2017-08

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伊蔵の『飛騨高山』単独行・その12/福来博士記念館

高山城址山頂から下って伊蔵が次に訪れたのは『福来博士記念館』であった。
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城山公園の一画にある茶店の脇にひっそりと佇むこの記念館。よほど気を付けて探さないと通り過ぎてしまう程の小規模な記念館だ。そもそも『福来博士』という人物を知っているという人は、相当なオカルトマニアか読書が好きな人に限られるだろう。
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◆福来 友吉/ふくらい ともきち(1869~1952)
岐阜県出身の心理学者。東京帝国大学助教授。「透視」「念写」の能力を持つ“超能力者”を日本各地から発掘し、その能力の公開実験や学会発表で一躍注目を集める。しかしその能力に関する発表は当時の科学者やマスコミから科学的根拠の無いものと激しい非難を受け、福来博士は東京帝国大学を追放されてしまう(千里眼事件)。世間の信用を失った彼はその後も独自の心理学の研究を続けたが二度と注目を浴びる事なく不遇の最後を遂げた。日本のオカルト・超常現象実験のパイオニアといえる人物。

ざっと福来博士の一生を紹介すると以上の様になる。彼の写真を見ていると独自のマジック手法を展開する手品師の『マギー司郎』にどことなく似ている(笑)。マギー司郎は一見手品と呼んでいいのかどうか分からないその手法が世間から認められているのは周知の事実だが、顔が似ている福来博士は逆に世間から認められる事は無かった。

不思議な現象を目の当たりにする場合、予め「これはマジック」ですと言うか「これは超能力です」と言うかで観客の見る姿勢が変わって来る。マジックだと言われれば最初からタネがあるエンターテイメントだと観客も分かる為リラックスして見ていられるが、超能力と言われると観客も疑心暗鬼になって身を構えてしまうものだ。この辺りが『マギー司郎』と『福来博士」の世間の評価の明暗の分かれ目だろう。まぁ顔が似ているだけで彼らの仕事や人生を比べる事自体が間違ってるのだが(笑)
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『福来博士』は鈴木光司原作『リング』に登場する“T大学精神科助教授 伊熊平八郎”のモデルともなっているのは御存じの方も多いだろう。物語の中で伊熊助教授は“貞子”の母『山村志津子』の透視能力を発見し、福来博士と同じ様に実験をするシーンが登場する。
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さてその『福来博士記念館』。茶店の前の小道を奥に入って行ったところにある小さな小屋の様な建築物がそれである。当然ながら訪れている観光客は一人としていなかった。記念館は陽も当たらない暗い場所にあり、寒そうであった。入口に足を踏み入れると土間がありここで靴を脱ぐ。スリッパがいくつか揃えて置いてあったので履き替える。

館内は福来博士の研究の足跡をパネルで展示してあるといった感じのものであった。彼が日本各地で発掘した超能力者の紹介や実験で得られた「念写」「透視」についての紹介パネルも沢山展示されていた。
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“念写”とは光やX線の入らない密閉した箱の中に写真用乾板を入れてそれに向かって実験者が念を送り、念を像として乾板に感光させる事である。上の画像はその念写で得られたものだとされるもの。う~む・・念じるだけでここまで激的に感光させる事が本当に可能なのだろうか・・。ちょっと大々的に写り過ぎており、これは誰が見ても疑いの目を向けてしまうだろう。
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これは福来博士によって透視能力(千里眼)を持つとして紹介された『御船千鶴子』という女性。この女性が前述したところの『リング』で登場した『山村志津子』のモデルである。
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彼女は福来博士の元での透視実験で様々な成果をあげたが結局は研究者やマスコミの非難、攻撃の対象になり服毒自殺を図り死亡してしまう。
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福来博士は『長尾郁子』にも透視能力があるとして実験を行っていた。その実験の際に郁子に「念写」の能力がある事を発見し、以後「念写」の研究や実験を行ないはじめる。
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『三田光一』に至っては当時人類が知り得なかった月の裏側の「念写」に成功した。しかしいずれの能力者も非難の対象に挙げられたのはいうまでもない。科学者、マスコミの攻撃を受けてこれら福来博士の実験や研究は徹底的に排除されてしまい、以後の日本の超能力研究はすっかり下火となってしまった。

伊蔵が子供の頃にはユリ・ゲラーの“スプーン曲げ”やユリの超能力の模様をテレビ放送で見る事によって潜在能力に目覚めたと称する少年が日本各地に続々と現れた事があった。見た目の珍しさや話題の大きさからマスコミも最初はどんな番組でも“超能力”をテーマに取り挙げた番組をバンバンと放送していた。話題のピークが過ぎた辺りからはやっぱり明治期の福来博士の実験の発表に対する批判と同じ様に「超能力はインチキ、トリックである。科学的根拠がない」という空気が漂いはじめ、週刊誌でもスプーン曲げの瞬間をわざわざ高速度カメラで撮影しトリックを暴いたと騒ぎ立てたりと、一転して数々の超能力者といわれる人々を批判し始めた。

『超能力』というものが本当にあるのかどうかというのはわからないがここまで騒ぎ立てる必要はないし肯定派と否定派に分かれての論議も不毛な戦いにしか思えないので、不思議な能力を『超能力』と呼ぶのは無しにして、ただ単にエンターテイメントとして楽しめばいいのではないかと思うのだが(少なくともテレビ番組の製作に関しては)・・。
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しかし不可解なこの能力の解明と研究を初めて行なった『福来博士』。科学的証明が出来ず、各方面から激しい非難を受けて大学も辞めさせられてしまった彼だが、一生を掛けて取り組む事の出来る研究対象を見つける事が出来て、本当は福来博士自身は幸せだったのかもしれない。例えその研究成果が認められなくても。<つづく>


◆福来友吉博士の経歴(クリックで拡大)
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伊蔵と申します。
幻の焼酎から名を頂きました。
お酒・一人旅・自転車・麺類好き・歴史・読書・雑学・ネット・路地裏散策・廃道・街道・地図マニア。血液型:B型

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