに大量の火縄銃を使用する必要性が無くなった事と、徳川幕府の布いた鎖国令によって西洋での銃器の進化を知る術が無かった為、鉄砲といえば『火縄銃』だけだという誤った常識が幕末期までまかり通っていたし、外国からの侵略や国内戦争も無かったので火縄銃をさらに合理的に進化させる必要性も無かった。日本では江戸時代という平和な時代に入ってから刀剣や火縄銃といったものは本来の武器としての役割よりもむしろ芸術品や美術品などの観賞用として進化したという事がいえるだろう。

逆に西洋では領土拡大にともなう征服戦争が頻繁に起こっていた。特にアメリカではイギリスからの独立を戦争に勝利する事によって勝ち得てからというもの西へ西へとどんどん領土を拡大していく過程でも様々な紛争や戦争、先住民との戦い等を経ると同時に銃器も必然的に進化を遂げた訳である。『自分達の自由は自分で勝ち取る』『自分の身は自分で守る』という彼らアメリカ人の精神(それを達成するには手段を選ばない)は当時から現代まで連綿と続いている訳である。現在、銃社会がもたらす諸問題に不安を抱えつつもなかなか銃を手放す事が出来ない国民性もこの為である。
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◆脇差鉄砲(わきざしでっぽう)
見た目は脇差だが実は鉄砲という珍しい展示物

これら松本城鉄砲蔵の展示物は個人所有のものだったと前回お話した。
松本市出身である『赤羽通重氏・か代子夫妻』の集めた銃器コレクションで“赤羽コレクション”と呼ばれている様である。かなり貴重な品々ばかりで伊蔵は驚くばかりだった。このご夫婦は相当なガンマニアだったのだろうか…。興味のある方は松本城へお越しの際は是非見学をしてみてはいかがだろう。<つづく>
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お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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