2017-08

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

伊蔵の『飛騨高山』単独行・その7/高山祭屋台会館

yataikaikan.jpg
先にも書いた通り『高山祭屋台会館』は桜山八幡宮のすぐ脇にある。この会館では秋の高山祭(八幡祭)に曳き回される11台の屋台の内、常時4台を4ヶ月毎に入替えで展示しており、絢爛豪華な屋台を間近で見る事が出来る。またその屋台や展示物を桜山八幡宮の“巫女さん”が丁寧に説明、案内してくれるのが嬉しい。

伊蔵は入館券を購入し『高山祭屋台会館』へと入った。入口を入ってすぐに声を掛けられたので驚いた。観光客の写真を入口で撮り、出口を出る時までに現像プリントをして記念品として売り付ける観光地にありがちなあれだ。伊蔵は苦笑しつつ撮影に応じてから館内へ。ちょうど観光の団体の一団が伊蔵の前に行列を成していて、その先頭に白い羽織に赤袴が眩しい巫女さんが付き、展示してある屋台についての説明を始めているところであった。
DSCF9046.jpg
伊蔵は行列の最後尾に付けた。会館内中央部は吹抜けとなっており広い空間となっていた。その空間に4台の屋台とひとつの神輿が並べて展示されている。撮影は可能であったが“フラッシュ撮影”は禁じられていた。にも関らず伊蔵の後にいたオジサンがデジカメでいきなりハニーフラッシュ!こういう人は必ずひとりはいるものである。

そのフラッシュオジサンに対して伊蔵は心の中で『頼むよ・・・』と思ったのだが、それよりも堪らなかったのが伊蔵の前に並んでいたオジサンに伊蔵自身が睨まれてしまった事だ。どうやらその人は伊蔵がデジカメのフラッシュを焚いたと思ったらしい。物凄いしかめっ面で睨まれた・・・。『オレじゃねーて』と伊蔵は心の中で叫んだが顔はつとめて冷静さを保った。それでもそのオジサンは口元で何やらブツブツと呟きつつ伊蔵を“断続的しかめっ面”でこちらを見つめていた。伊蔵はさすがに頭に来たが“断続的冷静さ”で無視を決め込みこれに対抗したのだった。ここは我慢だ我慢(笑)
DSCF9048.jpg
まず最初の展示物はきらびやかな『大神輿』。最初の神輿は江戸時代文政年間に造られたものだったが明治8年に焼失してしまったという。現在の『大神輿』は明治21年から5年の歳月を掛けて造られた。八角形の神輿の最上部には鳳凰を飾り、屋根には天皇家の菊の御紋があしらわれているが、そのまま菊の御紋(十六紋菊)を祭の神輿に使用するのはあまりにも恐れ多いという事でよく見ると菊の花弁が一枚多い十七紋となっている。この神輿の総重量は2トン半もあり装飾の豪華さと美しさは日本一の神輿と称される。その神輿の隣の屋台は『大八台(だいはちたい)』。高山で最初の三輪屋台で御所車(車輪)の直径は1.56メートルもある。
DSCF9049.jpg
次の屋台は『神馬台(じんまたい)』。創建年代は亨保3年以前で明和6年の再建だという。屋台上には神馬と白衣の二人の馬丁が飾られている。この屋台の車輪は四輪となっている。
DSCF9050.jpg
『神馬台』の中段側面の般若の刺繍も見事。細部の細工、デザイン性もよく見るとかなり手が込んでいる。これ程の工芸品を造れたのは“飛騨の匠”の技術力があったからだ。古くから飛騨国は過疎の国であった為、大和朝廷の定めた律令制度上の税制『租庸調(そようちょう)』の内、庸と調を免除されていた。

●租(そ)/米などの穀物を税として納める
●庸(よう)/人の労力を税として課せられた
●調(ちょう)/繊維製品や地方特産品などを納める

飛騨の匠は庸・調を免除される代わりに選ばれた匠達(毎年100人~150人)を都へと送り出し宮殿や寺院の建築や修理などの仕事を専門に従事し腕を振るった。これはおよそ600年間の長きに渡って続いたという。古い時代からこうして培われた技がこの高山祭の屋台の装飾に生き、受け継がれている事になるのである。
DSCF9051.jpg
次の屋台は『豊明台(ほうめいたい)』。今回この会館に展示されている屋台の中ではこの『豊明台』が一番手が込んでいる様だった。その向こうの屋台は『金鳳台(きんぽうたい)』という屋台。亨保3年の創建で屋台上には神功皇后と武内宿禰の像が載っている。
DSCF9052.jpg
一方の『豊明台』の創建年代は不明だが明治33年から3年間を掛けて大改修が行なわれたという。以上展示されていた四台の屋台だったが、屋台の骨組を造る大工、その外側を飾る木の彫物を造る職人、漆や色を塗る塗師、装飾金具を造る金具職人、屋台を覆う美しい織物を織る職人などなど・・全ての職人・匠の技が見事に結晶化しているのが確かに感じられた。
DSCF9053.jpg
こうした屋台や山車等が曳き回される祭は伊蔵の住んでいる岐阜に限らず各地方にも多いが、その土地土地の職人・匠の技の集大成が結集されているので目にするとそれはそれは美しいく、かつまたその技術力には素直に驚かされてしまう。
DSCF9055.jpg
高山の屋台の装飾で特に感激したのはその木の彫刻である。流石に飛騨の匠。彫師の技の凄さに感動すら覚える。その透かし彫りは見事という他ない。
DSCF9056.jpg
まるで生きているかのような・・・という表現が合っているかもしれない。モチーフは獅子だがその躍動感と木目が相まって実に活き活きと表現されている。
DSCF9057.jpg
こうした彫物はいきなり彫っていくわけではなく綿密な設計図、つまり下絵に基づいて彫られる。その下絵も展示物のひとつとして展示されていた。しかしニ次元の下絵から三次元の表現に持っていくこの高度な技術力。とにかく凄いとしか言いようがない。伊蔵は飛騨の匠の技術に感動し興奮しながら『高山祭屋台会館』の出口へと歩いて行った。すると・・

『記念にいかがですか??』

すっかり忘れていた。会館入口でいきなりカメラで撮影されてしまった事に。伊蔵の写った写真がすでに現像され大きな掲示板の片隅に張られていた。それをいままさに売り付けられようとしているのであった。執拗に相手は迫って来たが、

『ええです・・』
『そうですかぁ?記念になりますけどねぇ』

う~む勝手に無理矢理撮影しておきながら記念と言いながら売り付ける。いくらなんでもちょっとそれはないんでないかい?・・伊蔵はやりきれない気持ちで『高山祭屋台会館』の出口を出て行ったのだった。すると伊蔵の携帯が突然振動した。誰だろうか?<つづく>






スポンサーサイト

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://moriizou.blog39.fc2.com/tb.php/644-1131e605
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

伊蔵の『飛騨高山』単独行・その8/高山御坊~城山へ «  | BLOG TOP |  » 伊蔵の『飛騨高山』単独行・その6/桜山八幡宮

プロフィール

伊蔵

Author:伊蔵
伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。